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下痢になったらどうしたらいい?原因や症状に応じた対処法

更新日:2018/12/17 公開日:2018/09/18

下痢の症状・原因・対処法

便はあなたの健康状態を映す鏡です。腸での水分吸収が不十分だと、いつもより便がゆるくなったり(軟便)、形をとどめない状態(水下痢)になったりします。下痢が起こったときの対処法の基本は同じですが、下痢を起こす原因は数多くあり、いつから起こっているのか、どんな便なのか、他に症状はあるか…などによって気をつけるべきポイントがあります。ここでは、下痢の原因や症状に応じた対処法について解説します。

下痢の原因

下痢とは「便の水分が多くなった状態」

便は、自分の健康状態を知るバロメーターのひとつ。理想は70~80%程度の適度な水分を含んで適度な粘度をもつ、やわらかくなめらかなソーセージ(バナナ)状の便です。それよりも水分が多くなると下痢になります。水分が80~90%でべちゃっとした形をなさない「軟便」、90%を超えて形をとどめず液状になった状態を「水様便」(水下痢)と呼びます。

下痢の基本的な対処法はこちら

下痢が起こる4つのメカニズム

腸は蠕動運動(ぜんどううんどう:腸が消化物を送り出す動き)をしながら、胃から送られてきた食べ物の消化物から栄養や水分を吸収し、その残りを便として肛門に送ります。腸を通過する1日の水分量は約9リットル。その99%が腸で吸収されると、理想的な水分量(70~80%程度)を含んだ便となります。

下痢になる主な原因は、便の水分量が増えてしまうことです。腸が正常に働いていれば、水分のほとんどを腸内で吸収し、残りの1%の水分が便に混ざっていきます。しかし何らかの原因で腸の動きが活発になり過ぎると、内容物の移動時間が速くなり、腸内に十分な水分が吸収されないまま、多くの水分が便と一緒に排出されてしまうのです。これが下痢のメカニズムです。こうなってしまう理由は下記の4つに分けられます。

  • 腸からの水分吸収が妨げられる
  • 腸に炎症が起きて腸管内に体液が滲み出てくる
  • 腸が出している腸液の分泌量が増える
  • 腸の蠕動運動が亢進して、消化物の通るスピードが早くて水分吸収が追いつかない

(引用:『下痢・軟便時に適した食事・食べ物と食べてはいけないもの』
(引用:『水下痢の原因・症状と正しい対処法は?薬は飲んでも大丈夫?』

下痢でこんな症状があればすぐに病院へ!

もし、下痢で下記のような症状があれば、我慢せずになるべく早く医療機関(内科、消化器内科、救急外来など)を受診してください。

  • 血便や下血がある
  • 大量の水様便が続いている
  • 水分補給ができない
  • 脱水症状がある(口が乾く、脈が早い、肌や粘膜が乾燥)
下痢で脱水している場合の対処法
脱水症状がある場合は、体内への吸収が早くなるよう調整されている経口補水液を飲むことが勧められます。しかし、吐き気や嘔吐などで飲めない状況であれば、点滴で水分や電解質を補給する必要が出てきます。たかが脱水と軽く見ず、早めに病院に行くことを考えましょう。また、2~3日安静にしていても症状が変わらないときや、悪化する傾向にあるときは、早めに病院を受診しましょう。

監修者の写真吉井クリニック 院長 吉井友季子 先生
(引用:『胃痛を伴う下痢の原因と正しい対処法』

腹痛を伴う下痢はこちら
嘔吐を伴う下痢はこちら
血便を伴う下痢はこちら
脂肪が混じった泡状の下痢はこちら

 

腸を安静にする

下痢の基本的な対処法

下痢になってしまったときの基本的な対処法を解説します。

水分&ミネラル補給

下痢をしているときは体内の水分やミネラル(ナトリウムやカリウムなど)が失われやすくなっており、脱水症状におちいってしまいやすくなります。少しずつでもいいので、こまめな水分補給を心がけましょう

