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知っておくべき大人のおたふく風邪の特徴

更新日:2017/02/26 公開日:2017/02/26

おたふく風邪(流行性耳下腺炎)の基礎知識

おたふく風邪(流行性耳下腺炎)は子供の病気と思いがちですが、実は大人でも抗体を持たない人は多く、発症する可能性があります。大人のおたふく風邪は子供の場合とどう違うのかについて、ドクター監修の記事で解説します。

大人がおたふく風邪(流行性耳下腺炎)を発症すると、子供の場合とは異なる特徴が現れます。ここでは、大人のおたふく風邪の原因、症状、合併症や、予防接種の効果があるのかなどについて解説します。

大人のおたふく風邪とは

おたふく風邪は、大人も子供も、同じムンプスウイルスの感染により発症します。ウイルスで汚染された咳を吸い込んで起こる飛沫感染や、感染者の唾液で汚染されたものに触れたことによる接触感染が感染ルートです。筋肉痛、食欲不振、気分不快、頭痛、寒気などの風邪に似た症状に続き、おたふく風邪特有の、耳の下あたりの腫れと痛みが出ることが多いです。おたふく風邪にはいくつかの合併症が見られますが、中でも大人特有のものに、睾丸炎や卵巣炎があります。共に痛みが強く、高熱が出る場合があり、全体的に子供よりも大人の方が重症化する傾向があります。

大人のおたふく風邪の原因

大人がムンプスウイルスに感染すると、ウイルスは鼻や咽頭部、リンパ節で増殖します。感染から12~25日ほどの潜伏期間を経て、血液中に侵入したウイルスが唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)、すい臓、睾丸、卵巣や髄膜に広がり炎症を起こします。これにより、耳の周りや耳の下からあごの下にかけての部分が腫れて痛みが出る、おたふく風邪特有の症状が現れます。

大人のおたふく風邪の症状

大人がおたふく風邪を発症すると、筋肉痛、食欲不振、気分不快、頭痛、寒気、微熱といった風邪に似た症状から始まり、1~2日後には高い確率で唾液腺の腫れと圧痛(押すと痛む)、嚥下痛(ものを飲み込むと痛む症状)が見られます。発熱や痛みなどの免疫反応は、子供よりも大人の方が強く出る場合が多く、しばしば高熱をともないます。また、成人男性では20~30%の高確率で睾丸炎を合併します。急に睾丸の腫れや圧痛、吐き気、嘔吐、発熱などが現れるので、安静が必要となります。治癒後も、睾丸の部分的な萎縮が50%に認められます。同様に、思春期以降の女性の5%は卵巣炎を合併します。虫垂炎と似た腹痛を起こすことがありますが、男女ともに、不妊の原因になることはほぼありません。

注意が必要なのは、妊娠初期の感染です。先天性奇形には関係ないとされていますが、流産の確率が高まることがわかっています。その他、髄膜炎、膵炎、難聴、心筋炎などが、合併症として知られています。大人は子供に比べ、膵臓や心臓、血糖値などになんらかの異常がある場合があり、そこにムンプスウイルスによる炎症が起こることで、合併症が重症化することがあるといわれています。

大人のおたふく風邪の予防

予防接種というと子供が受けるものという印象が強いですが、成人でも早めにワクチンを1回接種することで、予防効果が期待できます。接種後は、90%前後の人が予防に有効な抗体レベルになるとされています。また、予防接種を受けた人がおたふく風邪を発症した場合、症状が軽減されるといわれています。また、これは感染症全般にいえることですが、手洗いやうがい、マスクの着用により、飛沫感染や接触感染のリスクを減らすことができます。栄養バランスのとれた食事と、質のよい睡眠も、免疫力を高めるうえで重要です。