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[便秘のタイプ別]おすすめの便秘薬(下剤、漢方、坐剤、浣腸)

更新日:2018/06/22 公開日:2018/06/22

便秘の解消法

「便秘かな?」と思ったら、多くの人は数日~1週間は様子を見るのではないでしょうか。それでも便秘が治らないときに「薬を飲んだ方がいい?」と考え始めることが多いと思います。そんなとき、薬局でどんな薬を買ったらいいのでしょうか。ここでは、便秘薬を初めて買う人、便秘薬をしばらく使っているけれども効かない人、他にいい薬がないか探したい人を対象に、便秘のタイプ別におすすめの便秘薬を紹介します。

便秘」と一言でいっても、人によってその症状が異なります。一般的にはウンチが出る回数が減った(目安として3日以上お通じがない)ことが便秘として認識されることが多いのですが、これだけでなく腹痛腹部膨満感お腹の張り)が出たり、便が固くなって出しにくくなったり、排便そのものがしにくくなって過度にいきむ必要があったり、排便後も便が残った感じ(残便感)があって、何度もトイレに行きたくなるというような症状が現れます。

便秘薬にはさまざまな種類があり、薬の成分によって便秘のどのような症状を改善するのかが違います。ここでは、便秘のタイプ別におすすめの便秘薬を紹介していきます。

<便秘のタイプ別インデックス>

 

初めて買う人におすすめの便秘薬

ここ数日~1週間ほど便秘がちになっていて、薬局やドラッグストアで薬を初めて買ってみようと思っている人には、まず「生活習慣の見直し」と「整腸薬」を試してみることをおすすめします。

便秘には生活習慣(食生活や排便習慣など)が関係しており、それを正すことが便秘治療の基本です。そのうえで、腸の善玉菌である乳酸菌などを配合した整腸薬を服用することで、乱れた腸内環境を整えて、排便回数を増やす(適正化する)ことができます。整腸薬に含まれる善玉菌には下記のような種類があります。

  • 乳酸菌
  • 酪酸菌
  • 納豆菌

整腸薬によって、これらの善玉菌に加え、ビタミンや生薬、下剤で使用される成分も配合されています(何が入っているかはパッケージの「成分」欄で確認することができます)。一緒に配合されている成分がどんな目的で入れられているのかは製品ごとに異なりますので、薬剤師に聞いてみることをおすすめします。

※このように善玉菌を摂って腸内環境を正常化させることを「プロバイオティクス」と言います。これは整腸薬だけでなくヨーグルトなどの乳製品でも行えます。

なお、便秘が続いていて苦しくてまず出したい!という場合は、『即効性のある便秘薬は?』を参考にしてください。

※生活習慣の見直しについては、『ついついハマる便秘の原因!実はアナタも…!?~生活習慣編~』『便秘解消に食物繊維は逆効果!?食べ物の注意点とは』をご覧ください。

便秘タイプ別の下剤の選び方

「便秘薬=下剤」というイメージがありますよね。下剤には大きく分けて3つの種類があります。

  • 便をやわらかくする下剤(浸透圧性下剤、浸潤性下剤)
  • 便のかさを増やす下剤(膨張性下剤)
  • 腸を運動させて便を出させる下剤(刺激性下剤)

ここでは、便秘のタイプ別にどの下剤がいいのかを解説していきます。

 

便が固くて出しにくいタイプ

便が固いのは、そこに含まれる水分が少ないからです。ですから、便に水分を与えてあげれば便をやわらかくすることができます。

そのためにできる最も簡単な方法は水分補給です(詳しくは『知ってる人は実践中「便秘解消には水」の飲み方3つ』をご覧ください)。また、便をやわらかくする下剤(浸透圧性下剤、浸潤性下剤)を使って、腸内に水を引き寄せて便の水分を増やし、やわらかくすることもできます。

便が固くて出しにくいタイプであれば、まずは水分補給をし、それでも便秘が続くようなら浸透圧性下剤を試してみてください。薬局で売っている薬に配合されている便をやわらかくする成分は下記です。

  • 酸化マグネシウム
  • 硫酸マグネシウム
  • DSS(ジオクチルソジウムスルホサクシネート)

便をやわらかくする成分を中心にした代表的な製品は、「酸化マグネシウムE便秘薬」「スラーリア便秘薬」「スルーラックデルジェンヌ」などがあります。これ以外にも、便をやわらかくする成分に加えて、便のかさを増やす成分や腸を運動させて便を出させる成分、生薬、乳酸菌、ビタミンなどが配合されている製品もあります。

製品パッケージにマグネシウムやDSSという記載があれば、便をやわらかくする成分が入っていると判断できます。

 

便の量が少ないタイプ

便秘の原因として、便の量が少ないために腸が刺激されず、排便に至りにくいというものもあります。便の量が少ないのはどうしてかというと、ズバリ「食事量が少ない」から。少食の人やダイエットで食事制限をしている人がなりやすい便秘です。

これを解消するには、朝食を抜かずにきちんと規則正しく、十分な量の食事を摂ることです。特にダイエットで食べる量を減らしている人は注意してください。食べ物のカロリーを減らして、かさは減らさないためには食物繊維を多く含んだ食材(野菜など)を活用するといいでしょう。

とはいえ、もともと少食の方など、なかなか食事量を増やすのが難しい場合があるかもしれません。そんなときは、便のかさを増やす下剤(膨張性下剤)を使ってみてください。この下剤には下記のような成分が含まれています。

  • カルメロースナトリウム
  • プランタゴ・オバタ(別名:サイリウム、イサゴール)

これらの成分は単体ではなく、腸を運動させて便を出させる成分などと組み合わせて製品になっています。パッケージを見て、これらが入っていれば便のかさを増やす作用があると判断できます。逆に、便の量が多い人では、かえって便秘が悪化する可能性がありますので注意してください。