水分補給のコツ
腸が水分を吸収しやすい割合でミネラルを配合した経口補水液がもっともおすすめです。常温のスポーツドリンクやミネラルウォーター、ぬるめの白湯や番茶などでもいいですが、この場合は塩分も一緒に摂るようにしましょう(梅干しや塩飴など)。冷たい飲み物やカフェインが多い緑茶やコーヒーは刺激になるので控えましょう。炭酸飲料、アルコール類もお腹を刺激するので避けるべきです。

監修者の写真吉井クリニック 院長 吉井友季子 先生
(引用:『食べ過ぎで下痢や吐き気の症状が出た時はどうすればいい?』
(引用:『水下痢の原因・症状と正しい対処法は?薬は飲んでも大丈夫?』

※脱水症状への対応について詳しくは『自宅でもできる!脱水症状の対処法』をご覧ください。

腸を安静にする

下痢のときは腸を安静にすることも大事です。可能なら横になって安静に過ごしましょう。ひどい下痢や吐き気がある時は半日~1日は食事を控えましょう。下痢が続いている場合は無理に食べる必要はありませんが、体力を消耗しますので、できるかぎり消化・吸収の良いものを摂るようにしてください。

消化・吸収のよい食べ物
食事を開始するときは、胃腸の負担が少ないおかゆやうどん、野菜スープ、リンゴのすりおろし、ヨーグルト、白身魚、豆腐など消化の良い食べ物で少しずつ慣らしてください。味の濃いものや脂っこいもの、香辛料をたくさん使うものなど、胃腸にとって刺激の強い食品は避けましょう。おすすめは消化の良い食べ物(おかゆ、雑炊、よく煮込んだうどん、そうめん、豆腐、卵、すりおろしたりんご、ヨーグルトなど)です。

監修者の写真吉井クリニック 院長 吉井友季子 先生
(引用:『食べ過ぎで下痢や吐き気の症状が出た時はどうすればいい?』

※下痢しているときの食事について詳しくは『下痢・軟便時に適した食事・食べ物と食べてはいけないもの』をご覧ください。

 

下痢止めを飲むべき?

下痢で脱水している場合の対処法
基本的に、下痢止め薬は食べ過ぎ、飲み過ぎによる下痢に使う分には問題ないでしょう。ただし、症状が落ち着いたら飲むのをやめてください。
一方で、強い腹痛が続いたり、嘔吐、血便などが出たりする感染性の下痢には使うべきではありません。身体の防御反応として、侵入したウイルスや細菌をスピーディーに外に出そうとして下痢になっているため、市販の下痢止め薬などで止めることはやめたほうがいいからです。そのような場合は、すぐに医療機関を受診してください。症状によっては、医師の診断のもとで整腸剤や下痢止め薬が処方される場合もあります。

監修者の写真吉井クリニック 院長 吉井友季子 先生
(引用:『水下痢の原因・症状と正しい対処法は?薬は飲んでも大丈夫?』

※下痢を治すために漢方薬が使われる場合もあります。詳しくは『下痢(げり)に効果的な漢方薬』をご覧ください。

下痢の原因に応じた対処法

一言で下痢といっても、その原因はさまざまです。原因に応じた対処法を見つけましょう。

その下痢は急性?それとも慢性?

下痢の原因を探るうえで参考になるのが「その下痢は急性なのか、慢性なのか」ということです。「急性下痢」は症状が一過的に起こるもので、「慢性下痢」は症状が継続するものです。

急性下痢
下痢になってからの期間が2週間以内
たいていは数日~2週間以内でおさまる
食べ過ぎや飲み過ぎ、冷え、食中毒など、原因が比較的わかりやすい
遷延性下痢
2週間以上つづく下痢
慢性下痢
症状が4週間以上続く
「そういえばずっと続いている」というように、原因や症状が現れた時期があいまい

以下、急性下痢や慢性下痢を引き起こす原因とそれぞれの対処法をみていきましょう。

急性下痢の原因と対処法はこちら
慢性下痢の原因と対処法はこちら

 

