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顔にできた粉瘤の治療方法とは

更新日:2017.10.11
公開日:2017.03.31
ドクター画像
この記事の監修者
東京警察病院 医師 澤田彰史

顔にできやすく、ニキビと間違われやすい粉瘤(ふんりゅう)を根治するためには手術が必要になります。粉瘤の治療のプロセスや、治療に関する疑問などについて、ドクター監修の記事で解説します。

粉瘤(ふんりゅう)とはアテロームとも呼ばれ、顔や背中などにニキビのような吹き出物として現れます。顔に粉瘤ができた場合、どのようにして治療をするのか解説します。

粉瘤ができる原因

粉瘤ができる要因は一概にいえるものではありませんが、嚢胞(のうほう)という袋状のものが皮膚の下で作られることで現れてきます。一般的に、肌が新しく生まれ変わる新陳代謝という働きによって、皮膚と一緒にその袋状の構成物も排出されていきます。しかし、新陳代謝で流れ出ていくはずの老廃物がその袋の中に溜まってしまい、しこりとして膨らんでいくと粉瘤になってしまいます。

顔にできる粉瘤の治療方法とは

粉瘤は皮膚科や形成外科などの通院で早期から治療が可能です。炎症の有無などによって、治療の種類が異なってきます。粉瘤が大きくなってきたり、痛みを感じるようになったりしたら迷わず病院を受診して治療を受けるようにしましょう。軽度の粉瘤であれば、抗生物質の内服で治療を終えられることもあります。しかし、炎症や化膿が重度の粉瘤の場合や、粉瘤自体を根治させたい場合は切開手術を行なわなければなりません。

切開排膿(せっかいはいのう)

抗生物質などの内服薬を服用しながら、膿を摘出する手術を行います。膿が溜まっている袋に切れ込みを入れて、そこから膿を取り出します。膿を取り出すと炎症が治り、痛みも軽減されます。しかし、袋自体は残っているため、再発の可能性があります。

小切開摘出術

粉瘤の原因となる袋を摘出する手術です。粉瘤は炎症が進むと、黒い小さな点が現れることがあります。これは「ヘソ」と呼ばれる開口部であり、細菌が流れ込んでくる穴ともいえます。小切開摘出術では、ヘソを中心にして皮膚をレモンのような形に切開します。切開した部分から袋を丸ごと摘出します。その後、切開した箇所を縫合して完了になります。

ヘソ抜き法

この術式も、袋を摘出することを目的としています。小切開摘出術と異なるのは、切開の方法です。ヘソ抜き法では、特殊な道具で粉瘤に穴を開けます。その穴から膿を取り出した後に袋を摘出します。

医師によって治療の進め方が異なる場合がありますが、まずは抗生物質の服用と膿の除去を行って様子を見ることが多いです。経過観察の結果によって、摘出手術の判断がされることがあります。

顔にできる粉瘤の術後の経過

抗生物質の服用と切開排膿を行うと痛みが軽減されて大きさも落ち着くことがありますが、すぐに炎症が治るわけではありません。炎症が完全になくなるには、少なくともおよそ2~4週間はかかるとされています。その経過の様子によって、摘出手術を行うかどうかを医師から判断されます。

切開手術は15〜30分ほどの短い時間ですむ手術のため、顔に残る傷は比較的小さいです。しかし、粉瘤の大きさや炎症の進行具合によっては、術後の傷跡が大きくなる可能性があります。それを避けるためには、なるべく早めに治療を受けることをおすすめします。

粉瘤は自然治癒するのか

粉瘤が小さく、外見も痛みも目立たないうちは様子を見てもよいでしょう。しかし、粉瘤はある程度の大きさを超えると自然消滅することはあまり期待できません。また、ホームケアによる改善も見込むことができません。粉瘤の大きさが気にならないようなら、すぐに治療をしないで経過を見ていっても構いません。しかし、時間の経過とともに、粉瘤は大きくなる傾向があります。細菌が入りこんで化膿してしまうと、赤く腫れ上がって痛みを感じることがあります。

自分で潰すことは絶対しないように

粉瘤は小さいため、潰せば治ると誤解すること人も多いかもしれません。しかし、指で潰すことは絶対にしてはいけません。潰して広がった穴から細菌が入って、かえって炎症の進行を早めたり、痛みを引き起こしたりすることがあります。粉瘤は皮膚の下に袋状の構造物が存在しているうちは再発をくりかえしやすいです。ですので、その表面上のしこりの部分だけを潰しても、根本的な解決には至りません。

自分で潰してしまった場合は、化膿や痛みが激しくなる前に受診するようにしましょう。

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