化粧品が原因で白斑ができるというニュースが以前に取り上げられたこともあり、美白化粧品になんとなく怖いという印象をもたれた方もおられると思います。白斑ができる原因はさまざまあります。どのような種類のものがあるのか、また、化粧品で起こりうる白斑トラブルと対策について説明します。
白斑とは
白斑とは、皮膚のメラニンを作り出すメラノサイト(色素細胞)に異常が起こり、メラニンを作れなくなる、またはメラノサイトが消失してしまうことにより皮膚の色素が抜ける病変を指します。痛みやかゆみはありませんし、感染もしません。しかし、顔や手足など目立つところにできた場合、見た目が最大の悩みとなり、人の視線が気になり活動範囲が狭くなるなど、QOL(生活の質)に支障を与えることも少なくありません。
白斑には、生まれつき原因である先天性のものと、生まれた後に何らかの原因で発生する後天性のものがあります。化粧品で起こりうる白斑は、後天性のものの一つである薬剤、化学物質によって引き起こされる白斑になります。
化粧品が白斑の原因になることがある?
過去、大手化粧品メーカーの美白化粧品に含まれる化学物質が原因で、2万人近い使用者に白斑症状が発生し、製品の自主回収にまで至ったことがあります。
これらは、メラニンの生成を抑えることで美白やシミに効果があるとされた成分であるロドデノールの配合された美白化粧品でした。
ロドデノールで起きた白斑のメカニズム
シミの原因メラニンは、チロシンとチロシナーゼという成分の結合により作られています。チロシンと化学構造が似ているロドデノールがチロシンの代わりにチロシナーゼと結合することで、メラニンの生成を抑える事ができ美白やシミに効果があるとされていました。
しかし、チロシナーゼがチロシンの代わりにロドデノールと結合してできる「ロドデノール代謝物」はメラニンを作る細胞メラノサイトの働きを消失させる毒性があったと考えられています。ロドデノール含有化粧品を使用して白斑を起こしてしまった人の割合は全体の2%と推測されています。白斑ができる場合とできない場合の違いの詳細はいまだ研究中ですが、ロドデノール代謝産物が作られる量とメラノサイトの解毒能力のバランスが関係している可能性が考えられています。
ロドデノールで起きた白斑で行われている治療法とは
まず、化粧品の使用を中止すること、遮光をしっかり行うことが重要とされています。皮膚科ではステロイド外用やビタミンD3軟膏、タクロリムス軟膏などの塗り薬、ビタミンC、ビタミンE、トラネキサム酸、 抗アレルギー剤などの内服薬、それらを使用しても軽快しない場合には紫外線による免疫抑制作用を利用した「紫外線治療」などが実際に行われています。
メーカーの発表では、治療を受けた場合の77%が改善傾向を示す一方で、使用中止後、経過観察のみの場合でも67%で白斑の面積の減少がみられているということです。
ロドデノール以外の化粧品で起こる白斑とは
ロドデノールのほか、白斑のリスクが確認されている成分にハイドロキノンがあります。これは、いちごや麦芽、コーヒーなどに含まれる天然成分です。メラニンを生成するチロシナーゼの働きを抑制し、メラノサイトの数を減少させる作用を持っていますが、刺激が強く、使用するとお肌に赤みが出ることがあります。
日本ではかつて美容皮膚科などの医療機関のみで使用されていましたが、2001年より2%以下の濃度であれば市販の化粧品への配合が可能となりました。白斑が出やすくなるのはハイドロキノンが5%以上のものとされていますが、逆に効果の面で有用なのかは疑問が残るところです。なお、美白成分として国に認められているものでもありません。ハイドロキノンは、シミの状態によって濃度や使用期間を判断し処方してもらえる皮膚科で入手するほうが安全だと考えられます。また、出された指示に必ず従うことも重要です。
化粧品による白斑の予防と対処法とは
美白成分を含む化粧品を使用する前にはパッチテストを行い、刺激を感じた場合は使用を見合わせることが大切です。近年、海外の化粧品がネットで簡単に手に入りますが、日本で許可されていない美白成分が配合されている場合がありますので気をつける必要があります。また、その国の人の肌質に合うよう作られており、日本人の肌質に合わない場合もあります。
白斑は早めに治療を開始するのが一番の改善策ですので、白い斑点を見つけた時点で自己判断することなく、すぐに皮膚科を受診しましょう。
まとめ
美白成分の中には、皮膚の所々の色素が抜けて白くなる白斑を引き起こすものもあります。使用前にパッチテストを行うこと、日頃から化粧品と自分の肌との相性を見極めるために含まれている成分をチェックするのはもちろんですが、むやみに外国製の化粧品に飛びつかないことも、肌を守ることの対策につながると考えられます。皮膚に白い斑点を見つけた場合には、すぐに、皮膚科を受診してください。
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