急性下痢

急性下痢の原因と対処法

急性(発症から2週間以内)の下痢を引き起こす原因は、下記のようなものがあります。

様子を見て、治らないなら病院へ
急性下痢はだいたい2~3日で回復することが多いのですが、いつまでも症状が変わらない場合は医療機関を受診しましょう。

監修者の写真吉井クリニック 院長 吉井友季子 先生
(引用:『下痢・軟便時に適した食事・食べ物と食べてはいけないもの』

 

暴飲暴食(食べ過ぎ・飲み過ぎ)やストレスによる下痢

暴飲暴食で下痢が起こる理由
暴飲暴食をして腸の中にたくさんの消化物が入ってくると、腸は刺激を受けて蠕動運動が過剰になり、水分の吸収が追いつかなくなって下痢になります。特に脂っこい食事、お酒、香辛料、食物繊維、人工甘味料などを食べ過ぎ・飲み過ぎたときに下痢になりやすいことが知られています。下痢と食べる量の関係については、その人の体調や体質などで変わってくるので、自分が下痢を起こしやすい食べ物を覚えておくとよいでしょう。

監修者の写真吉井クリニック 院長 吉井友季子 先生
(引用:『水下痢の原因・症状と正しい対処法は?薬は飲んでも大丈夫?』

※食べ過ぎ・飲み過ぎで下痢になった場合の対処法については『食べ過ぎで下痢や吐き気の症状が出た時はどうすればいい?』をご覧ください。

辛い食べ物やアルコール
腸の動き(蠕動運動)を過剰に促してしまう原因のひとつです。
冷たい物
胃腸が冷えてしまっている時、疲れが溜まった時などは胃腸の消化機能が弱まっている状態です。そんな時に食べ過ぎるとうまく消化できず、吐き気や下痢につながってしまいます。
ストレス
不安や悩みが多く、ストレスを受けやすい環境にいると、自律神経が乱れて腸の機能が低下し、下痢を引き起こします。

※ストレスによる下痢については『どうすればいい?ストレスによる下痢・腹痛の正しい予防法・対処法』をご覧ください。

キシリトール、マグネシウム、ソルビトールの大量摂取
これらは、腸の外から水分を取り込もうとするため、水分コントロールがうまく働かなくなり、下痢を生じてしまいます。手軽なサプリは食品と違って大量に摂取できてしまうので、摂り過ぎに注意しましょう。
 

食中毒による下痢

急性下痢の90%以上はウイルス、細菌などの感染によるものだといわれています。

細菌やウイルス、寄生虫が感染して腸の粘膜に炎症を起こしたり、細菌やウイルスの作り出した毒素が腸を刺激したりすることで下痢になります。感染者の吐しゃ物や便、性交渉などを通じてうつったり、十分に加熱されていない食品や、清潔でない生水を通して体内に入ったりしてしまいます。感染症の原因菌やウイルスと同じものが、感染者の調理した食品から通じてうつることもあります。

暴飲暴食やストレスによる下痢よりも症状が重く、腹痛の他に発熱や嘔吐をともなうこともあり、1回の排便で症状がよくならないことも特徴のひとつです。

我慢しすぎないで
発熱や頭痛、吐き気などがあり、症状がだんだん重くなってくる場合や、数日経っても改善しない場合は医療機関(内科、消化器科など)を受診しましょう。

監修者の写真吉井クリニック 院長 吉井友季子 先生
(引用:『水下痢の原因・症状と正しい対処法は?薬は飲んでも大丈夫?』

※食中毒については『菌によって違う「食中毒」の潜伏期間・発症までの時間』を、『食中毒(食あたり)の種類と主な原因』をご覧ください。

嘔吐を伴う下痢はこちら
下痢止めの使い方はこちら

 

食物アレルギーによる下痢

食物アレルギーで下痢が起こることもあります。食物アレルギーのある人が原因食品を食べると、アレルギー反応として下痢や嘔吐、腹痛などの胃腸症状が出ることがあります。また、腸の粘膜が炎症を起こし、胃腸の機能が低下して下痢になりやすくなります。

食べたものを振り返ってみよう
特定の食品を食べるといつも下痢をするという場合は、その食品を避けた方がいいかもしれません。何が問題なのか調べるには病院に行きましょう。