 

腹痛や腹部の不快感があるタイプ

便秘だけでなく、腹痛や腹部の不快感があり、排便によってこれらの症状が改善する場合は、過敏性腸症候群(IBS)という病気かもしれません(IBSについては『便秘を引き起こす?過敏性腸症候群(IBS)とは』をご覧ください)。

この場合は、食事や生活習慣の改善、ストレスの解消とともに、整腸薬や便のかさを増やす下剤(膨張性下剤)を試してみてください。また、本当にIBSによって便秘や腹痛が引き起こされているのかを確認するためにも、消化器科クリニックを受診することをおすすめします。

 

残便感があるタイプ

排便すると通常では直腸から全部便が出て、スッキリした感覚が得られます。しかし、便秘の人では排便したにもかかわらず直腸内に便が残ってしまい、スッキリすることができません。この感覚を「残便感」と呼びます。

これまでに解説した整腸薬や下剤を使って便が出やすいようにして残便感を解消することもできるのですが、坐薬を使うのも一手です。「コーラック坐薬タイプ」「新レシカルボン坐剤S」には炭酸ガスを発生する成分(炭酸水素ナトリウム、無水リン酸二酸素ナトリウム)が入っており、炭酸ガスで刺激することで直腸に貯まった便を排出することができます。

 

即効性のある便秘薬は?

即効性のある便秘薬としては、「腸を運動させて便を出させる下剤(刺激性下剤)」と「浣腸」があります。いずれも非常によく効く薬ですが、そのぶん癖になりやすく、常用すると身体が本来持っている排便の機能が弱くなってしまい、便秘が悪化するおそれがあります。これらは、便秘の症状がひどいときに短期間だけ使うのが正しい使い方です。

もし、これらを常用しないと排便ができないような状態に陥っているなら、かなり重度の便秘である可能性が高いです。早めに病院に行くようにしてください(便秘での病院受診に関して詳しくは『便秘で病院に行くべき?危険な症状は?何科がいい?』をご覧ください)。

刺激性下剤

刺激性下剤は、腸の神経に作用して蠕動運動を促進することで便を出させる薬です。市販薬に配合されている刺激性下剤の成分は下記の通りです。作用する場所によって区別されています。

  • 小腸性下剤(ヒマシ油)
  • 大腸性下剤(アロエ、センナ、センノシド、ダイオウ;大黄、ピコスルファートナトリウム、ケンゴシ)
  • 直腸性下剤(ビサコジル)

これらの成分は多くの便秘薬に含まれており、含まれていない便秘薬を探すほうが難しいくらいです。刺激性下剤の単一成分でつくられている製品もありますが、多くは便をやわらかくする成分や便のかさを増やす成分、生薬、乳酸菌などが配合されています。

この記事では便秘薬に含まれる成分をほとんど網羅しているので、パッケージと成分の説明を照らし合わせて確認していただければ、どのような作用があるかを確認することができます。しかし、この作業はかなり大変ですので、薬局やドラッグストアにいる薬剤師や登録販売者に聞く方が早いです。薬のプロに自分に合った薬をアドバイスしてもらいましょう。

浣腸

浣腸薬は直腸に物理的な刺激を与え、腸の蠕動運動を高めて排便を促します。市販の浣腸薬にはグリセリン、ソルビトール、ビサコジルが含まれています。製品の代表的なものとして「イチジク浣腸」「ケンエー・浣腸」「ジャバラク浣腸」などがあります。使用に際しては説明書をよく読んで使ってください。

 

漢方薬はどうやって選べばいい?

漢方薬は自然の生薬から作られたものですので、「副作用も少なくずっと飲んでも安心」というイメージがあることから、便秘も漢方薬で治したいという方が少なくありません。ただし、漢方薬だから安心とは言い切れない部分もあります。

市販薬として手に入る便秘の漢方薬には下記の3種類があります。

  • 大黄甘草湯
  • 麻子仁丸
  • 桂枝加芍薬大黄湯

大黄甘草湯は、刺激性下剤の成分である大黄(主成分はセンノシド)を多く含むため、大腸を刺激して排便を促す即効性があります。漢方薬だからといって長期間にわたり漫然と連用すると便秘の悪化につながってしまうこともあるので注意してください。

麻子仁丸は、麻子仁に含まれる油で便がやわらかくなる効果が期待できますので、硬い便にお困りの高齢者に向いている漢方です。しかし、大黄も含まれていますので長期連用には気を付けてください。

桂枝加芍薬大黄湯は、芍薬によって腸の筋肉の緊張をやわらげ、蠕動運動をしやすくします。ただし、これにも大黄が含まれているので注意が必要です。

便秘に効くとされる漢方薬にはこのほかにも色々あります。もともと漢方薬は専門家が個人の体質(証)を診て、その人に合う生薬を含んだものを選んでいくのが本来の在り方です。便秘を漢方薬で治したい場合は、漢方の専門医に診てもらって、処方してもらうのがベストです。漢方専門医はこちらのリスト(日本東洋医学会の漢方専門医名簿)で探すことができます。

市販薬を使うときは説明書をしっかり読もう!

ここまで、便秘のタイプ別に便秘薬の選び方を解説してきました。最後にお願いしたいのは、便秘薬を使う前には説明書(添付文書)をしっかり読んでほしいということです。人によっては、使用が適切ではない成分が含まれていることがあります。便秘薬を使って何か身体に異変や違和感があるようなら、使用を止めて病院を受診するようにしてください。

参考文献

  1. ・慢性便秘の診断・治療研究会編. 慢性便秘症診療ガイドライン2017, 南江堂
  2. ・日本OTC医薬品情報研究会編. OTC医薬品事典 第15版. じほう2016

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