「プロテオグリカン」はコラーゲンやヒアルロン酸と同じく保水性に優れており、最近注目されている成分です。どのような機能があり、私たちの肌にどんな効果をもたらしてくれるのでしょうか。また、化粧品以外で摂取する方法についてもご紹介します。
[目次]
プロテオグリカンとは
プロテイン(タンパク質)とグリカン(多糖)を合わせた名前を持つプロテオグリカンは、19世紀末に発見され、動物の皮膚や軟骨などに多く含まれている成分です。
私たちの皮膚においてはコラーゲンやヒアルロン酸の間に存在し、高い保水性と柔軟性で肌にうるおいやハリをもたらす効果があるほか、近年では変形性関節症の緩和や生活習慣病の予防・改善などに多くの期待が寄せられています。
プロテオグリカンは保水にすぐれた成分
私たちの体内でも、皮膚や軟骨などに存在するプロテオグリカン。化粧品やサプリメントの原料に使用されており、コラーゲンやヒアルロン酸とともに細胞外基質を構成する保水性に優れた成分で、肌の保湿やハリに関わり、関節ではクッションの役割をしています。
以前はとても希少な成分だったために広く普及しませんでしたが、近年はサケの鼻軟骨から効率よく抽出できるようになりました。
プロテオグリカンの種類
一般的に、あるひとつのタンパク質に何本かの糖鎖(=糖が結合してできた化合物)グリコサミノグリカンが結合しているものの総称を「プロテオグリカン」と呼んでいます。
グリコサミノグリカンを構成している糖鎖の種類によって、プロテオグリカンもいくつかのタイプに分類されます。プロテオグリカンでもっとも代表的なものは、動物の軟骨組織に存在する「アグリカン」です。
他にも、皮膚の真皮層に存在する「ヴァーシカン」や基底層に存在する「パールカン」などがあります。
プロテオグリカンの美肌効果
高い保湿力を持つプロテオグリカンは、以下のような働きで美肌をサポートしています。
(1)高い保水性やEGFと似た働き
プロテオグリカンは、その高い保水力が特徴的です。プロテオグリカンの保水性は、ヒアルロン酸の1.3倍ともいわれています。また、EGF(上皮細胞増殖因子)と似たような働きも確認されています。
EGFとは人の体内で作られるタンパク質の一種で、細胞の成長や増殖を促す働きを持つ因子です。53個のアミノ酸から成り立ち、皮膚表面の受容体と結びついて肌のターンオーバーを正常に整えます。プロテオグリカンにもこれに似た働きがあるのです。
(2)抗酸化作用と炎症抑制作用
プロテオグリカンには抗酸化作用や、体内で炎症を起こす細胞の生成を抑える炎症抑制作用があることもわかっています。炎症を抑えるサイトカインというタンパク質が細胞から分泌されているのですが、プロテオグリカンはサイトカインの働きをサポートします。
このようにさまざまな働きがあるプロテオグリカンは、もともと人間の体内にも存在する成分なので親和性も高く、アレルギーや副作用の心配をしたくない方にふさわしい成分です。
そして、化粧品分野以外においてもこれからの可能性を大いに期待できる、注目の成分なのです。
プロテオグリカンの経口摂取の方法
プロテオグリカンは基礎化粧品だけでなく、サプリメントとしても活用されています。プロテオグリカンを口から摂取した場合、胃酸で溶かされることなく小腸まで届くので、身体全体に吸収されるのも大きな特徴です。
また、プロテオグリカンは分子量が大きいため、エンドサイトーシスと呼ばれる、大きな物質を細胞に取り込むメカニズムによって体内に吸収されています。経口摂取時の効果として、主に以下の2つがあげられます。
- 肌のうるおいとハリを保つ
- プロテオグリカンにはコラーゲンとヒアルロン酸の生成を促す作用があります。経口摂取によってすでに体内にあるプロテオグリカンの生成を促すことも期待されており、化粧品だけでなく内側からの美肌ケアにも役立つと考えられています。
さらに、20~40代の男女に2週間に渡ってプロテオグリカン5mg入りのカプセルを摂取してもらったところ、顔のたるみが改善されたという報告もあります。
- 全身の免疫システムを正常化
- 体内で活性酸素が増えすぎると、炎症を起こして細胞を傷つけ、身体組織を老化させたり、生活習慣病やがん、リウマチなどを引き起こすとされています。プロテオグリカンには活性酸素が発生するメカニズムの上流に働きかけ、体内のさまざまなダメージを抑制する働きがあると考えられています。
現在、プロテオグリカンの主な原料とされているのはサケの鼻軟骨ですが、熱するとプロテオグリカン成分が壊れてしまうという性質があります。日常的に摂取するのが難しいため、最近増えているサプリメントやドリンク、ゼリーなどのプロテオグリカン配合商品を活用するのもおすすめです。
プロテオグリカンサプリメントの正しい選び方
プロテオグリカンを配合したサプリメントのなかには、残念ながら成分が十分に含まれていないなど粗悪品も見受けられます。次のような点に注意して選ぶことが大切です。
- 天然素材でできたもの
- 熱処理されていないもの
- なるべく製造年月日が最近のもの
- 他の美容成分や栄養素などとの配合バランス
- 添加物含有量の少ないもの
サプリメントは、栄養の吸収が活発になっている食後30分以内に摂取するのがおすすめです。プロテオグリカンに関して副作用は確認されていませんが、用法・用量を守ってとり入れるようにしましょう。
サプリメントはあくまでも栄養補助の目的で摂取するものです。日頃から栄養バランスのとれた食事や規則正しい生活、正しいスキンケアを心がけ、そのうえでサポートとして活用しましょう。
まとめ
プロテオグリカンの美肌への効果と摂取方法を見てきました。プロテオグリカンはヒアルロン酸の1.3倍ともいわれる保水力を持ち、細胞の成長を促すEGFと似たような働きで肌のターンオーバーを促します。抗酸化作用や炎症抑制作用も確認されており、コラーゲンやヒアルロン酸とはまた違った働きで美肌をサポートしてくれるうれしい成分です。
プロテオグリカンは基礎化粧品に配合されているほか、サプリメントなどで経口摂取することもできます。肌の内側と外側から効率よくプロテオグリカンを摂取し、うるおいとハリに満ちた肌づくりに役立てましょう。
なお、プロテオグリカンを配合した化粧品について詳しくは、『プロテオグリカン配合化粧品の特徴と効果』もあわせてご覧ください。
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