女性に多い貧血、その原因とは
この記事の監修者
管理栄養士・料理家磯村優貴恵 先生
貧血は、女性に起こりやすい病気のひとつですが、症状がすぐに改善することもあるため、あまり気にしていないという方も少なくありません。
しかし、貧血を放置することで症状が進み、他の病気を伴ってしまう場合もありますので、貧血の症状とその原因について理解を深めていただければと思います。
貧血の症状とは?
貧血の代表的な症状としては、立ちくらみやめまい、倦怠感、疲れやすさが挙げられますが、他にも動悸、息切れ、頭痛などがあります。顔が青白くなるなど、見た目でもすぐに分かることも多いのですが、貧血の状態が徐々に進み、自覚症状がみられない場合もあるので注意が必要です。
貧血の原因
■通常の代謝による損失
赤血球は毎日少しずつ、古くなった赤血球と新しい赤血球が入れ替わることによって、1日約1mgの鉄が失われていきます。また、発汗によっても鉄分が失われやすくなります。
■月経
女性の場合、月経による出血が原因で個人差はありますが、1日あたり0.5~1.0mgの鉄が失われていきます。
■妊娠、出産
妊娠中や授乳期は赤ちゃんの成長に必要な鉄分の供給や母乳とともに鉄分が失われ、出産の際にも多くの血液が失われるため、鉄不足が起こりやすくなります。
■極端なダイエット
食事量を極端に減らすなど、過度のダイエットを行うと、食べ物に含まれている鉄分の量が減るだけでなく、糖質や脂質なども減少するため、ヘモグロビンの材料になっているたんぱく質がエネルギー源として利用され、鉄不足による鉄欠乏性貧血が起こりやすくなります。
■病気
貧血は消化性潰瘍や胃の切除後、痔、肝硬変などが原因による出血によって起こることもあります。とくに女性の場合、子宮筋腫や子宮腺筋症の病気が原因で、月経時の出血が増加し、貧血を引き起こす可能性もあります。
貧血の予防は鉄分の多い食事から
数ある貧血の中でも約90%の割合を占めているのが鉄欠乏性貧血です。この鉄欠乏性貧血とは、体全体に酸素を運ぶヘモグロビンが減少することで酸素不足の状態が起きることが原因として挙げられます。ヘモグロビンはタンパク質と鉄分で構成されているため、鉄分が不足した状態だと鉄欠乏性貧血が引き起こされやすくなるのです。
鉄欠乏性貧血を予防するためにも、まずは鉄分の多い食事をしっかりと摂り、毎日失われる鉄分を補ってあげる必要があります。日頃から貧血に悩んでいる方は、鉄分を積極的に取り入れるよう、食生活を改善していきましょう。