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本当に肌にやさしい?敏感肌用ファンデーション

更新日:2018.06.11
公開日:2014.10.01
ドクター画像
この記事の監修者
札幌シーズクリニック 院長 大久保真

敏感肌の方にとって化粧品選びは悩みのタネと言えるでしょう。特に肌に直接触れるファンデーションは、含まれる成分に注意が必要です。ドクター監修のもと、敏感肌用ファンデーションを選ぶ際に知っておきたいポイントを紹介します。

敏感肌の方が化粧品を選ぶとき、使ってみた際にかゆみやヒリヒリを感じてしまわないか心配になってしまいますよね。それはスキンケアをする基礎化粧品だけでなく、肌をキレイにみせるメーキャップ化粧品も同様です。

なかでも、長い時間肌に触れているファンデーションによる影響は大きいので、ファンデーション選びは慎重に行いたいところです。最近では敏感肌用ファンデーションもさまざまな種類がありますが、通常のファンデーションと比べてどのような違いがあるのでしょうか?

ここでは、敏感肌の方がファンデーションを選ぶときに知っておきたいポイントをご紹介します。

そもそも敏感肌とは?

乾燥肌の状態では、肌のバリア機能が損なわれ、外からの刺激が入り込みやすくなります。そのため化粧水がしみたり、髪がふれただけでかゆくなったりする、化粧水に含まれるわずかなアルコールでかぶれて赤くなってしまいます。これは間違ったスキンケアの他にアレルギーや栄養不足が原因の場合があります。外からの刺激を受けやすくなり、肌が乾燥し、敏感に傾いてしまうことが原因として考えられます。

敏感肌の詳しい説明、原因については『敏感肌とは?』をご覧ください。

敏感肌の人が注意すべき成分

「肌への刺激となる成分」といっても、人によって合う、合わないと個人差があります。ここでは、比較的肌への刺激になりやすく、注意が必要といわれている成分をご紹介します。

(1)防腐剤、保存料

開封後の化粧品の酸化や菌の繁殖を防ぐために、防腐剤や保存料を配合します。代表的な成分はパラベンで、メチルパラベン・エチルパラベン・プロピルパラベンなど、「○○パラベン」という名称で、多くの種類があります。

また、「防腐剤フリー」と書かれているもののなかには、パラベンの替わりにフェノキシエタノールという別の防腐剤を配合している製品もあります。

しかし、この成分はパラベンよりも安心できる防腐剤というわけではなく、人によってはパラベン配合の製品の方がトラブルにならない場合もあります。

また、防腐剤としてエタノール(アルコール)を配合することも多く、それが刺激になる事もあります。ピリピリした痛みを感じる場合やしみる場合は、エタノールが原因かもしれません。

(2)合成着色料、香料

ファンデーションや口紅などに多く使われている合成着色料は、「○色○号」と表示されていて、旧厚生省がアレルギーなどの肌トラブルを起こす可能性があると定めた「表示指定成分」になっているため注意が必要です。

また、香料は成分表示に書かれていないことが多いのですが、これが原因で肌トラブルになる場合もあります。

(3)紫外線吸収剤

紫外線を吸収させ、化学反応を起こさせることでUVカット効果を得る紫外線吸収剤も肌への刺激に繋がります。メトキシケイヒ酸オクチルなどが紫外線吸収剤として使われていることが多いのですが、これらが入っていないものは「ノンケミカル」と表示されます。

紫外線を反射させて防止する紫外線散乱剤として酸化チタンなどを使用しているものを選ぶほうが肌への負担も少ないと言えるでしょう。

(4)合成界面活性剤

本来ならば混じり合わない水分と油分を乳化させるために必要な成分で、化粧水や美容クリーム、ファンデーションなどメーキャップ化粧品において使われています。「~エステル」や「~エーテル」などと表示されているようなものがそれにあたります。

よく「合成の界面活性剤が肌に悪い」ということを聞くように、刺激になりやすい成分ではありますが、こちらも人によって反応はさまざまです。

(5)合成ポリマー

肌の表面をなめらかにし、仕上がりの美しさやツルツルとした肌触りを演出するために配合されています。流動パラフィン、カルボマー、ジメチコンなどがよく使われています。

かゆみや赤みなどの刺激はないといわれていますが、毛穴を塞いでしまうことから、まれに小さなブツブツが出てしまったり、クレンジングでしっかり落とさなかったことで肌トラブルに繋がったりする場合があります。

敏感肌用ファンデーションとは

現在は敏感肌の方のために、肌に負担をかけずメイクができる化粧品が増えています。特に注目を集めているのがパウダータイプのミネラルファンデーションです。

ミネラルファンデーションとは?

ミネラルファンデーションのミネラルとは、「天然の鉱物」を指し、マイカ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄など肌への負担が軽い天然成分です。また、下地やクレンジングを使わなくてもいいものが多く、付けている間も落とすときも肌に負担をかけずバリア機能も損なわない、というメリットがあります。

最近ではミネラルファンデーションでもカバー力に優れているもの、ツヤなどの質感や立体感を演出できるものなど、バリエーションも増えています。また、紫外線防止などの機能も備えたミネラルファンデーションもたくさん登場しています。

ミネラルファンデーションを選ぶときの注意点

ミネラル成分が一部入っているだけで「ミネラル」とうたっているファンデーションもあります。ミネラル成分以外に、合成ポリマーや合成シリコンなどを配合していることもありますので、「ミネラル=肌にやさしい」というキーワードだけでなく、成分もしっかりチェックしてから使用するようにしましょう。

<ミネラルファンデーション選びのポイント>

・ミネラルが全体の主な成分であるか

・国産のものか

・肌への負担が少ないか

※さらに詳しい内容は、『敏感肌がミネラルファンデーションを選ぶときの注意点』をご覧ください。

スキンケアももちろん大切

敏感肌の方に限らず、メイク前のスキンケアも正しく行うことが大切です。

メイク前の正しい洗顔

酸化した皮脂は肌に悪いだけではなく、化粧崩れの原因にもなります。肌の乾燥がひどくなければ、メイク前は皮脂分泌の多い部分をメインに、たっぷりの泡でやさしく短時間だけ洗顔をするようにしましょう。

肌がかなり乾燥している場合は、ぬるま湯ですすぐだけでも問題ありません。その際、熱めのお湯で洗い流すと乾燥に繋がるので、絶対にぬるめの温度で行いましょう。

洗顔後はタオルで押さえるように拭き取り、摩擦は避けましょう。

メイク前の保湿

次に化粧水、乳液で肌を整えます。洗顔後の保湿はなるべく早めに行います。

メイク前のスキンケアの順番は、以下が基本です。

・化粧水

・美容液

・乳液

・クリームなど

ただし、メーカーにより美容液が化粧水より前につけるタイプの場合もあるので、メーカーが推奨する手順に従いましょう。

メイク前のスキンケアについては、『敏感肌のメイク術(1)メイク前スキンケア』で解説しています。

もしもファンデーションで肌荒れが起こったら

程度がひどい場合やなかなか治らない場合は、使用した化粧品を持って皮膚科へ行きましょう。また、使用した化粧品のメーカーにお客様相談室があれば、問い合わせてみるのもいいでしょう。場合によっては返品を受け付けてもらえることもあります。

肌トラブルが起きてしまうと、ストレスにもつながります。仕事や学校、楽しみにしていたデートや飲み会に、荒れた肌で参加するのはツライものです。トラブルが出てしまったときは、主な成分や化粧品の特徴などを簡単でいいのでメモをしておいて、今後の化粧品選びに役立たせるのがベストです。

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