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蕁麻疹Q&A|蕁麻疹のよくある10の質問(症状・種類・原因・治療・薬・ストレス)

更新日:2018/10/01 公開日:2018/10/01

蕁麻疹のよくある疑問

蕁麻疹(じんましん)が起こると、肌の赤みとともに強いかゆみが起き、つらいものです。湿疹とは異なり、蕁麻疹は短い時間であとかたもなく消えてしまうのが特徴ですが、人によっては毎日のように蕁麻疹が起きたり、全身にひどい蕁麻疹が起きて救急車で運ばれたりするようなこともあります。ここでは蕁麻疹に関するよくある疑問(原因は?治療薬は?うつる?どんな種類がある?ストレスは関係ある?など)をまとめ、わかりやすく解説します。

蕁麻疹の原因マンガ

蕁麻疹(じんましん)のよくある10の質問

 

【質問1】蕁麻疹はどういう症状が起こるの?

【回答1】蕁麻疹は、赤く膨れたようなブツブツが出る皮膚の病気です
強いかゆみを感じることが多い
顔、体幹、足、腕、首、全身など、身体のどこにでも現れる
30分~1日以内にあとかたもなく消える

蕁麻疹の症状

蕁麻疹の症状
蕁麻疹の症状として最初に自覚しやすいのは「かゆみ」です。急に身体の一部がかゆくなり、その場所を見てみると紅いブツブツ状の発疹(紅斑)や扁平に膨らんだ形状の発疹(膨疹)があることに気づきます。膨疹の形はさまざまで、丸かったり、線状(ミミズ腫れ)であったり、花びらや地図のような複雑な形になることもあります。上の写真は腕にできた蕁麻疹です(地図状の膨疹ができています)。
蕁麻疹は顔、全身、体幹、足、腕、首など、身体のどこにでも現れます。人によって決まった場所に起こるということもなく、初めに症状が現れたところと別のところに現れることもありますし、次々に皮疹が現れて症状の出ている範囲が広がることもあります。また、多くの蕁麻疹は夕方~夜にかけて悪化しやすいという傾向があります。
皮膚が赤くてかゆいという点では、蕁麻疹と湿疹(皮膚炎)は似たところがあるのですが、蕁麻疹は「30分~1日以内にあとかたもなく消えてしまう」という大きな特徴があります(湿疹は何日も続きます)。
ただし、蕁麻疹とメカニズムが非常によく似た病気に「血管性浮腫」というものがあり、この場合は腫れが3日間ほど持続します。血管性浮腫は顔、特に唇や目の周りによく起こります。血管性浮腫の場合は蕁麻疹と異なり、必ずしもかゆみが出るとは限りません。

監修者の写真桑園オリーブ皮膚科クリニック院長 米田明弘 先生
(引用:『この蕁麻疹はストレスが原因?蕁麻疹の症状と治し方』

 

【質問2】蕁麻疹ってうつるの?

蕁麻疹の症状

【回答2】蕁麻疹が他人にうつることはありません
蕁麻疹が出ている場所に感染性の病原体(細菌やウイルスなど)はいない
肥満細胞(マスト細胞)が分泌した「ヒスタミン」が蕁麻疹を引き起こす
掻いた部位にも蕁麻疹が出るのは、感染ではなく、擦った刺激によるもの
蕁麻疹はうつらない
蕁麻疹は感染症ではありませんので、細菌やウイルスのように接触によって他の場所に広がったり、他人にうつったりすることはありません
かゆみをともなうため、引っ掻いたあとに「みみず腫れ」のような状態になることがあります。この場合は、蕁麻疹が掻いたことによって、他の部位にうつってしまったのではないかと思いがちです。しかし、これは、擦るといった機械的刺激によって引き起こされたものです。
蕁麻疹が出ている時期は、体全体の過敏性が高まっていますので、次々と新しいものが増えて全身に拡大することがあります。また、はじめは小さな蕁麻疹も、ひとつひとつがくっついて形を変えたり、手のひら大のサイズに広がったりすることもあるのです。
なお、蕁麻疹の中には、細菌やウイルスの感染がきっかけとなってあらわれるもの(感染性蕁麻疹)があります。発熱、咳や喉の痛みなど、風邪のような症状をともなうことが特徴です。この場合でも、蕁麻疹の赤い発疹のところに細菌やウイルスがいるわけではないので、触っても他人に感染することはありません。

