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なかなか治らない慢性膀胱炎の症状、治し方

更新日:2018/03/16 公開日:2018/03/15

膀胱炎の症状と基礎知識

膀胱炎は、排尿時痛、頻尿、尿意切迫感などが起こる病気で、主な原因は細菌の感染です。長引くと慢性膀胱炎になり、なかなか治らない不快な症状に悩まされます。ここでは、慢性膀胱炎の症状や原因、治し方について解説します。

◎短くポイントをまとめると
急性膀胱炎の症状に比べると、慢性膀胱炎の症状は比較的軽い
単純性の慢性膀胱炎では、生活習慣の改善で再発を予防し、悪化時は薬物治療を行う
複雑性の慢性膀胱炎では、原因となる病気の治療なども併せて行う
再発予防のためには、処方された抗菌薬をきちんと飲み切ることが非常に重要

膀胱炎のイメージ写真画像

膀胱炎は、膀胱の粘膜に炎症が起こることにより、排尿時の痛み、頻尿、尿意切迫感などが出てくる病気で、主な原因は細菌の感染です。若い女性によくある「急性膀胱炎」は、適切な治療をすれば1週間以内に治ることがほとんどですが、何らかの理由で膀胱炎が長引いて「慢性膀胱炎」になると、なかなか治らない不快な症状に悩まされることになります。ここでは、慢性膀胱炎の症状や原因、治し方について解説します。

慢性膀胱炎の症状

慢性膀胱炎は、閉経後の高齢女性に多い病気です。女性は一生涯に2回以上は膀胱炎をはじめとした尿路感染症を経験し、それは性的活動期(性行為をする期間)と閉経後に多いとされています[1]。若い頃に経験した急性膀胱炎のつらい症状を記憶されている方も多いでしょう。この急性膀胱炎の症状に比べると、慢性膀胱炎の症状は比較的軽いことが多いです。具体的には下記のような症状が出ます。

  • 排尿時の軽い痛み
  • 排尿時の違和感
  • 頻尿
  • 下腹部の不快感
  • 濃尿(濁った尿) など

慢性膀胱炎を治すには?

慢性膀胱炎の症状がかなり軽い場合は、治療しないという選択肢もあります。しかし、わずらわしい症状が続いて生活に支障が出たり、ストレスが溜まったりするようなら、病院(泌尿器科)を受診しましょう。病院では、慢性膀胱炎の原因を見極めて、それに応じた治療を行います。ここでは4つのパターンに分けて、慢性膀胱炎の原因と治し方について説明します。

持病がなく健康な場合

尿路(腎臓~膀胱~尿道)にはっきりとした問題がなく、糖尿病などの持病やステロイドなどの内服をしていない健康な人の場合は、大腸菌の持続的な感染が慢性膀胱炎の原因になっていることが多いです。この場合は単純性の慢性膀胱炎と呼ばれます。

普段は症状を感じない~少し感じる程度ですが、身体を冷やしたり、尿を我慢しすぎたりすると症状が悪化することがあります。その場合は抗生物質(抗菌薬)を用いて増殖した菌を殺す治療を1週間ほど行って様子を見ます。中途半端に服薬を止めてしまうと、菌をすべてやっつけられませんので、処方された通りにすべて飲み切りましょう。

症状を悪化させないためには、身体の抵抗力を保って、膀胱で大腸菌を増やさないようにしましょう。下記のような生活の注意を守ることが大切です。

  • 水分を多めに摂る
  • おしっこは我慢しない
  • 身体(特に下半身)を冷やさない
  • 疲れたら早めに休息をとる
  • 性行為後はなるべく早くトイレに行く
  • 陰部を清潔に保つ
  • 排便後はトイレットペーパーで前から後ろに拭く
  • ストレスを解消する など

加えて、50歳以上の女性では、再発予防としてクランベリージュース(65%飲料)を1日1回飲むことが有効であるといわれています[2]。また、膀胱炎によいとされる漢方薬(八味地黄丸、猪苓湯、牛車腎気丸など)もありますので、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談してみてもよいでしょう。『頻尿に効果的な漢方薬』も併せてご覧ください。

何らかの病気がある場合

慢性膀胱炎は、入院中や在宅療養中に尿道カテーテルを入れている人や、尿路に関係する病気(尿路結石、神経因性膀胱、前立腺肥大症、悪性腫瘍など)や抵抗力を下げる病気(糖尿病、免疫抑制剤が必要な病気など)を患う人にも多いことが知られています。この場合は、複雑性の慢性膀胱炎と呼ばれます。

この場合は大腸菌のほか、クレブシエラや緑膿菌、セラチア、腸球菌、黄色ブドウ球菌など多くの細菌が原因となります[2]。どの細菌が悪さをしているのか検査をして、その菌を殺す作用のある抗菌薬で治療します。それと同時に、原因となっている病気に対する治療も行います。

急性膀胱炎を繰り返している場合

先ほど、膀胱炎の治療では抗菌薬をきちんと飲み切ることが大事だと説明しました。これを守らないと、急性膀胱炎がいつまでも治らず、感染が長引いてしまい、慢性膀胱炎となってしまう恐れがあります。中途半端に抗菌薬を止めてしまうと、その薬に耐性のある菌が増えてしまい、その薬が効かなくなります。抗菌薬には種類に限りがありますので、次第に使える薬がなくなってきてしまいます。

急性膀胱炎を繰り返して慢性膀胱炎になってしまっている場合は、どの薬に耐性のある菌なのかを調べた上で、効く薬を選んで再度治療することになります。使える薬がなくなる前に、しっかりと治療しましょう。

特殊な膀胱炎である場合

患者数は少ないですが、これまでにあげた原因以外に、膀胱炎のような症状を起こす病気があります。一部を簡単にご紹介します。

  • 間質性膀胱炎:膀胱が縮んでしまう原因不明の病気。液体を注入して膀胱を広げる治療などを行う
  • 好酸球性膀胱炎:トラニラストなどの薬剤へのアレルギー反応による。原因薬を中止する
  • 出血性膀胱炎:ウイルスや薬剤による。膀胱炎の症状に加えて血尿が出ることも
  • 放射線性膀胱炎:放射線治療の副作用として起こる

まとめ

慢性膀胱炎の症状は比較的軽めではありますが、長引くと煩わしいものです。尿路の病気などがある場合(複雑性)が多く、原因を解決することが完治への道です。また、特に病気がない場合(単純性)は、身体の抵抗力を保つように心がけて生活し、悪化したときはきちんと治療を完遂することが重要です。

参考文献

  1. [1]高橋聡. “膀胱炎” ガイドライン外来診療2017. 日経メディカル開発, 2017; 323-327
  2. [2]山本新吾ほか. JAID/JSC 感染症治療ガイドライン2015―尿路感染症・男性性器感染症―, 日化療会誌 2016; 64(1): 1-30

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