トラネキサム酸による美白のメカニズム
更新日:2018/07/09 公開日:2018/02/16
透明感のある、なめらかで美しい、透けるような白い肌。そんな美肌にあこがれている女性も多いことでしょう。そんな美肌に近づくために、"美白効果が期待できる成分"を使う、というのもひとつの手。ここでは美白効果をもたらす成分の中でも、近年、注目度が高い「m-トラネキサム酸」について解説し、美容家の近藤さやかさんがおすすめする美容液をご紹介します。
m-トラネキサム酸をはじめ美白効果を期待される成分
美白とは、メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐことを指します。一般的に美白有効成分として認められた成分には、どのようなものがあるのでしょうか。美白成分の種類と特徴について、まずは勉強してみましょう。
m-トラネキサム酸
メラニン生成指令を止めることでメラニンの生成を抑えるとともに、肌の炎症を抑え、肌荒れを改善する。
ビタミンC誘導体
ビタミンCを吸収しやすくしたもの。メラニンが生成されるプロセスを阻害。メラニン色素の還元作用も期待できる。
アルブチン
チロシナーゼの働きを抑えメラニン生成を防ぐ。濃度が濃いと肌への刺激になることがある。
エラグ酸
イチゴなどに含まれる天然フェノール系の抗酸化物質。チロシナーゼの働きを抑えメラニン生成を防ぐ。
ルシノール
ポーラ化粧品がモミの木に含まれる成分から開発した美白成分。チロシナーゼの働きを抑えメラニン生成を防ぐ。
カモミラET
花王が独自開発したカモミール由来の美白成分。メラニン生成指令を止めることでメラニン生成を防ぐ。抗炎症作用も。
リノール酸S
植物油由来の成分。チロシナーゼを分解し、メラノサイトの働きを抑える。メラニンの排出を促進する役割も。
コウジ酸
味噌や醤油などの麹菌由来の成分で、チロシナーゼの働きを抑えメラニン生成を防ぐ。
プラセンタエキス
豚などの胎盤由来の成分。チロシナーゼの働きを抑えメラニン生成を防ぐ。
現在、「美白効果」が高いとされているのは、おおむね上にあげた10種類の成分です。いずれも、肌の黒ずみやシミの原因となる、チロシナーゼやメラニンの生成や増殖を抑える効果があるとされています。
- 美白有効成分は、一般化粧品ではなく薬用化粧品(医薬部外品)のみ
- 上記にあげた美白有効成分は、あくまで薬用化粧品(医薬部外品)で使われている場合に限ります。たとえば、ビタミンC誘導体は一般化粧品にも配合される成分ですが、その製品は一般化粧品であるため、ビタミンC誘導体は美白有効成分ではありません。一方、薬用化粧品(医薬部外品)であり、有効成分がビタミンC誘導体である場合は、美白成分として効果が期待できるといえます。
m-トラネキサム酸で美白を期待できるメカニズム
アミノ酸の一種であるトラネキサム酸には、抗炎症、抗アレルギー効果、止血効果などが認められており、医薬品として湿疹やじんましんの治療や、出血を止める目的で使われてきました。1979年、トラネキサム酸に肝斑の改善効果があることが報告されてから、その効果に注目が集まり、肝斑を改善するための内服薬として、美容医療における肝斑治療で処方されたり、一般用医薬品として販売されています。
また、美白成分「m-トラネキサム酸」として化粧水などに使われるようになりました。これはシミの一種である肝斑に対する効果ではなく、メラニンの生成を抑制する働きが期待されており、シミやそばかすの予防を目的として使われています。トラネキサム酸と成分は同じですが、美白効果に焦点をあてる場合、メラノサイトの「m-」を冒頭につけて区別します。
人は、紫外線を浴びると、紫外線から身を守るための反応として、メラニンを作り出します。m-トラネキサム酸には、メラニンを作らせようとする情報の中から、シミを発生する物質「プロスタグランジン」などをブロックする働きがあり、メラニンの生成をおさえ、シミやそばかすを防ぐのです。
こう表現すると美白成分であるm-トラネキサム酸入りの美容液を使えば、すぐに白い肌を手に入れられるように感じてしまうかもしれません。くり返しになりますが、美白とは、メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐことを指します。できてしまったシミを消したり、肌本来の色を明るくすることではありませんので注意が必要です。また、トラネキサム酸をはじめとする美白成分を取り入れるだけでなく、後述するような生活習慣も含めトータルにスキンケアを行うことが健やかで美しい肌への道につながります。
美白を目指す人におすすめの美容液
ここでは、「m-トラネキサム酸」の有無に関わらず、美容家の近藤さやかさんがおすすめする、美白効果が期待できる美容液をご紹介します。
メラノフォーカスV(HAKU)
販売価格(編集部調べ):10,800円(税込)
内容量:45g
医薬部外品
- おすすめの理由
- 雑誌などでも多数の賞を受賞しているあのHAKUの美容液がリニューアル!美白有効成分4MSKやトラネキサム酸が、メラニンの生成ルートをしっかり狙い撃ちして、洗練された透明感あふれる肌へ導いてくれます。今回、新たに「Vカット複合体」が配合されたことにより、メラニンの増殖を抑制しながら保湿をし、肌を保護しながら透明感あふれる肌をサポートするという新技術を集約した美容液です。
美容家・インターナショナルメイクアップアーティスト 近藤 さやか
- 使ってみた感想
- こっくりとした乳白色の美容液。手にとった時はクリームに近いような硬めのテクスチャですが、肌の上に伸ばすとピタッと肌と重なり合いながら、スルスルとなじんでいきます。特に驚いたのは保湿感!翌朝までしっとりと感じられるほど、内側からうるおう肌になりました。しばらく使い続けていたら「肌がキレイですね」と言われることが増えたように感じます。
