顔にばかり汗が出る顔汗の原因とは

更新日:2016/12/09 公開日:2015/05/29

顔汗・顔面多汗症

気温が高い日に、体はそうでもないのに顔にばかり汗が出てしまうという人がいます。なぜ、そのようなことが起こるのでしょうか?ドクター監修のもと、顔にばかり汗をかいてしまう原因について解説します。

夏の暑い日は誰でも汗をかくものですが、中には顔にばかり汗をかいてしまうという人がいます。全身ではなく顔だけ汗がでるのには、どのような理由があるのでしょうか?また、健康上の問題はあるのでしょうか?顔汗の原因について詳しく解説します。

なぜ顔だけ?顔汗の原因とは

体が健康な状態であれば、汗は全身から出るのが普通です。顔にばかり汗をかいてしまうという場合、その原因として、まず「運動不足」の可能性が考えられます。

発汗のもっとも重要な役割は、体温調節です。体温が上昇し過ぎると脳細胞がダメージを受けるので、体は汗を出すことで熱を逃がしているのです。体温調節のための汗を分泌しているのは、「エクリン腺」という汗腺です。エクリン腺は、ほぼ全身に約300万個あり、分布密度は1平方センチメートルあたり130~600個とされています。

ただし、すべてのエクリン腺が汗を分泌しているのではなく、実際に活動している汗腺は、全体の半分程度といわれています。また、運動不足などで熱の発生が極端に少ない生活をしていると、汗を分泌する機会が少なくなることから、心臓から離れていて冷えやすい下半身や腕などの汗腺は休眠状態に入ってしまいます。すると、体温調節をする際は、動きの多い顔などの汗腺から出る汗が増えるのです。これが、顔ばかりに汗をかいてしまう原因です。

全身の汗とは違う?顔汗の特徴

顔汗が気になる理由のひとつに、ベタベタして気持ち悪いというものがあると思います。これは、顔汗は蒸発しにくいベタベタの汗であることが多いためです。

エクリン腺から出る汗は、体温を下げる働きがあるとお話しましたが、これは皮膚表面から蒸発する際に気化熱を奪うためです。そのため、本来エクリン腺から出る汗はサラサラしていて、すぐに蒸発するという特徴があります。

体温が上昇すると、汗腺はオーバーヒートを防ぐために、血液から赤血球、白血球、血小板を除いた「血漿(けっしょう)」という液体を汗として汲み出します。しかし、血漿には体に必要なミネラルも含まれているため、そのまま汗として出してしまうと体のミネラルが不足してしまいます。そこで、汗腺は汲み出した血漿から、体に必要なミネラルを再吸収して血液に戻し、水分とわずかな塩分だけを汗として分泌するのです。こうして、きちんと再吸収が行われた汗は、水のようなサラサラした汗になります。

しかし、汗をかく機会が少なく、汗腺の機能が衰えていると、再吸収がうまくできなくなります。その結果、ミネラルが汗に混じって分泌され、ベタベタして蒸発しくい汗になってしまうのです。顔にばかり汗をかく方が顔汗を気にするのには、このような理由もあると考えられます。

また、汗には体温調節とは別に、緊張したときなどに発汗を促す交感神経が刺激されることで出る「精神性発汗」もあります。この場合も、突発的に出ることから再吸収が間に合わず、ベタベタした汗になります。

極端な顔汗は病気の可能性も

暑いときや激しい運動をしたとき、緊張したとき、辛いものを食べたときに顔汗が出るのは、誰にでも起こる生理現象です。しかし、こういったタイミングとは関係なく、常に顔が汗で湿っていたり、緊張したときにしたたり落ちるほどの汗をかいたりする場合は、「顔面多汗症」という病気かもしれません。

顔面多汗症とは、必要以上に汗をかいてしまう「多汗症」の1つで、病的なまでに顔汗をかいてしまう病気です。はっきりした原因はまだ解明されていませんが、交感神経が活発になりすぎていることで起こると考えられています。病院へ行けば治療を受けられるので、日常生活に支障が出るほど顔汗が多い場合は、病院を受診してみるといいでしょう。

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