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便意がこない、頻繁にあるけど出ない、腹痛に悩む…どれも便秘のサインかも!

更新日:2018/08/15 公開日:2018/06/28

便秘の原因・基礎知識

「便秘対策をしているのに、便意が全然こない」、「便意はあるのに便がちょっとしか出ない」、「便意と同時に腹痛が起きていつも苦しい」。こんな症状があると、自分の身体に異変が起きているのではないかと心配になりますよね。自分では見えない身体の中のことでどうすれば良いかわからず、悲しい気持ちにもなります。でも安心してください。便意にともなう異常の原因にあわせた対処法が存在します。適切にアプローチできるよう、便秘でお悩みの方はぜひご覧ください。

この記事では、便意に異常があって困っている人の原因と対処法を解説します。自分の症状と合致する箇所をチェックしてください。

まずは便意が起きるメカニズムを知ろう!

便意の異常を解決する前に、まずは便意が起こる仕組みを知っておきましょう。

肛門と腸の解剖図

上のイラストは、肛門と腸の解剖図です。便意は下記の順序で起こります[1]。

  1. 便意を感じていないときは、便は直腸の前にあるS状結腸にある。直腸は空っぽで何も無い。
  2. 食事などによる腸への刺激で、腸が動く(大蠕動)と便が送り出され直腸に入る。
  3. 直腸の壁が便によって押し広げられて、「便意」を感じる。
  4. 肛門括約筋が動いて、便が肛門の近くに移動する。
  5. 直腸と肛門の間(歯状線)には感覚神経が通っていて、便の形状(固形、液状、ガスなど)がわかる。※おならや下痢を感じとることができるのはこの機能によります。
  6. トイレに行くまでは肛門括約筋がギュッと縮んでいて、肛門から便が出ないようにしている。
  7. トイレに行くと、直腸自体も縮むと同時に、いきみ(横隔膜と腹筋を使ってお腹の中の圧力を上げる)&肛門周囲の筋肉(骨盤底筋群)の弛緩が起こって(排便協調運動)便を出す。
 

「便意がこない」の原因と対処法

便意がこない女性のイメージ画像

食事も規則的に摂っていて、便は明らかに溜まっているはずなのに便意が全然起きない場合、直腸や肛門の感覚が低下している可能性があります。

便意がこなくなる原因は"感覚の異常"

便意がきたタイミングで排便していれば、直腸の感覚は正常に保たれます。しかし、便意がきても排便しないでいると、人間の身体はこれが正常なのだと思い始め、直腸の感覚を鈍らせてしまいます。

また、同時に直腸の我慢の限界も上がってしまいます。正常な状態であれば、便が直腸内に溜まると直腸壁が強く押されるので、便が漏れそうな感覚を覚えます。しかし、我慢の限界が上がっている人だと、その状態でも便意をあまり感じなくなるのです。この状態が進行すると、直腸の容量をオーバーした便が、肛門から漏れてしまうこともあります。

このケースは、便意がきたタイミングでトイレに行きにくい接客業の方や、トイレに行くのを恥ずかしいと思ってしまう子どもなどによく起こります。

便意がこないときの対処法

まず、便意がきたらすぐにトイレに行くようにしましょう。便意がくるタイミングは、ある程度コントロールできます。朝、しかも朝食後は大腸が大きく動く時間帯なので、しっかり朝ごはんを食べたりトイレに行く時間を確保したりしてください。起床後に体操をするのも良いでしょう。

便意が起きなくても、決まった時間にトイレに行くだけで身体が「朝は排便の時間なんだ」と学習してくれるので効果的です。ただし、出るまで頑張っていきむ必要はありません。数分試して排便できなければトイレから出てもOKです。

なお、ウォシュレットで肛門を刺激して便意を起こす人もいますが、これは直腸をさらに鈍感にしてしまうので止めましょう。同じ理由で浣腸の使いすぎも良くありません。また、便秘は便の状態も大きく関わっていますので、生活習慣や食習慣などのトータルな改善も試してみてください。

『ついついハマる便秘の原因!実はアナタも…!?~生活習慣編~』もご覧ください。また、上記の対策をしても便秘がなかなか改善しない場合は病院で治療が必要です。『便秘で病院に行くべき?危険な症状は?何科がいい?』で詳しく解説しています。

 

「便意はくるけど便が出ない」の原因と対処法

便意はくるけど便が出ない人のイメージ画像

便意はあるのに便が出ない/少ししか出てこないのは、もどかしくて気持ちが悪いですよね。便を出し切れていないとわかるときの感覚を「残便感」と呼びます。この残便感がさらに便意を引き起こし、トイレに行っても便意はあるのに便が出ない「しぶり腹」という状態を引き起こしてしまいます。

便意はくるけど便が出ない原因は"筋肉の異常"

便が直腸に到達した後は、肛門括約筋やお腹の筋肉(横隔膜や腹筋)をコントロールして排出します。肛門や骨盤底筋群はゆるめ、お腹の筋肉は縮めるということを同時に行うので、実は複雑な動作です。便意はくるのに便が出ない方は、このどちらかが上手くできていない可能性があります。筋力不足でお腹の中の圧力を高められない場合は「便排出力低下」、骨盤底筋群を緩められない場合は「排便協調障害」という状態です。

便意はくるけど便が出ないときの対処法

便秘はいろいろな要素が関係しあって起こるものなので、まずは一般的な生活習慣の改善をしてみましょう。また、病院の受診も検討してください。便意はくるのに便が出ないという症状は、炎症性腸疾患や直腸がんなど便秘症以外の病気でも起こることがあるからです。特に、便に血が混じっているようであれば、早めに消化器科の専門医に相談しましょう。

 

「便意と同時に腹痛が起きる」の原因と対処法

便意と同時に腹痛が起きる女性のイメージ画像

便意と同時に腹痛が起きる状態は、IBS(過敏性腸症候群)という病気で起こる症状のひとつです。

便意と同時に腹痛が起きる原因は"IBS"

IBSは、下記のような特徴があります。当てはまる方は、IBSによる便秘かもしれません。

  • 便秘や下痢を繰り返す
  • お腹が張ったような感じがしたり、おならが多く出たりする
  • 腹痛は夜中に目が覚めるくらい激しいこともあれば、腹部の不快感くらいに軽いこともある
  • 上記のような不快な症状は排便すると落ち着く
  • 症状が3日以上にわたって起きることが月に1回以上ある

IBSという言葉を、テレビCMなどで見かけたことがある方もいるでしょう。この病気を既に知っている方は、ストレスによって起こるイメージがあるかもしれませんが、IBSの原因は複雑で人によって異なります。感染性胃腸炎がきっかけになることもあれば、食物アレルギーが隠れている場合もあるのです。

便意と同時に腹痛が起きるときの対処法

前述の説明のとおり、IBSの原因は人によってまちまちです。症状の現れ方もバリエーションがあり、それに応じて適した治療法も変わるので、病院(消化器科)に行くのがベストと言えます。ストレスが関係している場合は、不安を和らげる薬を処方したり、自分の思考パターンを見直す方法を指導されたりします。何が原因になっていても、医師と協力しながら時間をかけて治していくことが必要です。

IBSの治療や疑問については、『過敏性腸症候群の記事一覧』でご覧ください。

参考文献

  1. [1]慢性便秘の診断・治療研究会編. 慢性便秘症診療ガイドライン2017, 南江堂 25