監修者の写真吉井クリニック 院長 吉井友季子 先生
(引用:『水下痢の原因・症状と正しい対処法は?薬は飲んでも大丈夫?』

※食物アレルギーについて詳しくは『食物アレルギーの種類と日常での注意点とは』をご覧ください。

 

乳糖不耐症による下痢

乳糖不耐症と呼ばれる、乳糖(ラクトース)を上手く分解できない(=分解酵素の働きが良くない)体質の人がいます。未消化の食べ物が便の水分を増やし、下痢になってしまいます。牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしたり下痢になったりする人は、この乳糖不耐症だと考えられます。乳糖を含む食品の制限、ラクターゼ製剤(分解酵素)の併用、豆乳や乳糖を分解した食品の摂取で対応可能です。

ヨーグルトとの相性?
「お腹の調子にオススメ」と言われるヨーグルトでも体質によって合わない方もいらっしゃいます。合わない食べ物はたとえヨーグルトでも無理は禁物。ご自分の腸と相性が悪いものはできるだけ摂取を避けるように心がけてください。

監修者の写真吉井クリニック 院長 吉井友季子 先生
(引用:『下痢の時にヨーグルトは危険?効果的?』
(引用:『下痢・軟便時に適した食事・食べ物と食べてはいけないもの』

※乳糖不耐症については『乳糖不耐症の記事一覧』をご覧ください。

 

慢性下痢

慢性下痢の原因と対処法

慢性(1か月以上続く)の下痢を引き起こす原因は、下記のようなものがあります。

下痢で脱水している場合の対処法
慢性下痢を引き起こす病気として、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、吸収不良症候群、腸管慢性感染症、大腸がんなど様々な病気があげられます。診断のためには腹部超音波検査、腹部CT検査、消化管内視鏡検査など検査が必要になります。ご心配であれば、消化器内科を受診されることをお勧めします。

監修者の写真湘南藤沢徳洲会病院 内視鏡内科 部長 永田充 先生
(引用:『悪い病気!?下痢が続く時に考えられる原因と対処法』

慢性下痢の家庭での対処法

下痢が続いているときは体内の水分がたくさん排出されるため、脱水症状になりやすくなります。ただ、冷たい飲み物を摂りすぎることは胃腸への負担がかかるので避けましょう。適しているものはぬるめのお湯や、うすめた番茶、スポーツドリンクなどです。

おすすめの食品・避けた方がいい食品
慢性下痢の場合は、腸への刺激が少なく、消化に良い栄養価の高い食べ物で身体の抵抗力を上げていく食事を心がけましょう。やわらかいご飯やうどん、じゃがいもや里芋などの煮物、バナナ、リンゴ、ヨーグルト、白身魚、豆腐などは栄養があって、胃腸への負担が少ないと言われている食品です。
反対に避けた方がいいのは、肉類や揚げ物など脂肪を多く含んでいるもの、ケーキやお菓子など糖分を多く含んでいるもの、繊維質が多い貝類や根菜、生野菜などです。これらは胃腸への負担になるため控えましょう。とうがらしやにんにくなどの刺激が強い香辛料も控えた方がいいでしょう。

監修者の写真吉井クリニック 院長 吉井友季子 先生
(引用:『下痢・軟便時に適した食事・食べ物と食べてはいけないもの』

慢性下痢では、日頃から腸内の環境を整えておくことが予防となります。ビフィズス菌や乳酸菌など腸内のバランスを整えるものや、善玉菌のエサとなるオリゴ糖などを意識的に摂ることもひとつの方法です。

下痢で脱水している場合の対処法
慢性下痢にとってヨーグルトは、とても効果的な食べ物と言えるでしょう。ただし、ヨーグルトは冷たい食べ物です。お腹の弱い方は、一口ごとにゆっくり口の中で溶かすように食べるとよいでしょう。また、乳糖不耐症がある方は無理に食べる必要はありません。

監修者の写真吉井クリニック 院長 吉井友季子 先生
(引用:『下痢の時にヨーグルトは危険?効果的?』

 