監修者の写真赤須医院院長 赤須玲子 先生
(引用:『よくある疑問(3)蕁麻疹ってうつるの?』

蕁麻疹が出るしくみ
蕁麻疹の症状が出る理由は、何らかの原因で皮膚の下にいる肥満細胞(マスト細胞)が刺激を受け、ヒスタミンなどを放出するからです。ヒスタミンには毛細血管の壁をゆるめて、血管内から必要な細胞を呼び寄せるという働きがあります。血管の壁がゆるむと、細胞とともに血漿(体液の一種)が染み出てきて、皮膚の内側に溜まっていき、盛り上がってきて蕁麻疹になります。

監修者の写真桑園オリーブ皮膚科クリニック院長 米田明弘 先生
(引用:『この蕁麻疹はストレスが原因?蕁麻疹の症状と治し方』

 

【質問3】蕁麻疹が出たらどうしたらいい?

蕁麻疹をつい掻いてしまう男性

【回答3】冷やすなどしてかゆみを緩和し、なるべく掻かないようにして心身を休める
掻くと蕁麻疹が広がってしまったり、引っ掻いた傷が残ってしまったりする
患部を冷やしてかゆみを緩和する(※寒冷蕁麻疹の場合はNG)
血行を促進すること(アルコールや刺激物、運動など)や締め付けの強い服を避ける

蕁麻疹が出ているときには、以下のようなことに注意しましょう。

できるだけ掻かない
掻きむしると傷が残ったり、蕁麻疹が広がったりすることがあります
冷やすことでかゆみを緩和
氷水で絞ったタオルをあてたり、水シャワーを当てたりすることで、かゆみが軽くなります
寒冷蕁麻疹の場合は冷やすと逆効果なので注意

※詳しくは『寒冷蕁麻疹の症状と原因、治療について』をご覧ください

アルコールや刺激物を控える
蕁麻疹が出ているときにアルコールを摂取すると、血行が促進されてかゆみが強くなることがあります
からいものなど刺激物の摂取、運動(汗が蕁麻疹を誘発させることがある)も控えましょう
皮膚になるべく刺激を与えない
身体を締め付けるような下着や洋服などが、皮膚を刺激して蕁麻疹を引き起こすことがあります
心身を休める
蕁麻疹は強いストレスで起こることもあります
蕁麻疹が治まるまで、心と身体をゆっくり休めましょう

(引用:『特発性蕁麻疹(急性・慢性蕁麻疹)の症状と原因、治療について』

多くの蕁麻疹は30分~1日以内に消えてしまいます。消えるまでの辛抱ですので、上記のような工夫をして掻かないようにしましょう。薬局やドラッグストアで売っているかゆみ止めの薬(抗ヒスタミン薬が入った内服薬や軟膏)を使ってもいいでしょう。薬剤師や登録販売者に相談してみてください。

 

【質問4】蕁麻疹は病院で治療を受けるべき?

病院で治療を受ける男性

【回答4】全身に強い蕁麻疹が起きた場合はすぐに病院へ。なるべく早く治療を始めよう
嘔吐、下痢、腹痛、頭痛、動悸、呼吸困難、けいれん、意識消失などが起こった場合は119番(救急車)
なるべく早く皮膚科で診てもらい、抗ヒスタミン薬などによる治療を始めよう
本当に蕁麻疹か、どんな種類か、原因は何が考えられるか、などは病院に行かないと分からない
重症ならすぐに病院へ
もし、蕁麻疹に加えて吐き気や嘔吐、下痢、腹痛、頭痛、動悸、呼吸困難、けいれん、意識消失などが起こった場合は、アナフィラキシーという命の危険が迫った状態である可能性があります。すぐに救急車(119番)を呼びましょう。あらかじめ医師からアドレナリンの自己注射薬(エピペン)や気管支拡張薬が処方されているようなら躊躇せず使ってください。

