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バッカルファットとは?除去手術の効果とデメリット

更新日:2017.11.20
公開日:2014.08.20
ドクター画像
この記事の監修者
六本木境クリニック 院長 境隆博

頬のたるみ改善や小顔効果があるといわれる「バッカルファット」除去手術ですが、本当に除去しても問題ないのでしょうか。ドクター監修のもと、バッカルファット除去手術の効果やダウンタイム、デメリットなどを詳しくご紹介します。

頬の脂肪「バッカルファット」が加齢によってたるむ(下垂する)と、ブルドッグ顔やほうれい線の原因となります。このバッカルファットを除去することで、小顔効果やたるみの予防・改善効果があるといわれています。

今回は、バッカルファットの除去手術の効果や内容、ダウンタイム、デメリット、失敗症例などを美容整形の専門医の方に詳しくお伺いしました。

バッカルファットとは?

バッカルファットとは、頬の深い部分に存在する脂肪です。若い間は、上の図のように頬の高い位置を中心にありますが、加齢によって脂肪を支える組織が衰えると、下図のように下垂します。

下垂したバッカルファットは、小鼻から口元にかけて現れるほうれい線や口角のマリオネットライン、顎(あご)の両サイドに見られるブルドッグのような頬のたるみの原因となります。そのため、このバッカルファットを除去することによって、気になるたるみを予防・改善し、顔の印象を若返らせる効果があるといわれています。

バッカルファットの除去はこのほかにも、よく口の内側を噛んでしまう人や、下ぶくれ顔・ぽっちゃり顔など顔の輪郭に悩んでいる人、将来の老化を予防したい人などにも適応されています。

バッカルファット除去手術を受けられる病院

バッカルファット除去手術はテレビなどでも取り上げられるなど、近年注目を集めている美容法のひとつであり、美容外科や美容整形外科、美容皮膚科などで受けることができます。症状によっては、フェイスリフトなど他の治療法と組み合わせて行われることもあります。

しかし、バッカルファットの除去はどれくらい脂肪を切除するか、どんな場合に手術に適しているかなどの判断がとても重要な手術であり、比較的難易度が高いと言えます。そのため、手術経験の少ない医師や手術例の少ないクリニックで手術を受けるのはおすすめできません。

事前の診察や無料のカウンセリングで実際に行った症例を見せてもらったり、他に組み合わせたほうがよい美容法はないか、どんなイメージに仕上げたいかなど、担当医とじっくり話し合ってから、手術を受けるかどうか決めることをおすすめします。

バッカルファット除去手術の料金

施術費用は10万円台から30万円台くらいまでと、クリニックによってまちまちです。また、オプションが設定されている場合もあります。クリニックによってはモニターを募集し、割安に手術してくれるところもありますが、麻酔費用や薬代が別になっているなどの例もあります。

バッカルファット除去手術は保険適応がなく、高額な手術なので、料金設定がきちんと明示されているかどうかも、クリニック選びの大切なポイントです。「安いほうがよい」と単純に判断せず、何が費用に含まれるのかをしっかり確認するようにしましょう。

バッカルファット除去手術の流れ

バッカルファットを除去する際は、口の中を数mmから2cmほど切開し、そこから脂肪を取り出します。手術から約1週間後に抜糸をします。切開の大きさは取り出すバッカルファットの大きさなどによって変わります。

麻酔は基本的には局所麻酔ですが、痛みや手術の恐怖心を抑えるために笑気麻酔や静脈麻酔を使用することがあります。口の中からの施術のため、皮膚に傷痕は残りません。

バッカルファット除去手術のダウンタイム

皮膚表面に傷痕はありませんが、顔が腫れます。初期のダウンタイムは3~5日程度で、強い腫れはこの期間に引くことが多いようですが、完全に落ち着くには1か月程度かかるのが一般的です。洗顔や入浴は翌日から可能です。術後5日間程度は、食事は流動食を摂り、口腔洗浄液で消毒をする必要があります。