過敏性腸症候群(IBS)による下痢

胃や腸はストレスの影響を受けやすく、とてもデリケートな器官。試験の前や大事な商談前など緊張によるストレスや緊張でよくお腹が痛くなる方や、不安などによる精神的な影響、疲れや睡眠不足が原因でお腹の調子が悪くなる方は過敏性腸症候群(IBS)かもしれません。

過敏性腸症候群とは?
症状が3週間ほど続いたり、月に3回以上の腹痛や下痢が3か月以上続いたりする場合は、「過敏性腸症候群」の可能性が高く、特に20~30代に多いと言われています。慢性的な下痢に悩んでクリニックを訪れる方の約半分が過敏性腸症候群によるものと言われ、検査をしてもどこも異常がないことが大きな特徴です。
ストレスから下痢を発症するのは腸の異常というより、精神的な影響が大きいと考えられます。胃や腸をはじめとする内臓は、自律神経が深く関係しています。不安や緊張など強いストレスがかかることで自立神経に乱れが生じ、腸の動きが突然活性化したり、腸管が痙攣したりして腸内の水分調整がうまく行かず、下痢や便秘の症状が現れます。まじめで神経質な人がなりやすいといわれています。
一番の原因であるストレスをかけないようにすることが解決策ですが、そう簡単に性格や体質を変えられるものではありません。根本的な解決を急ぐよりも「上手に付き合う」という気持ちで臨むことが大切です。
ストレスとの付き合い方は心療内科など、プロのアドバイスに身を委ねるのもひとつの方法です。現代社会におけるストレスは、どうしても避けて通れないものです。上手にコントロールできる方法を試みてください。

監修者の写真吉井クリニック 院長 吉井友季子 先生
(引用:『どうすればいい?ストレスによる下痢・腹痛の正しい予防法・対処法』

過敏性腸症候群の対処法
炭水化物や脂質の多い食事、香辛料、アルコール、コーヒーの摂取は症状悪化の原因となります。また、心理的なストレスで発症したり、症状が悪化したりすることが証明されています。そのため、過敏性腸症候群では生活習慣の見直しをすることが大事です。また、多忙な毎日を過ごしていても、息抜きの時間をつくり、規則正しい生活で体のリズムを整えるなど、日常生活でできる予防を行いましょう。

監修者の写真湘南藤沢徳洲会病院 内視鏡内科 部長 永田充 先生
(引用:『悪い病気!?下痢が続く時に考えられる原因と対処法』

※過敏性腸症候群(IBS)について詳しくは『家庭の医学 過敏性腸症候群』にリストアップされている記事をご覧ください。

 

薬剤やサプリメント(マグネシウム、下剤、胃薬、痛み止め、降圧薬、抗菌薬など)による下痢

薬の副作用により慢性下痢になることもあります。下痢を引き起こす可能性のある薬は、抗菌薬、便秘薬、胃薬、降圧薬、痛み止めなど多岐にわたるため、心配なようなら医師や薬剤師に相談してみてください。

 

炎症性腸疾患などの病気による下痢

そして、慢性下痢の中で特に注意したいのは病気が原因のとき。大腸がん、潰瘍性大腸炎、ポリープなどの病気が原因で腸の機能が損なわれると下痢になります。この場合は、原因となる病気を治療することが第一です。症状を悪化させないためにも、「おかしい」「いつもと違う」と感じたら早めにクリニックでの検査を受けましょう

過敏性腸症候群の対処法
潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に炎症が起こる病気です。腸に炎症が起きてただれや潰瘍となることから、主な症状として粘血便(血液・粘液・膿の混じった軟便)、下痢、発熱、体重減少などが現れます。重症になるほど便に血液が混じるようになります。発症年齢は30歳前後に多いとされています。
また、クローン病は若い人(男性では20歳代から30歳代前半、女性では10歳代後半から20歳代)に多い病気です。口から肛門までの消化管のあらゆる場所に慢性的な炎症や潰瘍が起こり、消化・吸収がうまくできなくなり、下痢をしやすくなります。よくあるのが「食事をすると下痢やお腹の痛みが起こり、やがて栄養が足りずにやせてくる」という症状なので、このようなことがあれば早めに受診することをお勧めします。