監修者の写真桑園オリーブ皮膚科クリニック院長 米田明弘 先生
(引用:『この蕁麻疹はストレスが原因?蕁麻疹の症状と治し方』

蕁麻疹の治療は基本的に「原因・悪化因子の除去・回避」と「抗ヒスタミン薬を中心とした薬物療法」を組み合わせて行います[1]。

蕁麻疹の治療
蕁麻疹の原因が分かっている場合は、それをしないことで症状が出ることを防げます。例えば、特定の食品で蕁麻疹が出るなら、その食品を避けるという方法があります。
一方、明確な原因が分かっていない場合は除去や回避ができないので、薬を飲んで症状が出るのを抑えることになります。よく使われるのが抗ヒスタミン薬という薬剤です。抗ヒスタミン薬は肥満細胞からヒスタミンが放出されても、その作用を弱めることができます。

監修者の写真桑園オリーブ皮膚科クリニック院長 米田明弘 先生
(引用:『この蕁麻疹はストレスが原因?蕁麻疹の症状と治し方』

蕁麻疹は特発性(原因不明)、刺激誘発型など、その特徴から大きく10種類くらいに分けられています。どの種類の蕁麻疹で、原因としては何が考えられるかということは、病院(皮膚科)で診てもらわないと分かりません。蕁麻疹と思っていたら、実は別の病気だったということもあり得ますので、自己判断せず、なるべく早く受診するようにしましょう。

 

【質問5】蕁麻疹にはどのような種類があるの?

蕁麻疹の原因を考える女性

【回答5】蕁麻疹は多くの種類に分けられている。一番多いのは原因が不明の「特発性蕁麻疹」
蕁麻疹は大きく特発性の蕁麻疹、刺激誘発型の蕁麻疹に分けられる
原因がこれといって判明しない特発性の蕁麻疹が全体の7~8割を占める
物理的刺激による蕁麻疹は1割程度、汗やアレルゲンによる蕁麻疹は1割に満たない

日本皮膚科学会の蕁麻疹診療ガイドラインによると、蕁麻疹は以下のように9つに分類されています[1]。

特発性の蕁麻疹(原因不明)

  • 急性蕁麻疹(発症してから1か月以内)
  • 慢性蕁麻疹(発症してから1か月以上)

刺激誘発型の蕁麻疹(特定の刺激で起こる)

  • アレルギー性の蕁麻疹(食品、薬品、植物などのアレルゲンが原因で起こる)
  • 食物依存性運動誘発アナフィラキシー(小麦やエビなど、特定の食品を食べてから運動すると起こる)
  • 非アレルギー性の蕁麻疹(ヒスタミンを多く含む食品などによる、アレルギー機序を介さないもの)
  • アスピリン蕁麻疹(NSAIDsなどの薬品、化学物質によるもの)
  • 物理性蕁麻疹(圧力や温度など物理的な刺激によるもの、下記参照)
  • コリン性蕁麻疹(入浴、運動、緊張などで汗が出たことによるもの)
  • 接触蕁麻疹(原因物質に触れたことにより起こる)

物理性蕁麻疹の種類

物理性蕁麻疹はさらに下記の7つに分けられます。

  • 機械性蕁麻疹(皮膚表面を擦ることで起こる)
  • 寒冷蕁麻疹(皮膚が冷えたときに起こる)
  • 日光蕁麻疹(日光に当たった部分に起こる)
  • 温熱蕁麻疹(皮膚が温まったときに起こる)
  • 遅延性圧蕁麻疹(皮膚の強い圧迫による、症状が数時間~2日程度つづく)
  • 水蕁麻疹(水に触れた部分にブツブツができる)
  • 振動蕁麻疹(振動によって起こる)

