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いぼ痔が痛いときの対処法は?妊娠中はどうするの?

更新日:2018/04/06 公開日:2018/03/15

痔核の基礎知識

いぼ痔は正式には痔核といい、肛門の病気の中で最も多いものです。妊婦がなりやすい病気として知られており、いぼ痔に悩んでいる人は少なくありません。ここでは、いぼ痔の痛みにどう対処したらよいのかドクター監修のもと解説します。

◎短くポイントをまとめると
いぼ痔の痛みは基本的に軟膏や座薬、飲み薬によって緩和する
必要に応じて手術を行うこともある
痛みのないいぼ痔の場合でも、出血があれば念のため病院で検査を

「いぼ痔」は、正式には「痔核」(じかく)といい、肛門の病気の中で最も多いものです。研究によると、有病率は4~55%で、男女差はなく、45~65歳に多い病気といわれています[1]。また、妊婦もなりやすい病気として知られており、いぼ痔に悩んでいる人はけっして少なくはありません。ここでは、いぼ痔の基本的な知識と、その痛みにどのように対処したらよいのか解説します。

いぼ痔の痛みはどうしたら緩和できる?

いぼ痔は、症状の段階やできる場所によって痛みが出たり出なかったりする病気です。肛門付近が激しく痛み出した場合は、「血栓性外痔核」(けっせんせいがいじかく)もしくは「嵌頓痔核」(かんとんじかく)かもしれません。

血栓性外痔核とは?

いぼ痔が肛門の出口付近にできた場合に「外痔核」と呼ばれます。なかでも血栓性外痔核は、周囲を流れる血管(外痔静脈叢)がうっ血して血栓ができてしまった場合を指します。血栓ができると血液の流れがせき止められてしまい、局所の圧力が高まって激しい痛みを引き起こします。発症してから1~4日が痛みのピークとなることが多く、2~4週間で症状がおさまってきて、血栓はなくなります[1]。

嵌頓痔核とは?

いぼ痔が進行すると肛門の外に飛び出し、指で押し込んでも戻らない状態(脱肛)になります。この飛び出た状態のまま、肛門を閉じる筋肉によって締め上げられると、その部分に血が巡らなくなって血栓ができ、炎症を起こして腫れ、激しい痛みが起こります。

痛み止めや温浴などの保存的治療が基本

血栓性外痔核も嵌頓痔核も、まずは軟膏や飲み薬による保存的治療で痛みや炎症の緩和をするのが基本です。また、局部に刺激を与えないように安静にすることや、お風呂に入って血行を促進する温浴療法がすすめられます。

血栓性外痔核では、ほとんどの場合は保存的治療で症状が落ち着きます。しかし、血栓が大きい場合、痛みが激しい場合、出血が続く場合には血栓や外痔核を切除する手術を行うこともあります。

嵌頓痔核では、保存的治療で腫れがおさまってから、手術が必要かどうかを個別に判断することになります。ただし、痛みが激しい場合や出血が続く場合には、腫れがおさまるのを待たずに手術に踏み切ることもあります。

いずれも医師の診断が必要なので、肛門付近に激しい痛みを感じたら、肛門科や消化器科を受診しましょう。

普段から「おしりを大切にした生活」を

いぼ痔ができる大きな原因の一つに、間違った排便習慣と生活習慣があります。いぼ痔の痛みは薬などで緩和できますが、これらの原因を正さなければ治りにくかったり、再発したりしてしまいます。下記の点に注意して、おしりを大切にした生活を心がけましょう。

  • 長時間の座りっぱなしを避ける
  • 身体(特におしり)を冷やさない
  • 排便時にいきみ過ぎない
  • 便器に座りすぎない
  • 便意は我慢しない
  • 節酒
  • 肉体的・精神的ストレスをためない
  • 十分に水分を摂る
  • 食物線維を摂る など

妊娠時もなりやすいいぼ痔

妊婦、特に妊娠後期では、プロゲステロンによって静脈壁がゆるくなり、大きくなった子宮に圧迫されて下半身がうっ血しやすくなるため、いぼ痔になりやすく(悪化しやすく)なります。身体を締め付ける服装(きつすぎるガードルなど)や、長時間立ち続けたり、座り続けたりして同じ姿勢を続けているとなりやすいので注意しましょう。

いぼ痔で痛みが出たときは、医師と相談した上で薬を使うかどうか決めましょう。痔の軟膏や座薬を使ったことで奇形児を出産したという報告はありませんが、大量または長期にわたって使い続けることはすすめられません[1]。症状などから治療すべきと判断された場合は薬を使って治療することになります。

痛くないいぼ痔もある

ここまで、痛みのあるいぼ痔について解説してきました。多くのいぼ痔では痛みはあまりなく、あっても鈍くうずくような痛みであるといわれています。そのため、初期段階では痛みも出血も少ない場合が多く、いぼ痔に気づきにくいこともあります。痛みはなくても、トイレットペーパーや便器に赤い血が付く場合はいぼ痔である可能性があります。

いぼ痔の分類

いぼ痔は、内痔核と外痔核の2種類に分類されます。内痔核とは、肛門の内側奥に痔核ができる病気です。一方、痔核が肛門の出口付近にできた場合は外痔核と呼ばれます。内痔核は進行度合いによってI~IV度の段階(グレード)に分類されます。

  • 内痔核グレードI:痔核が脱出しない
  • 内痔核グレードII:排便時に痔核が飛び出すが、排便後には自然に戻る
  • 内痔核グレードIII:排便時に痔核が飛び出し、指で押し込むと戻る
  • 内痔核グレードIV:常に痔核が飛び出しており、押し込んでも引っ込まない

排便時だけでなく、歩いているときやスポーツをしているとき、しゃがんだりしたときに痔核が出ることがあります。痔核が飛び出していると痛みを感じやすくなります。また、便や粘液による皮膚への刺激でかゆみを生じることもあります。

まとめ ―痛くなくても、出血があれば病院へ―

いぼ痔のできる場所や進行度によって、痛みがある場合とない場合があります。激しく痛む場合は多くの人が病院に駆け込むと思われますが、痛みがなくて出血だけの場合は、恥ずかしさもあり病院に行くのをためらうこともあるかもしれません。しかし、いぼ痔と思っていたら、実は大腸がんなどの別の病気だった、ということもありえます。出血があるようなら、消化器科や肛門科を受診して、原因をはっきりさせることが大事です。

参考文献

  1. [1]日本大腸肛門病学会編. 肛門疾患(痔核・痔瘻・裂肛)診療ガイドライン2014年版. 南江堂 2014.

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