監修者の写真湘南藤沢徳洲会病院 内視鏡内科 部長 永田充 先生
(引用:『悪い病気!?下痢が続く時に考えられる原因と対処法』

まれですが、下痢の原因を調べたら大腸がんが見つかった、というようなケースもあります。

大腸がんと下痢の関係
大腸がんが進行すると大きな塊をつくり腸がせまくなってしまうため便の通りが悪くなり、便秘になったり、細い便になったり、排便したのにまだ便が残っているような感じがしたりします。進行した大腸がんは出血しやすく、便に血液が混じることもあります。腸の中に溜まった硬い便のすき間を水っぽい便がすり抜け、少しずつ、何回にも分けて排泄されるため、まるで下痢のような症状を起こすこともあります。以上のような症状があれば、大腸内視鏡検査などの精密検査を受けることを検討した方が良いでしょう。

監修者の写真湘南藤沢徳洲会病院 内視鏡内科 部長 永田充 先生
(引用:『悪い病気!?下痢が続く時に考えられる原因と対処法』

なお、早期の大腸がんでは、自覚症状がないことが多く、症状からがんを早期発見するのは困難です。ですから、定期的にがん検診を受診し、早期に発見できるようにしておくことが大事です。

この他にも、細菌や寄生虫の感染症、手術や放射線治療後の後遺症、膵臓や甲状腺の病気、糖尿病、膠原病などによっても起こることがあります。

 

併存症のある下痢

腹痛を伴う下痢

つらい腹痛のある下痢になったとき、下記のような症状がある場合は病院にかかることをお勧めします。とくにお子さんや高齢者、心臓病や糖尿病などの持病をお持ちの方は早めに医師に相談してください。

  • 経験したことがないような激しい下痢
  • 便に血が混ざっている
  • 下痢以外に悪心(気持ち悪さ)や嘔吐、発熱もある
  • 排便後にも腹痛が続く
  • 同じものを食べた人も同時に下痢になった
  • 症状が悪化/改善の気配がない
  • 脱水症状がある
下痢の原因は?
このような症状がない場合は、下痢になった原因を探してみましょう。ここ2~3日の出来事を思い返し、食べ過ぎや飲み過ぎ、食当たり、身体を冷やしたなど思い当たることがあるかどうかを確認してください。これらが原因になっていると考えられる下痢で、症状がつらいときは下痢止めや整腸剤を服用して様子を見ましょう。

監修者の写真松井クリニック 院長 松井潔 先生
(引用:『激しい腹痛を伴う下痢・軟便の原因と対処法』

 

嘔吐を伴う下痢

嘔吐をともなう下痢の場合はウイルス性によるものが多く、ウイルスによる感染症胃腸炎は「嘔吐下痢症」と呼ばれています。ウイルス性胃腸炎の場合は、吐き気のピークを乗り越えれば自然に回復することが多く、1週間ほどで回復します。

嘔吐下痢症でよく知られているのは、冬の食中毒といわれるノロウイルス、生後6か月から2歳までの乳幼児に多いロタウイルスやアデノウイルスなどがあります。手に付いたウイルスが口に入って感染する場合もありますが、ノロウイルスは生牡蠣などの貝類から感染することでも知られています。

症状は、まず吐き気からはじまり、半日~1日くらい続いた後に下痢の症状が現れます。ひどい時には1日に10回以上も水のような便が出るケースもみられます。また、ロタウイルスの場合には便が白くなることが特徴です。

無理をせず病院へ

食あたりや食中毒の心あたりがあり、下痢が1日に10回以上あるような場合はすぐに医療機関を受診しましょう。また、いつまでも吐き気が治まらず、水分も摂れないくらいひどい吐き気や下痢が続く場合は点滴で水分補給をする必要が出てきます。我慢や自己判断をせずに医師に相談しましょう。

