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アトピーに温泉は本当に効くの?効果と注意点

治癒にいたる絶対的な手法が確立されていないアトピーですが、実績のある治療のひとつに“温泉治療”が挙げられます。どのような温泉や成分がいいのか、その効果などを、ドクター監修の記事で解説します。
アトピーの治療で最もよく使われているのは、かゆみや炎症をすばやく抑えてくれるステロイド剤です。しかしステロイドは根本的にアトピー体質を改善するものではなく、あくまで一時的に症状を抑えるために使われる薬です。
そこで注目されている治療のひとつが“温泉治療”。その名の通り、温泉につかることで皮膚や体質を根本から変えていこうとする根本治療です。副作用も出にくいということで注目されています。その温泉治療について詳しく見てみましょう。
具体的にどんな温泉や成分がいいのか
皮膚の表面は弱酸性なので、酸性泉がおすすめです。アトピー性皮膚炎の症状を悪化させている原因のひとつに、皮膚表面にある黄色ブドウ球菌の増殖が上げられます。この最近の殺菌効果に優れているのも酸性泉なのです。ただし、その人その人によって、体調によって、環境によっては刺激の強い酸性泉が肌に合わない可能性も。「症状が悪化してしまった」というケースもあるので、様子を見ながら温泉治療をしましょう。
温泉は含まれる成分に基づいて11種類ほどに分類されます。その中からアトピー性皮膚炎の温泉治療に使われる8種類の泉質は、単純温泉、炭酸水素泉、塩化物泉、硫酸塩泉、含鉄泉、硫黄泉、酸性泉、放射能泉(ラドン泉・ラジウム泉)。すべて良いというわけではなく、実際に入ってみて、自身にあう温泉を探す必要がありますが、時間もお金もかかること。
最初は、肌がデリケートな人でも入浴しやすいと言われている“単純温泉”を試してみるのがいいでしょう。効能も幅広く、名湯と呼ばれる温泉は単純温泉が多いです。
温泉の“温度”にも気をつけましょう
温泉ならばなんでもいい、というわけではありません。特に症状が悪化している場合、お湯の温度が高いうえに肌に合わない成分が直接触れることで、刺激が強すぎて逆効果になることがあります。他にも、塩分濃度が極端に高い温泉は、皮膚の角質がはがれてしまう恐れもあるので避けたほうがいいでしょう。
おすすめなのは、お湯の温度がややぬるめであること。40度くらいまでが望ましい温度です。硫黄臭がきつい火山地帯に近い温泉は、温度が高い傾向にあるので注意しましょう。自律神経を整えてあげることも、アレルギー反応を抑える上で有効です。さらに、ゆっくりとつかることができる心地よい温度が必須条件と言えます。
西洋医学に基づいたステロイドと違って即効性はありませんが、根気強く続けることで、だんだんと皮膚本来の治癒力を取り戻し、アトピーの症状が軽減していくことが期待されています。
自己判断ではなく、医師や専門家に相談を
温泉による効果を得るためには、3~4週間ほど、1日に2~3回の入浴が必要だとされています。つまり、1~2泊程度の温泉旅行で効果を期待するのは難しいということ。また、足繁く温泉に通ったとしても、頭がのぼせる、身体が火照るといった軽い症状や、倦怠感や不眠といった症状が起こることもありえます。
そのため、自己判断での治療は難しく、医師や専門家の指示のもとで行うことが重要です。
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