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肌と内臓の関係 -肝臓・腸編-

更新日:2017/10/11 公開日:2013/02/20

この記事の監修ドクター

M'sクリニック南麻布 院長
伊藤まゆ先生

「本物の美しさは内側からつくる」とよく言いますが、この内側からというのは内臓の部分が大きく関わっています。しかし、内蔵とお肌がどのように関係しているのか?という、具体的な部分まで語られることは少ないと思います。複雑に関連している人間の体内全部のことは、とても長い話になるので、ここでは肝臓と腸の働きとお肌への影響についてお話ししたいと思います。

美肌と肝臓は関係が深い

栄養素の大部分は小腸で吸収され血管に入り、血液によって肝臓に運ばれます。そこで必要なものは体に取り込まれ、不要なものは排出されます。肝臓は約1.3Kgもあり、沈黙の臓器と言われるほど、不調は重症化するまで症状として現れにくいことで有名です。

私たちは食事や呼吸をすることで、少なからず有害物質や添加物などの不要物が体内に入り込みます。肝臓はこれらを代謝・分解をして無害化する働きを持っているのです。ただ肝臓で分解しきれないものは、さらに血流に乗り腎臓で仕分けし、できるだけ再利用しています。また最終的な不要物は、お通じとして体外に排出します。普段から解毒のために黙々と働いている肝臓ですから、添加物の多い食品などを食べ続けたりアルコールを摂りすぎると、肝臓はそれを分解するために過剰に働かなければならなくなるのです。

黙々と働く肝臓は、負担を強いられても頑張って働き続けます。しかし、それにも限界があります。そうなると、ある日突然不調が現れることとなり、急性肝炎で入院……などということになってしまいます。肝臓の病気といえば、アルコールというイメージが強いのですが、実は最近、アルコール以外の生活習慣病が増えて問題になっています。 そのひとつが「脂肪肝」です。これは脂っこいものや、甘いものの食べすぎ、アルコールの飲みすぎで肝臓に中性脂肪が溜まってしまう状態。このような偏った食生活による脂肪肝が増えているのです。さらに運動不足やストレスなど現代人特有の要因も拍車をかけています。

しかし、肝臓の不調は症状としても現れにくいことがあります。初期の頃は健康診断で測定するγ-GTP・GOT・GPT等は、正常の範囲内ということが多いので、数値だけでは発見しにくいのです。実は正常範囲内の数値であっても、年々上昇してくる場合は要注意!過去のデータと比較して数値が上がっていないかチェックすることが大切です。もし、年々変化が見られたら、肝臓における細胞自己再生能力や修復作用が阻害されている可能性があります。

自己再生能力や修復作用が阻害され、肝臓の中で機能が低下する部分が増えていくのに、毎日食事をしたり生きているだけでも仕事は来る一方。そうなると肝臓としてはストライキの状態ともなり、ある日病気になってしまうということに繋がります。

また、病気にならないまでも肝臓の働きが悪く代謝しきれないと、血流に有害物質がまわってしまい、肌荒れの原因になることがあります。さらに血色が悪くなり透明肌とは程遠くなるので、美肌を目指す方にとって、内臓の問題は大いに気を配る必要があります。

また、肝臓は栄養の貯蔵庫でもあり、働きが悪いと摂った食べ物の栄養素が貯蔵できないため体に行き渡らず、これがお肌に必要なビタミンB不足などに繋がり、肌荒れを引き起こすことも。肌のためのサプリやお薬などは、肝臓の機能を助ける役割を果たすものが多く、そうした面からも肝臓がお肌と密接な関係であることがわかりますね。

このように、肝臓はとても大切な臓器なので、普段からいたわらなければいけません。そのために、バランスの取れた食事や、適度な運動が重要になってきます。最近は、添加物をできる限り控えた食品も増えていますから、身体に負担をかけない食品をきちんと選べるようにしましょう。肝臓によいと言われるビタミンB群なども意識し、食事やサプリメントから積極的に摂ることもオススメします。

どうして便秘になると肌荒れになるのか?

まずは、腸の働きをご説明します。消化管とは、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸の順になっています。胃で撹拌された食物は、小腸で栄養のほとんどを吸収し、大腸で水と一部のビタミンを吸収しています。栄養素を吸収する腸が不調になってくると、必要な栄養が全身に行き渡らず皮膚の健康が損なわれ肌が荒れてきます。ですから極端な便秘になると、体外に排泄しようとしていた毒物が腸内にとどまってしまい、本来の腸内環境を乱し善玉菌が減少、悪玉菌が繁殖します。悪玉菌の産生したガスなどは、血中に吸収され、また肝臓に負担をかけた結果、にきびや湿疹などの皮膚トラブルを引き起こす原因にもなるのです。

さらに小腸→大腸と繋がっていますが、下に行けば行くほど正常な腸内細菌の数は増えます。また、大腸の始まりから出口へと行く長い間に、水分は徐々に吸収されていきます。つまり、出口に近い部分の大腸にある便が長くとどまってしまうほど、さらに便からの水分吸収が多くなるので、硬く排出しにくい便いなってしまい便秘も助長されてしまうのです。
便秘が良くないと言いますが、便秘とは、何日も出ない、ということだけではありません。一般的に何らかの原因(食物繊維の不足、消化の良い食物ばかり食べる、運動不足、ストレス、水分を摂らないなど)で腸の動きが悪く不安定になり、腸に滞留したまま水分の少ない便となっている状態で、汚れた排水管をイメージして頂くと分かりやすいかと思いますが、劣悪な環境では、またそれに適応した悪玉菌というものが繁殖しやすくなります。

悪玉菌が繁殖すると、元々いた善玉菌で生態系を成している腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)を奪ってしまい居座ります。そうなると、皮膚が敏感になったり、免疫系への影響もあると言われ、アレルギー体質のきっかけとなってしまうとも言われています。

さらに悪玉菌は有害なガスを出し、血流にのり肝臓にいってしまいます。これは肝臓にまた負担をかけるのと同じことです。このような状態になるとニキビや肌荒れの原因となってしまいます。また肝臓に負担をかけるので肝臓に貯蔵されるべき栄養素が足りなくなる可能性もあります。

見過ごしていけないのは、胃がもたれている状態です。胃の調子が悪いと未消化の状態となり、その下部にある腸への負担、さらには肝臓の負荷となるので、胃の調子が悪い場合は早めに対処をしましょう。よくかんで時間をかけて食事をする、風邪気味の時は、消化のよい火を通した食事を選ぶなど工夫が大切です。

このように、数ある内臓の中で特に肝臓と腸はお肌と密接に繋がっています。バランスの良い食事を意識して健やかなお肌を育んでください。

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