食事で糖質制限を行うとともに、糖質の吸収を抑えて血糖値の上昇を抑制してくれるお茶をとり入れることで、さらなる効果が期待できます。ここでは、お茶の種類とそれぞれの効果について見てみましょう。
糖質制限に役立つお茶の種類と作用
糖質制限をサポートするお茶には、身近なものから珍しいものまでさまざまあります。
緑茶
お茶の中でも特に身近な緑茶ですが、アメリカの大学で行われた研究により、食後の血糖値の上昇抑える効果があると考えられています。緑茶に含まれるEGCG(エピガロカテキンガレート)という天然物とデンプンを一緒にマウスに与えたところ、血糖値の上昇が抑えられたとの研究結果が報告されました。
唾液などに含まれるα-アミラーゼという酵素は、デンプンを麦芽糖やブドウ糖に分解する作用がありますが、報告によれば、EGCGがα-アミラーゼの活性を34%抑えたといいます。つまり、EGCGがデンプンを糖に分解する酵素の働きを抑え込んだことで、ブドウ糖への分解を抑え、食後の血糖値上昇を抑制している可能性が示唆されたのです。その研究で用いられたEGCGの量は、人では緑茶一杯半に相当する量ということでした。
EGCGの効果を得るには、デンプン質、いわゆるごはんやパンと同時に摂るべきとされており、ごはんやパンを食べた後で緑茶を飲んだとしても、血糖値の上昇は抑制できないとされています。
ギムネマ茶
ギムネマ・シルベスタは、古代インドでは「砂糖を壊すもの」と考えられていた薬草です。ギムネマ・シルベスタに含まれているギムネマ酸には、腸での糖の吸収を抑え、血糖値の上昇を緩やかにする働きがあるとされています。さらに、ギムネマ酸には、舌にある味覚細胞の甘みを感じる部位の働きを抑えて甘さを感じないようにする性質もあり、これによって食欲を抑える効果も期待されています。
たんぽぽ茶
たんぽぽ茶に含まれる「イヌリン」には、血糖値の急激な上昇を抑える作用があります。
ガルシニア茶
ガルシニアとは、インド南西部やスリランカ、タイなどに自生している植物です。含まれているヒドロキシクエン酸という物質が、余分な糖質から脂肪が合成されるのを阻害するといわれています。
プーアール茶
含有している重合型カテキンに、脂肪や糖質が吸収されるのを防ぐ働きがあるとされています。
サラシア茶
インドのアーユルヴェーダで糖尿病初期の治療に使用されてきたサラシアは、サラシノールという成分に小腸での糖の分解・吸収を抑える働きがあります。
グァバ茶
熱帯アメリカ原産の低木で、その葉と果実の皮を用いて作られます。糖質の吸収を穏やかにする効果があるといわれています。
これらのお茶の中には、漢方薬などに応用されていたり、薬効成分を含むものもあります。多用するにはリスクもともないますので、表示されている日の使用料を守ること、ひとつの種類のお茶を長期にわたって常用しないことが大切です。
糖質制限による健康影響についての注意事項
参考文献
- [1]Gary D. Foster, et al. A Randomized Trial of a Low-Carbohydrate Diet for Obesity, N Engl J Med 2003; 348: 2082-2090
- [2]日本糖尿病学会. "日本人の糖尿病の食事療法に関する日本糖尿病学会の提言" 日本糖尿病学会. http://www.jds.or.jp/modules/important/index.php?page=article&storyid=40(参照2017-06-29)
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