炭水化物は太るのか?
この記事の監修者
管理栄養士北川みゆき
炭水化物を含む食べ物は、みなさんが普段口にする食べ物の中に多くあります。例えば、日本人の主食であるお米、その他にもパンやうどん、パスタなどです。
炭水化物は「炭水化物・脂質・たんぱく質」の三大栄養素とよばれる中にも含まれます。そして、エネルギー源になり、疲労を回復させる作用があります。しかし、摂り過ぎにより太りやすくなるといわれています。その理由とは一体、どのようなものなのでしょうか?今回は、炭水化物が太るといわれる根拠やメカニズムについてご紹介します。
炭水化物を摂るとなぜ太る?
炭水化物(糖質)が体の中に入ると唾液中のアミラーゼと膵臓から分泌されるアミラーゼという消化酵素、小腸ではマルターゼという消化酵素によって消化され、ブドウ糖にまで分解されたあと、小腸で吸収され肝臓へ運ばれます。吸収されたブドウ糖は血液によって全身へと運ばれ、エネルギー源として利用されるのですが、その際にインスリンという、すい臓から出るホルモンが関与しています。インスリンは、血液中の糖分が増えると、その値に比例して分泌量が増え、必要なエネルギーが筋肉などで消費されるための橋渡し役を担っています。
しかし、消費しきれなかった分のエネルギーは肝臓で脂肪やグリコーゲンへと変換され、保存されるのです。この脂肪が長期保存されることにより、肥満へとつながることがわかっています。
また、糖質を摂ることによって急激に血糖が上がると、インスリンが大量に分泌され、血糖を下げようとする力が働きます。血糖が急激に下がると、再び空腹感が増し、食べ物を食べてしまうことの繰り返しが肥満へとつながります。
炭水化物は「悪」なの?
日本人は日常的に炭水化物と接する機会が非常に多く、現代社会の食生活においても、糖質は摂り過ぎだといわれている栄養素なのです。しかし、炭水化物は人間の体を維持するためのエネルギー源でもあり、脳や神経が正常な機能を保つためにも炭水化物が分解されたグルコースが必要ですので、炭水化物自体が何かの悪さをするというわけではありません。あくまでも、必要以上に摂りすぎてしまうことによって、処理をしきれない糖質が脂肪へと変換されるだけなので、その摂取方法について工夫をする必要があるといえるでしょう。