美容、健康、ダイエットの補助として取り入れられている様々なサプリメント。“栄養補助食品”という位置づけをされているため、基本的にはすべて“食べ物”という扱いです。そのため、確固たる効果・効能が調べられていないものがほとんど。飲み合わせやタイミングなど、処方薬にとってはあたりまえに存在するスペックが、サプリメントでははっきりしていないのです。
そんなサプリメントを、お医者さんから処方されている薬と併用するとどのような影響があるのでしょうか。ここではサプリメントと薬の違いや、処方薬と併用した場合の危険性や影響について解説します。
サプリメントと薬の違い
医薬品は効果・効能だけでなく、それを飲むことで起きる可能性がある副作用も、実験と統計によって明らかにされています。摂取量、時間帯、体の状態など、科学的な裏づけがあるのです。食後3回飲む、1日2回まで、熱が出たら飲む…など、処方薬を渡されるときに薬剤師から詳しい説明があるのはこのためです。
対してサプリメントは、効果・効能や副作用などを科学的に立証する実験や考察が行われているかは疑問です。あくまで“食品”なので、メーカー側にすべて託されているのが現状。そのため「食品だから安全」というイメージからリスクが隠され、“予想される効果・効能”が前面に押し出されているのです。ヤセる、肌が若返る、貧血にいい…などの売り文句を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。サプリメントにも公表されていないだけで副作用は存在します。
特に危険!処方薬との飲み合わせ
サプリメントの成分によっては、薬の成分の吸収や作用をさまたげてしまう場合があります。たとえば強心薬を飲んでいるときにカルシウムのサプリを摂取するのはNG。強心薬はカルシウムを補給する薬なので、カルシウムをさらに体にいれることはいいことのように思われます。けれど、カルシウムの過剰摂取により腎臓に石ができる可能性もあるのです。
体のために…と思っても悪影響!?
処方薬はドクターが処方した後、薬剤師がそろえて飲み方や使い方の説明をしてくれます。薬は効果・効能や副作用が調べられているため、いくつか飲み合わせたときに想定される効果もリスクも専門家が把握しています。
一方サプリメントは実態がよくわからないものなので、飲み合わせた場合に起こりうる状況が想定しにくいのです。「体のために」と思って摂取したサプリメントが、悪影響をおよぼしてしまっては元も子もありません。処方薬を出されているということは、体が正常だとは言えない状態。
”風邪薬とコラーゲン”という、一見影響が及びそうにないものでも、健康でない体には合わないことも考えられます。処方薬を飲む期間だけでも、サプリメントは控えたほうがいいでしょう。
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