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イボ痔、手術は必要?

更新日:2018/05/22 公開日:2017/04/09

痔核の治療・手術法

お尻の穴から出血したり、痛みを感じたりする「痔」。なかでも「イボ痔」は患者数も多く、手術を考えている人も多いのではないでしょうか。今回はイボ痔の手術と術後のポイントについて、ドクター監修の記事でご紹介します。

肛門に刺激が加わったり負担がかかったりすることで血行が悪くなり、腫れができてしまう症状を「痔」と言うことはみなさんもよく知っていると思います。その中でも一番かかっている人が多いのが「イボ痔」です。初期段階では生活習慣の改善や薬を使った治療方法で治ることも多いのですが、悪化すると手術が必要になるケースもあります。

イボ痔の手術とは

単にイボ痔の手術と言っても、その施術方法はいくつかあり、ここでは代表的な2つの方法を紹介します。

結紮切除術

イボ痔はできる場所によって、肛門の内側にできる「内痔核」と外側に発症する「外痔核」に分かれますが、そのどちらに対しても使える手術で、昔から一般的に行われているものが「結紮(けっさつ)切除術」と呼ばれる方法です。患部である「痔核」とつながっている血管を縛ることで肛門から切り離します。この手術では痔核周辺の皮膚も同時に切り取られるため、手術が終わった後に痛みを感じます。とはいえ、この手術は術後に再発することがほとんどなく、成績がよいために、現在でも一番幅広く使われている方法です。

痔核注射療法(ALTA)

もう一つの手術方法が「痔核注射療法(ALTA)」という新しく開発されたもので、最近主流になりつつある方法です。2005年から医療保険の適用対象となったことでこの治療法を受ける患者数が増えています。こちらは内痔核に対してのみ行われる手術で、肛門から飛び出している内痔核に対し、ジオンと呼ばれる硬化剤を注射で注入することで患部を硬化させます。これにより出血が止まり、痔核が収縮して元の位置に戻って癒着するために脱出しなくなります。これは日帰りもしくは短期の入院で治療でき、痛みや出血もほとんどないというメリットはあるものの、再発率は10%程度と、結紮切除術に比べるとやや高くなります。

イボ痔の手術が必要な場合とは

さて、そもそもイボ痔は必ず手術をしなければならない病気なのでしょうか。手術の必要なケースとそうでない場合を比べてみましょう。

手術要否の判断基準

イボ痔の中でも「内痔核」はその症状によって4段階のステージに別れます。I度は排便の際に少し出血する程度、II度は排便時に内痔核が肛門から出るものの排便が終わればもとに戻る程度で、これらは比較的軽度と言えます。III度は排便時に内痔核が外に飛び出して指などで押さない限りもとに戻らない状態で、一番末期のIV度では常に内痔核が外に出ていて指で押しても戻せないほどの症状になります。手術は、III度にまで進行すれば検討が必要になると考えていてください。

軽度の場合

I度、II度といった状態であれば、基本的には生活習慣の見直しや、塗り薬、坐薬、内服薬といった薬物療法による「保存的治療」が採られることになります。イボ痔は肛門の周辺の血管になんらかの刺激が加わったり、不潔な状態になることで発症しますので、一味唐辛子やアルコール類といった刺激物をできるだけ摂らないようにしたり、便秘にならないように食生活や生活リズムを整えたりすることで、症状の悪化を止め、改善を図ります。(ただし、II度でも出血や痛みが続く場合は痔核注射療法(ALTA)の適応となります)

重度の場合

内痔核が肛門の外側にまで飛び出してしまっているIII度、IV度といった段階では生活習慣の改善や薬物療法だけでは完治が難しくなるので、ここまでくれば先ほど述べたように手術を検討することになります。III度であれば、排便の時に内痔核が外に出るとは言え、まだ押し戻せるだけの余地はあるので、「痔核注射療法(ALTA)」によって内痔核を収縮させ、肛門内の元の位置に戻して癒着させることができます。ただし、IV度になると直接的に患部を切除する「結紮切除術」を行う必要性も出てきます。

イボ痔の術後のポイント

肛門の手術を行った後、どういったことに気をつければよいのでしょうか。いくつかのポイントについて見てみましょう。

排便

痔核注射療法(ALTA)の場合、排便についても当日から行って問題ありません。肛門の部分に若干の違和感が残ったり、肛門の粘膜部分が固くなったりして排便しにくく感じることもありますが、数日経てば自然と治ってしまいます。むしろ、それらを気にして排便を我慢するようなことはしないようにしてください。とは言え、無理やりいきんで出そうとすることは、肛門に刺激を与えてしまうので控えましょう。

職場復帰

オフィスでの軽いデスク作業などであれば翌日から出勤は可能です。しかし、麻酔を使うために、当日は血圧の低下や胃のむかつきが残ったり頭痛や食欲不振といった症状が出ることがありますので、翌日以降も体調を見ながら、可能であれば2~3日は安静にしておいたほうがよいでしょう。術後1週間は重い荷物を運んだり、長時間座りっぱなし、立ちっぱなしといった同じ姿勢をキープするようなことは避けてください。

通院の必要性

痔核注射療法(ALTA)では痔核を完全に切除してしまうわけではないので、半年間程度は経過を観察する必要があります。手術の翌日はジオンを投与した部分や肛門周辺の状態を診るために病院に行かなければなりません。その後は1週間後、2週間後、1か月後から1年間の間は必要に応じて通院します。手術後2週間までの間、一時的に発熱することがありますが、その場合はすみやかに手術を受けた医療機関に相談するようにしてください。

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