口角炎とヘルペスは症状が似ていることから、よく間違われる病気ですが、そのできる場所や原因には違いがあります。間違った治療を行わないためにも、その特徴の違いや見分け方を覚えておきましょう。
口角炎とヘルペスの違い
一見同じ病気に思えてしまいますが、発症の原因と症状をみてみると違いがはっきりわかります。実際に確認してみましょう。
口角炎の原因と症状
口角炎とは、その名の通り、口の両端である口角に炎症が起こる皮膚疾患のことを言います。発症すると、亀裂や腫れ、出血をともなうため、口を開けること自体が苦痛になってきます。
出血後はかさぶたになり、白い点のような粒が現われる場合もあります。口角炎のかさぶたははがれやすく、完治が長引く傾向があります。かさぶたになったら、なるべく大きな口を開けないようにし、舌で舐めないよう注意しましょう。
なぜ口角炎が起きるのでしょうか。口角炎の原因は色々ありますが、ひとつは皮膚にあるカンジダ(真菌;カビの一種)の感染があり、この場合はカンジダ性口角炎とも呼ばれます。これはストレスや疲労による免疫力の低下が誘引となります。
他にも、ビタミンB2・B6の欠乏、機械的刺激、口腔の乾燥、老化などが原因だといわれています。
ヘルペスの原因と症状
ヘルペス(口唇疱疹)は、ヘルペスウイルスの感染により、唇やその周辺に小さな水ぶくれができる皮膚疾患です。発症初期には患部がチクチクするなど、何かしらの違和感があることが多く、その後かゆみや腫れが出てきます。ときには、熱やだるさを伴う場合もあるようです。
腫れがはじまると、その上に水ぶくれができ、これが破れるとかさぶたになっていきます。水ぶくれ状態のときは、感染ウイルスの量が増大しているため、決して触れたりしないように注意しましょう。
感染経路は、最初はヘルペスを発症している人と接触したり、患者が触ったものに触れることです。一度感染した後はヘルペスは体内に潜伏し、ストレスや疲労などによって抵抗力が弱っているときに再感染して発症します。年に数回~月に1回程度の頻度で再発を繰り返すことが多いです。
口角炎とヘルペスの見分け方
上記の各症状からみても、口角炎とヘルペスはよく似ています。ですが、治療方法が異なってくるため、この2つの疾患の正しい見分け方を知ることはとても大切です。実際にどう見分ければいいのかみてみましょう。
口角炎は炎症による亀裂が症状としてあるため、ヘルペスの特徴である小さな水ぶくれの集合体はみられません。ですから、口の端の炎症部をよく確かめて、水ぶくれがなければ口角炎、あればヘルペスだと見分けましょう。
それでもわからない場合は、必ずクリニックで受診することをおすすめします。
口角炎とヘルペスの予防
口角炎とヘルペスは日頃の生活習慣で予防できるのを知っていますか?再発するものだと諦めずに、デイリーケアの一貫として予防する努力をしていきましょう。
口角炎の予防
口角炎の主な原因は、ビタミンB2とB6の欠乏、そしてストレスと疲労です。規則正しい生活を送り、バランスのよい食事を取ることが大きな予防になります。ビタミンB2とB6が豊富に含まれている食材は、納豆や卵、うなぎやレバーなので、意識して摂取するのもいいでしょう。
ヘルペスの予防
ヘルペスも口角炎同様、予防には規則正しい生活がとても重要です。ヘルペスは体調を壊したり、疲労やストレスによって発症することが多いからです。免疫力を維持して、栄養バランスのとれた食事を取り、疲れには適度な息抜きなどをして過ごすことが大切です。
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