◆それぞれの種類について詳しくは「蕁麻疹を誘発するのはどんなもの?」をご覧ください。

最も多い蕁麻疹のタイプは?
このように蕁麻疹の種類は多岐にわたりますが、一番多いのは何でしょうか。実は、原因がこれといって判明しない「特発性」の蕁麻疹が最も多く、全体の7~8割を占めます。次の多いのが物理的刺激による蕁麻疹(1割)で、汗やアレルゲンによる蕁麻疹は全体の1割に満たないような状況です。また、約4割の患者は複数の原因によって蕁麻疹が起こっていたと報告されています[2]。

監修者の写真桑園オリーブ皮膚科クリニック院長 米田明弘 先生
(引用:『この蕁麻疹はストレスが原因?蕁麻疹の症状と治し方』

 

【質問6】蕁麻疹の原因を突き止める方法は?

医師に蕁麻疹が出たときの状況を正確に伝える

【回答6】医師に蕁麻疹が出たときの状況を正確に伝えることが最も重要
アレルギー検査をすれば分かる、というものではない。あてもなく検査をすることは推奨されていない
蕁麻疹の写真、どのような状態のときに出やすいかのメモなどを準備して受診するとよい
疑わしい食品や薬品、刺激などがあるようなら、それに合わせた検査を行う
蕁麻疹の原因
蕁麻疹はどうして起こるのでしょうか。下記に代表的な蕁麻疹の原因(関与する因子)を挙げます[1]。一つだけでなく複数が絡んで発症する場合もあります。
  • アレルゲン(アレルギーを引き起こす食品や物質など)
  • 物理的刺激(圧迫、寒冷、日光、温熱、振動、水との接触など)
  • 発汗(入浴、運動、精神的緊張など)
  • 食物(ヒスタミン、食品添加物など)
  • 薬剤(造影剤、NSAIDs、防腐剤など)
  • 運動
  • 感染
  • 疲労
  • ストレス
  • 持病(膠原病、血液の病気など)

監修者の写真桑園オリーブ皮膚科クリニック院長 米田明弘 先生
(引用:『この蕁麻疹はストレスが原因?蕁麻疹の症状と治し方』

蕁麻疹の7割以上は特発性蕁麻疹といって、特に原因がなく起こるもの。アレルギーによる蕁麻疹は数%なのです。そのため、蕁麻疹が起きたからと言ってすぐにアレルギー検査をお願いするのは間違い。まずは問診で、どのような状況でどんな形の蕁麻疹がどこに出るか、医師にきちんと伝えることが大切です。

そのためには、蕁麻疹が出た日時を控えておく、蕁麻疹の様子を写真に撮っておく、どのような状態のときに蕁麻疹が出やすいか心あたりがある場合はメモをしていくなど、医師に状況を正確に伝えられるよう準備をしていくとベターです。

 

【質問7】原因不明(特発性)の蕁麻疹はストレスが原因?

ストレスがたまった男性

【回答7】「蕁麻疹=ストレス」ではない。原因が分からなくても症状を抑えることはできる
蕁麻疹の原因はストレス以外にも多数あるので、単純に「蕁麻疹はストレスのせい」と考えるのは早計
もし原因がはっきり分からなくても、抗ヒスタミン薬の内服などで症状を抑えることができる
瞑想やストレッチ、質のよい睡眠、趣味、相談相手をつくるなどしてストレス解消を図る

特発性の蕁麻疹では、これといった誘因がない(原因不明)のに症状が出ます。毎日、特に夕方~夜にかけて、繰り返し蕁麻疹が起こる人が多いといわれています。多くの人は発症してから1か月以内におさまる急性蕁麻疹ですが、1か月以上経ってもおさまらない慢性蕁麻疹に悩む方もいらっしゃいます。

