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胃痛の症状から考えられる原因とは?

更新日:2018/10/02 公開日:2018/03/15

胃痛の原因と症状、対処法

なかなか治らない胃痛や原因不明のみぞおちの痛みがあると、つらいし心配ですよね。ここでは病院に行くかどうかお悩みの方に、急を要する症状や考えられる原因について紹介します。ぜひチェックしてみてください。

◎短くポイントをまとめると
胃痛の原因の多くは胃や食道、十二指腸、胆道などの消化器の病気
まれに血管、呼吸器、尿路が原因になっている場合もある
数日間様子を見ても胃痛が治らない場合は、早めに病院を受診する

緊急対応が必要な胃の痛み

なかなか治らない胃痛や原因不明の痛みがあると、つらいし心配ですよね。みぞおち(心窩部;しんかぶ)が痛いとき、多くの人は「胃痛」と表現し、胃に何か問題が起こっていると思いがちです。多くは胃や食道、十二指腸、胆道などの消化器の病気ですが、血管、呼吸器、尿路が原因になっている場合もあります[1]。ここでは、病院に行くかどうかお悩みの方に、急を要する症状や考えられる原因について紹介します。ぜひチェックしてみてください。

こんな場合はすぐに病院へ

胃痛が下記のような痛みであれば、我慢せずになるべく早く医療機関(内科、消化器内科、救急外来など)を受診してください[2][3]。

  • 急に強い痛みが出た
  • 強い痛みが数時間にわたり続いている
  • 痛みのために眠れない
  • 寝ていても夜中に痛みで目覚めてしまう
  • 歩くなどの振動で、痛みがひどくなる

また、胃痛に加えて、下記のような症状がある場合も、早めに受診するようにしましょう[2][3]。

  • 胸、首、肩にも痛みがある
  • 吐き気を伴って、肩甲骨の間や周辺に痛みが現れた
  • 痛みで腹筋に力が入ってしまう(お腹が固くなっている)
  • 血液を吐いた(吐血)
  • 血便が出た(下血)
  • 息苦しい(呼吸困難)
  • ダイエットしているわけではないのに体重が減ってきている

このような症状がなくても、最近お腹にケガを負った人、妊娠の可能性がある人、がんの治療中である人は早めに病院に行くようにしてください[2]。

以下、胃痛を引き起こす病気について、胃が原因の場合とそうでない場合に分けて解説していきます。これは考えられる病気全体のごく一部であり、実際に何の病気であるかを知り、適切な対処を行うためには医師の診察を受ける必要があります。あくまで参考程度としてご覧ください。

胃が原因の胃痛

胃に問題があるために起きる胃痛です。大きく「急性胃炎」と「慢性胃炎」の2つに分けることができます。急性胃炎は軽症なら数日で治りますが、多くの原因があり、場合によっては命にかかわることもあります。一方、慢性胃炎の原因の多くはピロリ菌感染によるものです。

急性胃炎

何らかの原因で胃の粘膜に炎症が起こると「急性胃炎」と呼ばれます(急性胃粘膜病変;AGMLと呼ぶこともあります)。炎症が起こると赤くなり(充血)、むくみ(浮腫)、出血します。炎症が進むと、粘膜の表面が欠けて白くなったり(びらん)、もっと深くなって陥没したり(潰瘍)します。胃痛、吐き気、嘔吐などの症状に加え、胃の不快感、胸焼け、圧迫感、発熱などもあらわれることがあります。

原因はいろいろありますが、大まかに分類すると下記のようになります。

  • 単純性:アルコールやカフェイン、香辛料など
  • 薬剤性:非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や抗菌薬など
  • 感染性:細菌(サルモネラやカンピロバクターなど)やウイルス(ノロ、ロタ、エンテロ、アデノなど)の感染
  • 腐食性:強い酸性物質や強アルカリ性物質などの化学物質や毒物など
  • アレルギー性:特定の食べ物に対するアレルギー反応
  • ストレス性:ストレスが胃酸を増やす一方で、胃酸から胃を守る粘液が減少

慢性胃炎

慢性胃炎の多くはピロリ菌の感染によるものです。胃カメラでみると、びらん、萎縮(粘膜が薄くなる)、過形成(ポリープ)といった粘膜の異常がみられます。ピロリ菌に感染していると、胃痛や胃もたれ、不快感、吐き気などが起こりますが、これらの症状を感じない人もいます。ピロリ菌に感染している人は、10歳代で10%、50歳代で50%、70歳代で70%と、年齢が高いほど多くなります[4]。したがって、高齢者ほど慢性胃炎が多いといえます。胃カメラを施行して、癌がないことや胃十二指腸潰瘍が治っていること、慢性胃炎があることを確認した上で、ピロリ菌の検査をして、除菌で治すことができます。

なお、胃カメラやX線では問題がないのに、胃痛や胃もたれなどを起こす病気を「機能性ディスペプシア」と呼んでいます。詳しくはこちらのリスト『家庭の医学 機能性ディスペプシア』にある記事をご覧ください。