嘔吐を伴う下痢の対処法

嘔吐をともなう下痢の場合は、食事や水分の摂り方が重要です。吐き気があるときに飲食をすると、飲食のたびに吐いてしまう悪循環に陥りやすいため、まずはお腹を空っぽにすることが大切です。吐き気が落ち着いてきたら、脱水症状を防ぐためにも水分を少しずつ摂っていきましょう。湯冷ましや番茶、スポーツドリンク、リンゴをすりおろした汁、野菜スープ、味噌汁などを少しずつ数回に分けて摂るのがポイントです。刺激のある炭酸飲料やコーヒー、アルコール、脂肪の多い牛乳は避けましょう。

その後、症状が下痢だけになったら、消化のよい食べ物で体力を回復していきましょう。おかゆやうどん、豆腐、じゃがいもやニンジンなどの煮物などがおすすめです。逆に避けたいのは肉や揚げ物など脂肪が多いもの、ゴボウや海藻、豆類など食物繊維が多いもの、お菓子やプリン、砂糖入りのヨーグルトなど糖分が多く含まれている食べ物です。

手洗いで感染が予防できる

ウイルスや細菌に感染する主な原因は、手洗い・消毒が不十分な手指や、汚染された場所に触れた手指からの接触感染です。十分な手洗いが予防の基本となります。

 

便の異常を伴う下痢

血便を伴う下痢

血が混じった便は、大きく「タール便」と「血便」に分けられます。その名前の通り、黒っぽい色をしている場合はタール便、鮮血に近く赤い色をしている時は血便と呼びます。

タール便
黒っぽい色
肛門から遠い部分で出血した血が混ざった状態
胃潰瘍や十二指潰瘍などによる
血便
赤い色
肛門の近くで血が混ざった状態
多くは痔などで肛門が切れてしまったことによる出血
腸炎やポリープ、がんなどの病気が隠れているケースもある
下痢で脱水している場合の対処法
鮮やかな赤色をした血便の原因が明らかに痔だとわかっている場合は、痔の治療を行いましょう。しかし、腹部に痛みを伴う血便は虚血性大腸炎、粘液が混じっているような血便では潰瘍性大腸炎や大腸がんなどの場合もありますので、医療機関の診察を受けてください。
深刻度が高いのはタール便の場合です。便が黒いということは、それだけ出血量も多いと考えられます。一刻も早くクリニックで検査を受けましょう。食道や胃、十二指腸から出血している疑いがある場合は内視鏡での検査や、必要に応じて超音波検査やCT検査などで調べていきます。
また、血便やタール便だけでなく、ウイルス性の便なら白色、黄疸が原因と言われる緑色の便などもあります。このような、いつもとは違う色の便が出た時は、落ち着いて観察しながら、食べ物による色かどうかをチェックしましょう。食べ物が原因でない場合は、医療機関を受診し、医師にできるだけ詳細に伝えましょう。

監修者の写真吉井クリニック 院長 吉井友季子 先生
(引用:『血便を伴う下痢の原因と正しい対処法』

 

脂肪が混じった泡状の下痢

食事で摂取した脂肪(脂質)の消化や吸収がうまくいかないと、便が白っぽく、ギラギラと油ぎった感じの「脂肪便」になります。脂肪を含んだ下痢(脂肪性下痢)になることもあります。脂肪性下痢は脂肪のみならず水分も多く含まれ、腸内細菌の影響もあり、軟らかい泡状の下痢になります。

この状態が続くと、うまく脂肪が体内に吸収されないままなので、栄養不足になって痩せてしまいます。ふらつき、貧血、かゆみ、発疹、顔の知覚過敏、鼻血なども起こり得ます。また、子供の場合は成長障害(大きくならない)などが起こります。

脂肪便の対処法
脂肪便が出ている場合は、どこが悪くて、何の病気で脂肪が消化・吸収できなくなっているのかを診察や検査で突き止め、それに対する治療を行って原因を解消することが必要となります。もしかして脂肪便かもしれないと思ったら、消化器科や内科を受診しましょう。便の写真を撮っておくと診察に役立ちます。

監修者の写真しば胃腸こうもんクリニック 院長 佐藤幸宏 先生
(引用:『脂肪便の原因は膵炎?』

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