「ストレス=蕁麻疹」ではない
仕事に追われて肉体的なストレス(疲れ)が溜まったり、人間関係に悩んで精神的なストレスを感じたりしたときに、肌にかゆくて赤いブツブツができると「ストレスで蕁麻疹が起こった」と考える人が多いのではないでしょうか。
かゆい蕁麻疹を治すには、原因となるストレスを解消しないといけないと思うのは自然なことです。しかし、ストレスを引き起こす原因そのもの(仕事や人間関係など)をすぐに解消するのは難しいかもしれません。けれど安心してください。蕁麻疹そのものについては原因を解消しなくても治療をすることができます。また、蕁麻疹が起こる原因はストレス以外にも多数ありますので、すぐに「ストレス=蕁麻疹」と考えるのは早計です。
ストレスによって蕁麻疹ができるメカニズムは現時点では判明しておりません。また、ストレスを自分で自覚していない場合もありますが、ストレスのあらわれとして以下のケースがあげられます。
  • 夜眠れない
  • 体の疲れを感じている
  • 食欲がない
  • イライラする
  • からだの他の部分の不調をともなっている

監修者の写真赤須医院院長 赤須玲子 先生
(引用:『よくある疑問(4)ストレスでなんで蕁麻疹がでるの?』

ストレスの解消をはかる方法の例として、以下のようなものがあります。

リラックスをはかる
心や体の緊張をゆるめてリラックスをはかる
ヨガや瞑想、呼吸法(腹式呼吸)など
適度に身体を動かす
無理なく楽しめる程度の強度で運動をする
ストレッチをして筋肉をゆっくりと伸ばす
十分で質のよい睡眠
気持ちよく目覚められ、日中に眠くなることがないのが良い睡眠
昼寝をするなら日中に15分程度とする
趣味を持ち楽しむ
自分が好きで打ち込めることをする時間を持ち、人間関係や視野を広げる
楽しむことで生じる「笑い」もストレス解消に役立つ
話をしたり相談をしたりする
ひとりで溜め込まず、悩みや不安などを相談することは心の健康において有用
話すことで頭の中が整理されたり、相手に助言をもらえたりすることがある
心療内科を受診する/カウンセリングを受ける
ストレスがなかなか解消できない場合は、専門家のサポートを受ける
ストレスによる蕁麻疹の治療
「ストレスによる蕁麻疹」の治療は、一般的な抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤が効きにくい場合、抗不安薬を併用することがあります。

監修者の写真赤須医院院長 赤須玲子 先生
(引用:『よくある疑問(4)ストレスでなんで蕁麻疹がでるの?』

 

【質問8】蕁麻疹を誘発するのはどんなもの?

蕁麻疹を誘発しやすい食品

【回答8】刺激誘発型の蕁麻疹には多くの原因がある。原因・悪化因子が分かったら除去・回避する
食べ物によるアレルギー性の蕁麻疹が有名だが、その他にも原因はたくさんある
圧力や温度など物理的な刺激や発汗、薬品や化学物質による蕁麻疹がある
これらの原因が分かれば、医師と相談しながらできる範囲で除去・回避する

蕁麻疹の種類それぞれについて、よくある原因・悪化因子をご紹介します。実際に何が悪さをしているのかは、皮膚科を受診して見つけていく必要がありますが、参考までにご覧ください。

アレルギー性の蕁麻疹

食物アレルギーではほとんどの症例で蕁麻疹などの症状が起こると言われており、特定の食べ物が蕁麻疹を引き起こしやすいことは一般によく知られています。食物アレルギーの原因物質で多いのは下記です[3]。

  • 鶏卵
  • 牛乳
  • 小麦
  • そば
  • 魚類・甲殻類
  • 果物類
  • ピーナッツ など

食品の他にも、薬品(抗菌薬、造影剤など)、植物(天然ゴムなど)がアレルゲンとなってアレルギー性の蕁麻疹を引き起こすことがあります。特定のものを飲んだ・触れた後に蕁麻疹が起こるようなら、それが原因となっている可能性があるので、医師に伝えるようにしましょう。

食物依存性運動誘発アナフィラキシー

小麦やエビ、果物など、特定の食べ物を摂ってから2~3時間以内に運動すると、蕁麻疹が出て、気分が悪くなり、呼吸困難などアナフィラキシー症状を示すことがあります。食後にアスピリンをはじめとした非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDs)を飲んで、運動していないのに引き起こされることがあります。

