スキンケア大学 メンズスキンケア大学

注目の革新技術!京都発・コスメディ製薬の「マイクロニードル」とは?

更新日:2019/11/06

ごく微細な突起が敷き詰められたパッチを肌に貼り、美容成分を必要な部位まで浸透させるマイクロニードル。これまでにない画期的なこの技術は、京都の大学発ベンチャー企業であるコスメディ製薬によって開発されました。今回はコスメディ製薬・権博士に、マイクロニードルがどのように美容に役立つのか、分かりやすくお話しいただきました。

半導体の加工技術から生まれたマイクロニードル

cosmedy01

コスメディ製薬株式会社
取締役・薬学博士 権 英淑 さん

まずは、マイクロニードル技術がどのようにして誕生したか、その背景について教えてください。

権:

マイクロニードル技術とは、薬剤や美容成分をごく微細な針状に結晶化し、皮膚に貼って(肌の水分で)針を溶かして浸透させるパッチ型の経皮吸収製剤です。

誕生は2008年。当初はそのしくみを理解していただくのに苦労しましたが、11年を経過した今ではそのユニークさや浸透性で評価され、大きく成長する段階に来たと捉えています。そこで今回は、マイクロニードルの歴史や仕組みについて説明したいと思います。

マイクロニードルの概念が生まれたのは80年代。アメリカで半導体の加工技術からミクロサイズのニードルを作り出す技術が誕生したことにさかのぼります。その後、そのニードルを経皮吸収に応用する研究が始まりました。

しかし当時使っていた金属針やプラスチック針は、折れた針の一部が肌のなかに残ってしまう懸念も。私たちは経皮吸収の専門家として「皮膚のなかで溶ける素材でニードルを作れば、折れても安全なのでは」と考え、世界に先駆けて実用化に成功しました。

美容分野に役立てるための製品開発

cosmedy02

マイクロニードル技術は、いかにして美容分野に広まっていったのでしょうか。

権:

私たちは当初マイクロニードル技術を「注射針の代わりに貼って使う医療用製剤」として開発していました。しかし安全性を考慮してニードルの原料にヒアルロン酸やコラーゲンなどの「皮膚にうれしい成分」を選んだことから、先に美容業界での応用が始まりました。

美容医療では、気になる部分にヒアルロン酸などを注入する注射療法、肌にごく微小な穴を開けて有効成分を浸透させる「ダーマローラー」などの治療法があります。しかしマイクロニードル技術を使えば、気になる部位に貼るだけでケアできます。

人間の肌には弾力があり、上から尖ったものを刺してもなかなか入りません。そこで私たちはニードルを富士山のような円錐型にし、後ろを押さえたときに先端だけが皮ふに挿入されるように設計しました。

ニードルの長さはどれくらいが適正か、浸透性試験も行っています。もちろん長ければ長いほど浸透しますが、角質層をターゲットとする製品の場合、200ミクロンあれば角質層の底にアプローチできることがわかりました。

また、大学附属病院と連携して、痛みに関する検証も実施。800ミクロンとやや長めのニードルでも、注射針よりずっと痛みが少ないとの声をいただきました。

シワやシミ・育毛へのマイクロニードルの活用

cosmedy03

実用化されたマイクロニードルは、美容におけるどんな悩みに役立つのでしょうか。

権:

まずはシワです。年齢を重ねると目元や口元・首元のシワ、ほうれい線などが気になり始めます。マイクロニードルのパッチを貼ると、ヒアルロン酸が皮膚のなかで水分を吸収し、体積が大きくなります。

ふくらんで肌を持ち上げることで、目視でもシワが目立たなくなることがはっきりわかりました。さらに週に2回・6週間使用した臨床研究では、真皮の密度が増大し、肌がどんどんプリプリになることも確認できました。

次にシミです。シミのセルフケアで難しいのは、シミには老人性色素斑から肝斑、ニキビ跡、炎症後色素斑…など種類が多く、自分のシミがどの種類なのか判別が難しいことです。また、すでにできたシミをなんとかするには、ターンオーバーを促すことも大切です。

そこでシミケア用のマイクロニードルパッチには、ターンオーバーを促すプラセンタエキスを中心に配合。メラニンの生成を抑制する成分や、さまざまなシミの原因にアプローチする複数の成分を組み合わせて一括注入するのがよいのではと考えました。

シミに対する臨床研究は、皮膚の代謝に合わせて2か月間実施。使用した部位は肌が明るくなり、シミが薄くなったことが確認されました。

最後に育毛ケアです。頭皮の場合、もともと生えている毛髪が邪魔をしてニードルが角質に入っていかないという課題がありました。そこでアプリケーターを使ってパッチを吸い上げてから、頭皮に押し付ける方法を選択。さらに健やかな髪を育てる海藻エキスなどの成分を配合した育毛トニックを併用することで、高い育毛効果が狙えるように工夫しています。

さまざまな賞を受賞し、医療分野への貢献も視野に

cosmedy04

最後に、権博士より今後の抱負が語られました。

権:

マイクロニードル技術は美容分野においてイノベーションを起こしたと認められ、さまざまな賞を受賞しました。このことは、私たち研究開発チームの励みとなりました。

  • グッドデザイン賞(2015年)
  • 第27回 中小企業優秀技術・新製品賞(2015年)
  • 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)長官賞(2016年)
  • 第10回 日本バイオベンチャー大賞フジサンケイビジネスアイ賞(2017年)
  • はばたく中小企業・小規模事業者300社(経済産業省中小企業庁)に選出(2018年)

美容方面での実用化はかなり進みましたが、私たちのゴールはやはり医療分野での貢献だと考えています。マイクロニードル技術を活用すれば、注射を嫌がるお子さんへの治療がもっとスムーズに。また、ワクチンをパッチ製剤化することで、インフルエンザなど感染症の流行に備えることもできるでしょう。

現在も大阪大学や京都薬科大学と連携しながら、マイクロニードル技術を応用した医薬品の共同開発を行っています。ぜひ今後とも、ご支援をいただきますようお願いいたします。

ブランド情報

京都薬科大学における経皮吸収についての基礎研究において培った技術をもとに経皮吸収型医薬品、化粧品及び粘着テープ並びに研究用装置を開発する製薬メーカー。大手化粧品メーカーなどからOEM製造を受託すると共に、マイクロニードル技術を応用したオリジナルブランドの化粧品を販売。

https://cosmed-pharm.co.jp/innovation/

振り返りやまとめ読みに便利。クリップで記事を保存!

クリップ機能を使用するには、会員登録(無料)が必要になります。

会員サービスで利用できる便利な機能

無料登録してこの記事をクリップ

登録済みの方はログイン

あなたのページを今すぐチェック

マイページ

Facebook

いいね!して気になる情報をチェック!

公式ツイート

カテゴリー