バッカルファット除去手術のデメリット・失敗症例

バッカルファット除去は、たるみやほうれい線などを改善・予防し、小顔効果も期待でき、女性にとっては嬉しいメリットがたくさんある施術のように思います。バッカルファットを除去することで、本当にたるみは改善できるのでしょうか。また、気になるデメリットや、失敗症例についても見ていきます。

バッカルファット除去のたるみ改善効果

顔のたるみは、脂肪だけではなく、皮膚とSMAS(表在性筋膜)や靭帯などの支持組織がゆるんでいることで発生します。バッカルファットを除去しても、皮膚とSMASや靭帯など支持組織のゆるみは改善しませんので、これらがゆるんでいる場合は十分なたるみ改善効果はありません

場合によっては、脂肪がなくなることによって皮膚が余り、余計にたるんで見えたり、頬がこけて見えたりすることがあります。30代前半までであれば、余った皮膚は比較的早く縮小しますが、30代後半以降は皮膚の縮小に時間がかかるか、十分に皮膚が縮まないため、たるみ改善が見込めないこともあります。

バッカルファット除去の失敗症例

また、万が一バッカルファットを除去しすぎてしまうと、そこにスペースが空きます。そうすると、空いたスペースに、頬よりも上部の脂肪、目の下から中顔面の脂肪がダルマ落としのように移動してしまいます。その結果、くぼみやシワができ、「貧相な顔になった」、「余計に老けて見えるようになった」などのトラブルが発生することがあります。

バッカルファットの下垂に適した治療方法

バッカルファットが下垂してたるみやほうれい線、マリオネットラインが目立つ場合、どのような施術を選ぶべきなのでしょうか。

たるみ治療で重要なのは、「下に移動してしまった顔のボリュームを適切な位置に戻す」ということです。 バッカルファット除去のように、「下に移動したボリューム部分を除去する」施術や、逆にヒアルロン酸注入などで「へこんでいる部分にボリュームを足す」というような施術はあまりおすすめできません。

ヒアルロン酸を注入すると、もともとなかったものが押し込まれるので、患部に圧迫が生じます。すると、もともとあった脂肪がところてんのように押し出されることがあります。そうすると、脂肪が顔の下側に集中してしまい、マリオネットラインが目立ってしまいます。

もともと存在する必要なボリュームを取ってしまったり、逆に、もともと存在しない不必要なボリュームを追加するという不自然なことをすると、術後の仕上がりも不自然になりがちです。顔の組織・ボリュームは周囲とつながっています。ボリュームを足したり引いたりの治療では、ダルマ落としやトコロテン式といった雰囲気で周囲にも悪い影響が出ることすらあります。

バッカルファット除去手術は、下に移動してしまったボリュームを元の位置に戻すなど、根本的なたるみの改善にはつながらないかもしれませんが、現在余分なたるみの元となっている脂肪や、将来たるむであろうと思われる脂肪を的確に除去することで、適度な小顔効果や若返り効果が期待できます。

どんな効果を期待しているのか、なりたい顔のイメージは……など、診療やカウンセリングで担当医とじっくり話し合ってから、手術を受けるようにしましょう。

まとめ

頬のたるみを改善するバッカルファット除去手術の効果や手術内容、デメリットなどを見てきました。顔のたるみは、ほうれい線やマリオネットラインなど一部のパーツが気になるケースもあれば、目の周りから顔の輪郭まで含めた全体のたるみをなんとかしたいケースまで、その方によりさまざまです。

美容クリニックにおけるたるみ治療にはさまざまな種類があり、現在のたるみや老け顔をどのくらい改善してどんなイメージに仕上げたいか、費用や期間、ダウンタイムなども含めて幅広い選択肢のなかから決定されます。料金が安いからと飛びつくのではなく、信頼のおける医師を見つけ、じっくり話し合ったうえで改善法を見つけることをおすすめします。

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