非アレルギー性の蕁麻疹

豚肉やサバ、タケノコなどは、保存状態によってヒスタミンが多く含まれてしまうことがあり、それを食べて蕁麻疹が起こることがあります。また、画像検査を行う際に使用する造影剤によっても起こることがあります。普通のアレルギー性蕁麻疹はアレルギー反応として体内でつくられたヒスタミンによって引き起こされますが、この場合は体外から取り込んだもので起きているので「非アレルギー性」と分類されています。

アスピリン蕁麻疹

アスピリンをはじめとした非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDs)、サリチル酸を多く含む食品、色素や防腐剤に含まれるサリチル酸化合物によって蕁麻疹が誘発されることがあります。これはアレルギー反応によって引き起こされているのではないので、非アレルギー性の蕁麻疹の一種といえます。

アスピリン蕁麻疹の原因物質
  • 薬品:解熱鎮痛剤など非ステロイド系の消炎鎮痛薬(NSAIDs)
  • サリチル酸を多く含む食品:キュウリ、トマト、リンゴ、ブドウ、モモ、イチゴなど
  • 人工着色料:タートラジン(食用黄色4号)などのタール系アゾ色素
  • 防腐剤:安息香酸ナトリウム、パラベン類など

監修者の写真赤須医院院長 赤須玲子 先生
(引用:『よくある疑問(1)蕁麻疹って完治するの?』

物理性蕁麻疹

皮膚に物理的な刺激が加わることをきっかけとして起こる蕁麻疹です。下記のようなことに心当たりがあれば、受診した際に医師に伝えると診察がスムーズになります。

機械性蕁麻疹
皮膚をひっかくなどして、皮膚表面に擦る力が加わることで起こる
寒冷蕁麻疹
温かい室内から寒い屋外に出たなど、皮膚が冷えたときに起こる
冷えた部分だけに起こる場合と、全身にブツブツが出る場合がある
日光蕁麻疹
服で覆われていない日光に当たった部分にだけできる
温熱蕁麻疹
お風呂に入ったときや運動後など、皮膚が温まったときに起こる
遅延性圧蕁麻疹
皮膚の強い圧迫によって起こる
症状が他の蕁麻疹と比べて長く(数時間~2日程度)つづく
水蕁麻疹
水に触れることによって起こる
振動蕁麻疹
マッサージ機などの振動によって起こる

コリン性蕁麻疹

入浴、運動、緊張などによって出た汗が原因で起こる蕁麻疹です。胸や上背部に細かいブツブツがたくさんあらわれるのが特徴です。症状の重さによって、汗をかかないように注意が必要な場合、あまり気にしなくてもよい場合、むしろ積極的に汗をかくようにした方がいい場合などがありますので、医師の指示に従ってください。

接触蕁麻疹

特定の物質に皮膚が触れたことをきっかけに蕁麻疹が起こります。触った場所と一致して蕁麻疹が出るので、原因に思い当たりやすいかもしれません。天然ゴム(ラテックス)や昆虫が出した毒素、職場で使用している溶剤などが原因になることがあります。

 

【質問9】蕁麻疹と内臓の病気には関係がある?

蕁麻疹に悩んで調べる女性

【回答9】蕁麻疹が出たからといって、内臓の病気を心配する必要はありません
蕁麻疹が内臓の病気のサインになっているケースは少ない
まれに、感染症や膠原病が関係していると考えられる蕁麻疹が起こることがある
自覚症状もないのに、やみくもに検査をおこなうことは賢明とはいえない

蕁麻疹が長引くと、何かの内臓の病気になってしまっているのではないかと心配する方がいらっしゃいます。確かにピロリ菌やアニサキス、肝炎ウイルスなどの病原体の感染や、膠原病や甲状腺の病気と蕁麻疹とが関係しているという報告がありますが、まだその関連性は十分に解明されていません。蕁麻疹の他にこれといった症状がないのなら、気にしすぎる必要はありません。

