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痔の市販薬の使い分けと効果について

更新日:2018/05/22 公開日:2017/04/07

痔の検査・治療

痔の治療では手軽に購入できる市販薬で一時的な処置ができます。しかし、種類や効果がさまざまでどれがよいのかわからないこともあります。そこで今回は、痔の治療に有効な市販薬について、ドクター監修の記事で解説します。

痔の治療には市販薬は有効ですが、あくまで一時的なものとして使用し、必ず専門の医療機関の受診による処方薬で対応するようにしましょう。

痔の市販薬を使用するうえでの注意点

痔の治療では、主に医療機関で処方される薬を使用するだけでなく、ドラッグストアなどで販売している市販薬を自分で購入して使用する場合もあります。医療機関で処方される薬は、ドクターが適切に病状に合わせた薬を処方してくれますが、市販薬はいつでも手軽に手に入れることができるというメリットがあります。しかし、痔は症状によって種類が異なり、薬もそれに合わせたものを使用する必要があります。また、イボ痔が大きくなったり、肛門の内側にできたものが外に出たりする脱肛の状態であれば、薬物療法だけでなく医療機関での手術も必要になってきます。特に、痔ろうであった場合には、市販薬では治療できず、医療機関で治療しなければなりません。加えて、痔と間違えやすい病気に大腸がんがあります。ドクターの診断なしに、自分勝手な判断で市販薬を使用してしまうと見逃してしまい、最悪の場合命に関わってくるということも知っておくようにしましょう。

しかし、夜中に急な痛みや出血が起きたり、仕事や旅行で遠くに出かけたりしていた際には、すぐに医療機関で受診することは難しいでしょう。その際には、一時的に症状を抑えるものとしての市販薬の使用が有効です。市販薬はどのような痔であっても誰でも安全に使用できるように、成分の配合が調整されています。そのため、症状によっては薬の効果があらわれにくい場合も多くあります。必ず医療機関を受診して医師から処方薬をもらうようにしましょう。これらの点に注意したうえで、市販薬を使用してください。

市販されている主な治療薬について

痔の治療では、医療機関で処方されるものでも市販のものでも、坐薬と塗り薬の外用薬、飲み薬の内服薬の3種類が用いられます。痔の種類や症状に合わせて使い分けるようにしましょう。

坐薬

切れ痔やイボ痔の治療には主に肛門に挿入して使用する坐薬が有効です。紡錘形になっているため、挿入はしやすくなっています。坐薬はやわらかい固形になっていますが、肛門内に入ると次第に溶けていきます。そして、溶けた薬が肛門の皮膚や内部の粘膜をカバーするため、痛みや出血といった痔の症状が改善されます。坐薬のメリットは、患部に直接作用するため、内服薬よりも効果が速くあらわれるということです。また、患部がカバーされているため、排便時に刺激も受けにくく悩むこともなくなるでしょう。

塗り薬(軟膏、クリーム)

坐薬では対応できない、肛門の外側にできた切れ痔やイボ痔には塗り薬が有効です。ステロイド系と非ステロイド系と、含まれている成分によって種類が異なります。ステロイドは痔への効果が高いですが、長期間の使用は皮膚のびらんやカンジダなど真菌(カビ)による真菌症を引き起こすおそれがあります。一般的には、痛み止め効果のあるリドカイン、止血作用のある塩酸テトラヒドロゾリン、抗炎症作用のある炎症ヒドロコルチゾン酢酸エステルなどが含まれていることが多いです。痔への効果は坐薬とほとんど同じです。肛門の内側にある切れ痔やイボ痔には坐薬、外側には塗り薬と使い分けるようにしましょう。

また、塗り薬には、肛門の周囲に塗るタイプと、坐薬のようにチューブを肛門に挿入して中の薬を注入するタイプの2つがあります。チューブタイプであれば、患部や薬剤に直接手を触れる必要がなく、衛生的に使用できるというメリットがあります。最近では、ベタつきのないジェルタイプや使用後に使用感をすぐ実感できるクールな点を特徴とするタイプなども販売されています。

内服薬(飲み薬)

痔に効果のある内服薬は、主に医療機関で処方されることが多いですがが、市販のものもあります。内服薬は、坐薬や塗り薬のように直接患部に働きかけるのではなく、身体の中から改善を図ることができます。主に、緩下剤で便を柔らかくして便秘を改善したり、消炎薬や抗生物質で痔による炎症を抑えたりできます。成分としては、ボタンピエキスが含まれる生薬エキスやビタミンE酢酸エステルなどが多くあります。

痔の治療薬を使用する際の注意点と安全性

市販薬の使用は2週間まで

市販薬を使用する場合には、2週間以上使い続けないということを心がけ、あくまで一時的なものとして捉えるようにしましょう。もし、痔に炎症や化膿があった場合に、ステロイド系の市販薬を使い続けると、強い副作用や症状の悪化が心配されます。痔の治療では症状によって効果のある薬は異なるといいましたが、どうしても市販薬を購入する際には薬剤師としっかりと相談するようにしましょう。市販薬で症状の改善がみられない場合には、使い続けるのではなく、すぐに専門の医療機関で適切な治療を受けることが大切です。

正しい薬の保管方法

市販薬の使用するとき以外に、保管方法にも注意する必要があります。まずは、一般的な薬と同様に直射日光を避けて温度変化の少ない場所で保管しましょう。また、説明書や外箱も捨てずに保管しておき、添付文書に記載された注意事項を守りましょう。使用期限を守ることはもちろんですが、期限がきていないからといって上述したように2週間以上使い続けることは避けてください。

坐薬の場合には、溶けやすいという性質があるため冷蔵庫で保管するようにしましょう。冷凍庫で保管すると固まりすぎて肛門内に挿入したときに薬剤が溶けないおそれもあるので注意してください。また、塗り薬の油が浮いていたり、色やにおいの変化など異常がみられたりする場合には、使用を避けたほうがよいでしょう。

この病気・症状の初診に向いている科 肛門外科

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