イーブン ベター ダブル ブライト セラム(クリニーク)
販売価格(編集部調べ):9,720円(税込)/ 14,580円(税込)
内容量:30ml/ 50ml
- おすすめの理由
- 2種類の美容液をフレッシュなままミックスして使用する美容液。なめらかなテクスチャーは肌に透明感を与えてくれます。 クリニーク史上最高峰とされる美容液に玉露エキス配合のオプティマイザーをプラスし、色むらやくすみが出来にくい肌に整えるオールスキンタイプの美容液です。
美容家・インターナショナルメイクアップアーティスト 近藤 さやか
- 使ってみた感想
- 2種類の美容液を混ぜ合わせて使用するタイプで、肌になじませるとスッと浸透し、ベタつかずにさっぱりとした仕上がりに。玉露の香りも日本人になじみがよく、ホッとさせてくれます。一か月使用してみたのですが、夏に焼けてしまった肌を本来のファンデーションのトーンもいい感じに出しててくれ、目立ちにくくなった印象になりました。
エクサージュホワイト ホワイトニング VC チャージャー(アルビオン)
販売価格(編集部調べ):6,480円(税込)
内容量:1.0mL×28本
医薬部外品
- おすすめの理由
- ビタミンCの働きでメラニンの生成をおさえ、シミ・ソバカスを防ぎながらみずみずしいうるおいで肌を満たします。明るい透明感のあるキメ細かい肌へとみちびく2層タイプの薬用美白美容液です。28本入りの使い切りタイプで、肌への刺激が少ないも特徴です。
美容家・インターナショナルメイクアップアーティスト 近藤 さやか
- 使ってみた感想
- パウダーを混ぜ合わせ、フレッシュな使い心地が楽しめる使い切りタイプの美容液です。即効性があり、美白の効果をすぐに実感したい時に大活躍のアイテムです。ここぞというときも、通常使いにもおすすめ。使うたびに肌が明るくなる、美白対策にもニキビケアにも使える優秀な美容液です。
美白オイルエッセンス(ルミーチェ)
販売価格(編集部調べ):1,296円(税込)
内容量:30ml
医薬部外品
- おすすめの理由
- 油溶性ビタミンCと、ホホバオイル、スクワランオイルが配合された美白オイル美容液。オイルなのにベタつかず、角質層までスーッと浸透し、透き通るような白く輝く美白肌へ導きます。化粧水前のブースターとしての使用もOK。手、デコルテなどにも使えます。
美容家・インターナショナルメイクアップアーティスト 近藤 さやか
- 使ってみた感想
- プチプラながらも美白効果を実感できる、うれしい美容液です。サラッとした手触りで、嫌なべとつきもなく肌になじみます。イランイランをはじめとする3つの精油の香りが心地よく、使い心地はバツグン。ブースターとして使用すると、ぐんぐんと角質層まで化粧水を浸透させてくれますし、美容液として使用すると、しっかりと保湿。翌朝にはくすみ抜けした肌に導いてくれます。
効果的に美白を目指す方法
美白効果を持つ成分を配合した化粧品を使うことも大切ですが、美白をもたらす生活環境を整えることも大切です。
- オールシーズン、日焼け対策&保湿はしっかりと!
- 冬だから、曇っているから……と、UVケアを怠るのはNG。雨の日でも日焼け止め効果のある下地を使うようにしましょう。また、お肌の保湿も美白を目指す上で欠かせないポイントになります。保湿できる化粧水や美容液を使い、水のヴェールを肌表面に作り、外的刺激から守りましょう。
- 肌に負担をかけない洗顔で、汚れの蓄積をOFF
- 落としきれなかったメイク汚れや、空気中に漂っている化学物質などが肌に残っていることも、くすみやシミの原因になります。朝晩丁寧で優しい洗顔を心がけ、汚れの蓄積を防ぎましょう。
- 代謝を高めて、ターンオーバーを促進!
- 内臓機能の調子を整え、身体の代謝を高めることで、お肌のターンオーバーが促進し、美しい肌が手に入るようになるとされています。肉や魚から良質なたんぱく質を摂取し、緑黄色野菜、ヨーグルト、納豆など腸の働きを高める食品を、バランスよく摂ることが大切です。
- 喫煙も美肌の大敵
- タバコ1本で、美肌を生み出す上で必要なビタミンCが、25~100㎎も破壊されてしまいます。ビタミンCが破壊されてしまうと、メラニン色素が増え、シミやシワが増大する可能性も……!
健やかな肌の基本は、バランスの良い食事と健康的な生活です。あわせて美白成分を含む化粧品を使用することで美白効果が期待できるといえます。
ちなみに、美白美容液は敏感肌の方にとっては刺激が強い場合もあります。こうした刺激を「効いている」と勘違いして使い続けてしまうと、肌荒れを招いてしまうので要注意。赤みなど炎症がひどくなる前に使用をやめ、改善されない場合は皮膚科の医師に相談しましょう。
また、美容液は値段も高いものですので、いきなり購入するのではなく、まずは試用品をもらい、数日間試してみることをおすすめします。また、海外の商品を個人輸入する場合も要注意。日本国内で販売されているものは、日本の安全基準をクリアーしていますが、海外製品は基準を越えている場合があります。商品を選ぶ際は、成分や処方などの情報をしっかり確認し、必ず、自分の肌に合ったものを選ぶようにしましょう。
まとめ
m-トラネキサム酸入りの美容液で、新しくシミが作られないように防ぎつつ、毎日の生活からお肌を健康に導くことが大事です。この記事を参考にして、あなたの目指す"美肌"を作り上げてみてください。
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