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アトピーに効果がある薬とは

更新日:2017/04/23 公開日:2017/04/23

アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能が衰えることによって、炎症や乾燥、かゆみなどの症状が現れるといいます。そのようなアトピー性皮膚炎の症状の改善に効果がある薬について、詳しく解説します。

アトピーの症状

人の皮膚に備わる機能には、熱や痛みを感じる役割を担う知覚作用や、発汗などによって行われる体温調節機能、細菌などの外敵やさまざまな刺激が体内に入り込まないように防御したり、体の中から体液が出ないように守ったりするバリアとしての役割などがあると考えられます。表皮のいちばん外側に存在する角層が皮膚のバリア機能を担っていますが、アトピー性皮膚炎の皮膚はこのバリア機能が衰えているといわれます。また、アトピー性皮膚炎の皮膚は、細胞間を埋める脂とされる角質細胞間脂質や水分を抱えこむ天然保湿因子などが減少していることが多く見られます。

バリア機能が衰えた状態の皮膚では、水分が体の中から蒸散しやすく、本来なら体内に入ってこない有害な抗原刺激が体の外側から侵入しやすい状態になっていることが考えられます。その抗原刺激が、異物の侵入を察知した免疫細胞と結びつくことでアレルギー性の炎症を生じさせる物質を生成し、アトピー性皮膚炎の炎症を起こすとされています。そのうえ、バリア機能が衰えている皮膚はかゆみを感知する知覚神経が表皮まで到達し、少しの刺激にもかゆみを感じて掻き壊しやすくなります。掻くことによって、バリア機能がさらに悪化するという負のスパイラルに陥ることがあります。

アトピーの薬の種類と効果

アトピー性皮膚炎の治療薬として、以下のような抗炎症外用薬や内服薬が処方されることがあります。

抗炎症外用薬

アトピー性皮膚炎の炎症を鎮静する外用薬として、安全性や有効性が十分に考慮されている薬剤としてステロイド外用薬やタクロリムス軟膏(カルシニューリン阻害外用薬)が考えられます。

<ステロイド外用薬>

ステロイド外用薬は適切に使用することで、アトピー性皮膚炎の炎症に対して年齢にかかわらず、確実かつすみやかに鎮めることが可能な薬剤だといえます。ステロイドは、薬効の強い順にストロンゲスト、ベリーストロング、ストロング、ミディアム、ウィークの5ランクがあり、皮膚炎の重症度に合わせたランクの薬剤を正しく選択し、適切に使用することが大切です。また、アトピー性皮膚炎の重症度には、重症、中等症、軽症、軽微の4段階あり、症状の重症度によってステロイド皮膚炎のランクを選択するとされています。薬剤の形状には、クリーム、軟膏、ローション、テープ剤などがあり、症状の状態や部位によって選択します。

・重症

激しい炎症によって皮膚が腫れ上がる腫脹(しゅちょう)やむくみ、ただれ、皮膚がジクジクした状態である浸潤(しんじゅん)、炎症をくり返すことによって皮膚がゴワゴワに乾燥した状態である苔癬化(たいせんか)をともなう紅斑、皮膚の表面が細かくはがれてフケ状に落ちる状態である鱗屑(りんせつ)の激化、かさぶた、直径1cm以下で皮膚面から隆起する発疹の丘疹(きゅうしん)の多発、水疱、数多い掻き壊し痕など、皮膚炎の症状が激しい状態をさします。使用するステロイドのランクは、ベリーストロングやストロングが処方され、ストロンングクラスでも効果が確認されない場合にはその部位のみに限定的にストロンゲストランクのステロイド外用薬を使用することがあります。

・中等症

中等度未満の紅斑や鱗屑、丘疹、掻き壊し痕などの症状が主体とされ、ステロイド外用薬のランクはストロングやミディアムクラスの処方が考えられます。

・軽症

乾燥や軽度の鱗屑、紅斑などが主な症状で、ステロイド外用薬は主にミディアムクラス以下のランクが選択されることが一般的です。

・軽微

乾燥症状が主体で、炎症はあまり見られない状態とされ、外用薬はステロイドを含まないものの処方が考えられます。

<タクロリムス(カルシニューリン阻害外用薬)>

副作用の心配からステロイド外用薬を使用できなかったアトピー性皮膚炎の症状に対して、有効性が高いとされています。薬効の強度には限界があることや使用上における制約があるなど、安全性や使用に関して不安定な要素が見られます。

内服薬

アトピー性皮膚炎の治療薬はステロイド外用薬やタクロリムスなどの抗炎症外用薬が主体で、内服薬は補助的な療法とされています。

<抗ヒスタミン薬>

アトピー性皮膚炎のかゆみの鎮静に対して処方されることがあります。

<シクロスポリン>

具体的に難治性の紅斑や紅皮症などに有効で、投与した後はすみやかにかゆみが軽減するといわれます。

<ステロイド内服薬>

激しい炎症や重症、最重症のアトピー性皮膚炎に使用されることがあります。

<漢方薬>

国内で一般的な皮膚科が処方できる漢方薬として消風散(しょうふうさん)や補中益気湯(ほちゅうえっきとう)があり、前者は抗炎症外用薬の治療で皮膚炎が改善しない場合に処方され、後者は疲れやすかったり、体がだるかったりするときなどに処方されることが考えられます。

薬を使用する際の注意

薬を使用する際は、副作用の危険性も考慮して使用しましょう。特に、ステロイドの治療においては医師の指導が重要です。外用薬を使用する際は、指示を受けた部位に回数や量を守って塗布しましょう。自己判断で医師の指示なく別のかゆみがある部分に塗ることや、指定の期間以上に外用を続けることはやめましょう。反対に医師の指示なく使用を中止することも避けるべきで、使用をやめた時点で症状がぶり返すことや悪化することも考えられます。また、治療の途中に副作用が疑われる症状が見られる場合には、すみやかに主治医に相談することが大切です。

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