蕁麻疹と関係があるとされる病気
ウイルス感染にともなう蕁麻疹はそう多いものではありませんが、はじめは風邪のような症状からはじまり、2週間ほどして蕁麻疹があらわれるケースが多いです。ウイルスの種類としては、EBウイルスやサイトメガロウイルス、肝炎ウイルスが知られています。また、胃粘膜に感染するピロリ菌が、慢性蕁麻疹の原因になっているという報告もあります。こういう場合は、ピロリ菌の除菌によって蕁麻疹が改善する可能性があります。
蕁麻疹が膠原病と関係あるという報告があります。膠原病というのは、自分の細胞に対して、からだが敵とみなして攻撃してしまう病気で、全身性エリテマトーデスや関節リウマチ、シェーグレン症候群が知られています。これらの膠原病にみられる蕁麻疹には特徴があり、「蕁麻疹様血管炎」と呼ばれています。皮膚の毛細血管が破壊されるので、いったん出ると24時間以上持続し、治った後に色素沈着を残します。
また、慢性蕁麻疹の患者さんの中には、甲状腺の病気を持っていたり、甲状腺に対する自己抗体を持っていたりする人がいるといわれています。甲状腺治療薬を投与することにより、蕁麻疹が改善する場合があることから、蕁麻疹と甲状腺との間に何らかの関係があると考えられています。

監修者の写真赤須医院院長 赤須玲子 先生
(引用:『よくある疑問(5)蕁麻疹と内臓の病気の関係とは』

 

【質問10】蕁麻疹は完治しますか?

完治して安心して暮らす女性

【回答10】特発性の慢性蕁麻疹の場合は長期化することもあるが、9割は1年以内に治っている
蕁麻疹のほとんどは1か月以内におさまる急性蕁麻疹である
慢性蕁麻疹ははっきりした原因がわからないケースが多く、治療が長期化する傾向がある
発症してから1週間以内に皮膚科で治療を始めた場合は、9割は1年以内に治っている
蕁麻疹が治るまでの期間
蕁麻疹の治療を始めて、治るまでにはどのくらいかかるでしょうか。ある研究によると、特発性(原因不明)の蕁麻疹患者が発症してから1週間以内に皮膚科で治療を始めた場合、1週間以内に治る人は約7割、1か月以内に治る人は約8割、1年以内に治る人は9割以上という結果でした[4]。早く治療を開始すれば、すぐに効果が実感できる人が多いので、蕁麻疹が出たら我慢せず、なるべく早く皮膚科にかかることをおすすめします。

監修者の写真桑園オリーブ皮膚科クリニック院長 米田明弘 先生
(引用:『この蕁麻疹はストレスが原因?蕁麻疹の症状と治し方』

治療は根気よく
原因のはっきりしない蕁麻疹は、完治が難しいことが多いです。治療としては、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤といった対症療法が中心になり、病院で飲み薬を処方されます。薬は、決められた時間に、毎日継続的に内服するのが基本です。たとえ蕁麻疹が出ない日でも、きっちり飲むことが大切です。治療期間は年単位に及ぶこともありますが、根気よく治療することにより、完治できるケースもあります。
蕁麻疹の種類によっては、治療しなくても自然に消えてしまうものもあります。たとえば、運動や入浴によって汗をかいた後にみられる蕁麻疹であるコリン性蕁麻疹は10~20歳代に多く発症しますが、年齢がいくにしたがい発症頻度は少なくなり、30歳ころには完治するといわれています。

監修者の写真赤須医院院長 赤須玲子 先生
(引用:『よくある疑問(1)蕁麻疹って完治するの?』

参考文献

  1. [1]秀道広ほか. 蕁麻疹診療ガイドライン. 日皮会誌 2011; 121(7): 1339-1388
  2. https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/1372913324_1.pdf
  3. [2]田中稔彦ほか. 広島大学皮膚科外来での蕁麻疹の病型別患者数. アレルギー 2006; 55(2): 134-139
  4. [3]AMED研究班による食物アレルギーの診療の手引き2017
  5. https://www.foodallergy.jp/wp-content/themes/foodallergy/pdf/manual2017.pdf
  6. [4]田中稔彦ほか. 特発性の蕁麻疹の初期治療と病悩期間に関する解析. アレルギー 2015; 64(9): 1261-1268

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