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便秘と胃痛が両方起こるのは何の病気?

更新日:2018/04/12 公開日:2017/01/31

胃痛の原因と症状、対処法

便秘と胃痛の両方が起こる病気には、どんなものがあるでしょうか?例えば、便秘がある人が急性胃炎を起こした場合、腸の病気と胃の病気が同時に起こる場合、胃薬が原因で便秘になる場合など、さまざまなものが考えられます。これらについてドクター監修のもと詳しく解説します。

便秘だけでも気分が晴れないのに、胃も痛いとなると、不快感もさることながら、何かの病気ではないかと心配になってしまいますよね。便秘と胃痛の両方が起こることは珍しいことではありませんが、その理由はさまざまなパターンがあります。例えば、もともと慢性の便秘がある人が急性胃炎を起こした場合や、腸の病気と胃の病気それぞれが同時に起こっている場合、胃炎に悩む人が飲んだ痛み止めの薬が原因で便秘になる場合などが考えられます。

いったい何が原因なのかを突き止めるには、消化器科や内科を受診する必要があります。ここでは、便秘と胃痛で考えられるよくある病気について解説します。ただし、下記のような症状がある場合はなるべく早く病院に行ってください。

  • 強い痛みが数時間にわたり続いている
  • 痛みのために眠れない/寝ていても夜中に痛みで目覚めてしまう
  • 歩くなどの振動で、痛みがひどくなる
  • 痛みで腹筋に力が入ってしまう
  • 熱が出ている
  • 血便や下血がある
  • 何度も吐いてしまっている
  • ダイエットしているわけではないのに体重が減ってきている

機能性ディスペプシアと過敏性腸症候群

便秘と胃痛がある場合に考えられる病気として「機能性ディスペプシア」(FD)と「過敏性腸症候群」(IBS)の合併があります。

機能性ディスペプシア(FD)

機能性ディスペプシアは聞き慣れない言葉だと思いますが、胃痛や胃もたれなどのお腹の症状を引き起こす病気の名前です。このような症状が確かにあるのに、胃カメラで胃の中を見ても明らかな異常が見つからず、他の病気も見つからないときにこう呼ばれます。

FDと便秘の関連性は確実に証明されているわけではないものの、この両者が合併することは多いであろうと言われています[1]。

どうしてFDが起こるのかという点については、多くの要素が絡んでいると考えられています。例えば、胃の内容物を腸に送る機能がうまくいかないこと、胃酸分泌の過剰、胃や腸の内臓感覚の過敏、ピロリ菌などの感染、酒やタバコ、不安感、遺伝的要因などがあげられます。

過敏性腸症候群(IBS)

胃痛や胃もたれを起こす機能性ディスペプシア(FD)に合併しやすい腸の病気に、IBSがあります。IBSは腹痛や腹部不快感と、それに関連する便通異常(便秘や下痢)が続く病気です。IBS患者がFDを合併する率は高いと言われており、実際にある海外の研究ではIBSで主に便秘症状に悩まされる人(IBS便秘型)の約8割がFDにもかかっているという結果も出ています[2]。

IBSの原因も単一ではなく、ストレス、腸内細菌の異常増殖、腸粘膜の炎症、内臓知覚の過敏性、不安、遺伝的要因などのさまざまな要因が関連して起こると考えられています。

FDとIBSを治すには?

FDもIBSも、病院に行けば症状に応じた薬が処方されますが、それと同時に生活習慣の改善も指導されます。どちらを治すにしても必要なことなので、下記のことに日頃から注意するようにしましょう[1][2]。

  • 定期的に運動をする
  • 脂肪を多く含む食事を控える
  • 夜中に脂肪の多いものを食べない
  • 唐辛子やスパイスの多い食事を控える
  • 早食いをしない
  • 食事を抜かずに規則正しく食べる
  • 禁煙する
  • 節酒・禁酒する
  • 質の良い睡眠を十分にとる

便秘も胃痛も慢性的に続いていて、健康診断では特に問題を指摘されていない人では、まずこれらの生活習慣の改善をしてみるとよいかもしれません。

胃痛を引き起こす病気

便秘と胃痛に悩まされている人の中には、もともと慢性の便秘があるところに、胃痛(みぞおち付近の痛み)を引き起こす病気が起こったというケースも考えられます。胃痛の原因は必ずしも胃にあるとは限りません。ここでは、胃痛を引き起こす可能性のある病気の代表的なものを列挙します[3]。

  • 機能性ディスペプシア
  • 逆流性食道炎
  • 消化性潰瘍(急性胃粘膜病変)
  • かぜ症候群
  • 感染性胃腸炎
  • 食中毒
  • 食物アレルギー
  • 膵炎
  • 結石症
  • 心臓の病気(心筋梗塞、心膜炎など)
  • 血管の病気(大動脈解離、大動脈瘤など)

便秘を引き起こす病気

同様に、便秘を引き起こす病気も数多くあります。どのような種類があるかは『便秘がひどい!頑固な便秘の原因とは』をご覧ください。ここでは、考えられるパターンを2つ紹介します。

胃薬の副作用として便秘が起こる

胃痛の薬として、胃酸分泌を抑える制酸剤や、痛み止めの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を飲んでいることが原因となって便秘が起こることがあります。便秘が起こる薬剤は多くの種類があるので、薬を飲みはじめてから便秘がちになった場合は、薬剤性の便秘である可能性があります。病院から薬を処方されている場合は、自己判断で服用を止めず、医師や薬剤師に相談しましょう。

腸閉塞の症状として胃痛が起こる

何らかの原因で腸が詰まってしまい、腸の内容物を肛門側に押し出すことができなくなった状態を「腸閉塞」といいます。こうなると便が出なくなりますし、胃痛のような腹痛が出ることがあります。加えて、腹部の膨満感や嘔吐なども現れます。腸閉塞は自然に治ることはあまりないので、病院で治療を受ける必要があります。詳しくは『腸閉塞(イレウス)の原因と症状、治療法』をご覧ください。

まとめ

これまで解説してきたように、便秘と胃痛がある場合に考えられる病気や原因はたくさんあります。冒頭に示したような症状がないなら、生活習慣の改善でしばらく様子を見てもいいですが、症状が変わらなかったり悪化したりするようなら病院(消化器科、内科など)を受診しましょう。

参考文献

  1. [1]日本消化器病学会. 機能性消化管疾患診療ガイドライン2014―機能性ディスペプシア(FD), 南江堂 2014
  2. [2]日本消化器病学会. 機能性消化管疾患診療ガイドライン2014―過敏性腸症候群(IBS), 南江堂. 2014
  3. [3]木下芳一編著. 消化器内科グリーンノート. 中外医学社. 2016; 200-205.
  4. [4]便秘. 日本プライマリ・ケア連合学会誌 2012; 35(1): 62-65.