胃以外の消化器が原因の胃痛

みぞおち付近の痛みで、胃が痛いように感じていても、実は胃以外の消化器が原因である場合もあります。多いのは食道、十二指腸、胆道です[1]。主な病気を紹介します。

  • 胃食道逆流症(GERD;ガード)
  • 十二指腸潰瘍
  • 胆石症(胆石発作)
  • 急性虫垂炎
  • 急性膵炎

胃食道逆流症(GERD;ガード)

胃の内容物が食道に逆流することで、胸焼けや呑酸(口の中に酸っぱい水が上がってくるように感じる)、長引く咳や胸の痛みなどの症状があらわれます。詳しくは『胸焼けとは』 『胸焼けの対処法』をご覧ください。

十二指腸潰瘍

十二指腸は小腸の一部で、胃の出口につながっています。ここに潰瘍ができると十二指腸潰瘍となります。特徴的な症状は空腹時に上腹部が痛くなることで、不快感、吐き気、吐血・下血が起こることもあります。慢性胃炎と同様にピロリ菌が原因であることが多く、検査が陽性なら除菌治療をします。

胆石症(胆石発作)

脂肪(コレステロール)の多い食事を続けていると、胆嚢内に石(胆石)ができやすくなります。この胆石があると、食後に胆嚢が収縮したときに「胆石発作」が起こることがあります。脂っこい食事を摂った夜に起こることが多く、突然お腹が張るような痛みが15分~数時間続きます。発熱、気持ち悪くなり、食べた物を吐くこともあります。

急性虫垂炎

胃もたれやお腹がグルグル鳴る症状の後に、みぞおち周辺~右下腹部に張るような痛みが起こります。痛みにともなって吐き気・嘔吐が起こることもあります。初期では胃の辺りの痛みのように感じますが、症状が進行すると、虫垂がある部分(右下腹部)に痛みが移動していきます。

急性膵炎

急激にみぞおち~へそ周辺が痛くなり、動けないほどのひどい痛みがずっと変わらず続きます。あまりの痛みに、背中を曲げて横向きに寝てじっとしているケースが多いようです。飲酒、食事で痛みは増し、嘔吐しても痛みがやわらぐことはありません。

消化器以外が原因の胃痛

まれに血管、呼吸器、尿路の病気によって、あたかも胃が痛んでいるように感じることがあります。考えられる病気の一部を紹介します。

  • 血管の病気:心筋梗塞、心膜炎、大動脈解離など
  • 呼吸器の病気:肺炎、肺塞栓、膿胸など
  • 尿路の病気:尿路結石、腎盂腎炎など

これらは命にかかわる重大な病気も含まれます。記事の冒頭で解説した「こんな場合はすぐに病院へ」の項目に当てはまる場合は、これらの可能性があるので、早めに病院に行ってください。

胃痛の原因を見つけるために、医師に伝えたい情報

病院では、問診や身体診察(視診、触診など)を行って、必要に応じて検査などでチェックして、どの臓器が痛みを引き起こしており、どんな病気なのかを診断していきます。下記のような情報を伝えると、原因を明らかにするのにとても役立ちます。

  • どのように発症したか:突然、急に起こった、徐々に起こった、など
  • どのような痛みか:ビリッ、キリキリ、ピリピリ、チクチク、ズキズキ、しくしく、刺すような痛み、差し込むようなにぶい痛み(鈍痛)、など
  • 痛みはどのくらいの期間続いているか:ずっと痛みが続いている、痛みに波がある、など
  • 痛みのピークはいつごろか:痛くなってから1時間後くらい、など
  • 痛みの程度は変化するか:だんだん強くなる、しばらくしたら痛くなくなる、痛みは変化しない、など
  • 何をすると痛みが変わるか:食事、排便、深呼吸、身体を動かす、など
  • 腹痛がある間はどう過ごしていたか:横になっていた(眠れた/眠れなかった)、仕事や家事をしていた、食事をした、便通があった、など

この他にも、普段食べ慣れないものを食べた、海外旅行に行っていた、今までに同じような腹痛を起こしたことがある、今までに手術をしたことがあるなど、思い当たることや違和感があれば伝えてください。飲んでいる薬、漢方、サプリメント、健康食品などを知らせることも診断の助けになります。

まとめ

胃痛を起こす病気の多くは胃や食道、十二指腸、胆道などの消化器系の病気です。急性胃炎は原因がいろいろありますが、その原因(ウイルスや薬剤、食べ物など)を遠ざけることで予防ができます。慢性胃炎はピロリ菌が原因であり、除菌すれば症状の改善が期待できます。また、胃以外の消化器、血管、呼吸器、尿路が原因になっている場合は、病院で原因を突き止めて、適切な治療をする必要があります。数日間様子を見ても胃痛が治らない場合は、早めに病院を受診しましょう。

参考文献

  1. [1]急性腹症診療ガイドライン出版委員会編.“急性腹症診療ガイドライン 2015” Mindsガイドラインライブラリ. http://minds4.jcqhc.or.jp/minds/acute-abdomen/acute-abdomen-chapter9.pdf(参照2018-2-5)
  2. [2]MedlinePlus. “Abdominal pain” NIH. https://medlineplus.gov/ency/article/003120.htm (参照2017-11-27)
  3. [3]北 啓一朗. 腹痛, 総合診療 2016;26(8): 661-664
  4. [4]南山堂医学大辞典 第20版. 2358; 南山堂 2015

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