梅干しの免疫力を高める栄養とは?
この記事の監修者
管理栄養士北川みゆき
梅干しの元となる梅には、健康維持に大切な栄養が豊富に含まれており、古くから民間薬としても利用されてきました。今回は、梅の栄養とその効果に注目し、ご紹介したいと思います。
免疫とは?
私たち人間の身体には、細菌やウイルス、がん細胞などの病原体から身体を守る「免疫細胞」というものが存在しています。
これらの免疫細胞が正常に作用することによって健康を維持するのですが、ストレスや疲労の蓄積など、何らかの原因で抵抗力が弱まれば、たちまち防御システムが崩れて免疫力が落ち、病気や不調が起こりやすくなります。
免疫力アップにクエン酸
ストレスや疲労が溜まったままだと、エネルギー代謝の効率が悪くなり、疲労物質の乳酸が身体の中に蓄積されます。このような疲労状態が続いてしまえば、さらなる悪循環が生じてしまいます。
梅干しに含まれているクエン酸には、疲労物質を燃焼させるだけでなく、身体を弱アルカリ性に保つことによって血液の循環を促し、さまざまな臓器の働きを正常にしてくれます。自然治癒力を高めて、病気に対する抵抗力をつけるためにもクエン酸を適度に摂るようにしましょう。
梅干しの効果とは
■食欲を増進させる
梅干しには、クエン酸やリンゴ酸などのさまざまな有機酸が含まれており、唾液や胃酸の分泌を促すため、食欲のない方にオススメです。また、クエン酸には胃腸の調子を整える作用も期待できます
■疲労を回復させる
中でもクエン酸には、疲労の原因物質である乳酸の働きを抑え、代謝を活発にする働きも。疲れやすい方は梅干しを取り入れることをオススメします。
■胃潰瘍や胃がんの予防
梅リグナンという成分には、胃潰瘍や胃がんの原因であるヘリコバクター・ピロリ菌の働きを抑える効果が研究の結果、明らかになっています。
ただし、健康増進への期待も高まる梅干しですが、塩分の摂り過ぎには注意が必要です。適度な量を上手に取り入れていくことをオススメします。