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加齢や疾患にともなう乾燥とは?肌を理解して正しいスキンケア対策をしよう

更新日:2018/06/28 公開日:2018/06/28

肌は生まれたばかりの赤ちゃんから老人まで、年齢を問わずさまざまな症状が起こります。キレイな肌や美肌…これらの条件は、肌が健やかな状態であることが重要になります。そして、その大きなポイントとなるのが、肌の水分です。年齢を重ねていくほど、肌は水分を失って乾燥しやすくなります。肌が乾燥すると、さまざまな肌トラブルを招く状態になるだけでなく、その結果として肌の老化につながります。肌老化というと中年期や高齢期に限った話になりますが、肌の水分を維持することは、乳幼児や青年期においても同様に重要なポイントになります。

あらゆる肌トラブルには「乾燥」が関係している

シワ、シミ、ニキビ、くすみ、たるみ、毛穴など私たちの肌には、さまざまな症状が現れます。これらを引き起こす原因には個々に存在するものがあれば、いくつかの要因が複雑に関係しているものがほとんどです。そして、多くの症状にあてはまるのが肌の水分量が低下している状態、つまり「肌の乾燥」です。肌トラブルの陰には、「肌の乾燥」があることを知っておきましょう。これは、スキンケアにおける「保湿」が重要であることも意味します。

水分は肌が持つバリア機能の源

なぜ肌(皮膚)には水分が必要なのでしょうか。それは肌が本来持っている役割にあります。私たちの体の表面を覆う皮膚は、外部からの刺激や細菌の侵入を防ぐ「バリア」の役割を果たす機能が備わっているのです。どのように外部からの刺激を守っているのかというと、皮膚の一番表面にある角層と毛穴から分泌される皮脂です。

細胞と角層が密集してできている
皮膚は小さな細胞が集まって作られています。細胞をレンガに例えるとすれば、積み重なっているレンガが角質細胞です。そして、角質細胞と角質細胞のすき間を埋め、まるでセメントのような役割を果たしているのが細胞間脂質です。細胞と細胞間を満たす脂質によるバリアです。
皮脂は肌を守るバリアのひとつ
嫌われがちな皮脂ですが、肌を守ってくれる優秀な油分です。毛穴から分泌された皮脂が肌をカバーすることで、外部からの異物を止めながら、内側からの水分蒸発をくい止めます。洗顔などで皮脂を落としきってしまうと、角層の水分が逃げていき乾燥しやすくなります。

肌が乾燥したときはバリア機能が崩れている状態

肌がカサカサしたり、粉をふいているようなときは、肌のバリア機能が働かず角層の水分が抜けている状態です。水分が不足することで、細胞や細胞間脂質の構造もすき間だらけになるため角層が乱れます。水分が逃げていくだけでなく、外部からの異物が浸入しやすい状態でもあるため、外気や紫外線の影響を受けやすくなったり、アレルギーの原因物質が侵入することで炎症やかゆみなどを引き起こします。水分を与えて、さらに維持する保湿ケアをする必要があります。

皮膚が乾燥した状態「乾燥肌・乾皮症・皮脂欠乏症」
肌が乾燥する状態は医学的に「乾皮症(かんぴしょう)」と呼びます。一般的によく使われる「乾燥肌」というのは俗称です。乾燥肌という言葉は、その人が生まれ持つ体質(肌質)のように捉えられることがありますが、実際には肌を乾燥させる何らかの原因によって引き起こっています。

加齢によって乾燥しやすくなる理由「肌機能の低下」

肌が乾燥する度合いは人によってさまざまです。皮脂の量が少ない体質や間違ったスキンケアや過剰なメイクなども関係してきます。そういった要因のひとつに、年齢をあげることができます。若い頃の体はすこやかな細胞が作られますが、年齢を重ねていくほど新しく作られる細胞の質も低下していきます。これにより、維持できる水分量が低下するため、バリア機能の低下にもつながります。

また、常に新しいものが作られ、古いものと入れ替わっていくサイクルがあります。角層の細胞は肌の内側から生まれ、成長しながら角層へ到達して古くなるとアカとなって落ちます。このサイクルも加齢と共に遅くなっていくため、肌の修復に時間がかかります。

肌の乾燥を招く理由「皮膚疾患」

肌が乾燥する要因のひとつに皮膚疾患もあります。皮膚疾患は年齢に関係なく乳幼児から成人、高齢者まで起こります。ここでは、肌の乾燥が起こる一部の疾患についてみていきます。

老人性乾皮症

加齢による肌機能の低下によって肌は乾燥しやすくなるので、高齢になるほど症状は現れやすくなります。また、乾燥しやすい冬や住環境、入浴などの習慣によっても乾皮症を招くことがあるため、疾患というよりは生理的な要因と環境によって起こる症状です。この老人性乾皮症で困るのが乾燥によって起きる「かゆみ(皮膚そう痒症)」です。このかゆみによって、皮膚をかき壊し(掻破:そうは)てしまうことで皮膚が荒れ、重症化してしまうことがあります。

皮脂欠乏性皮膚炎
かゆみによって皮膚をかきこわすことで、紅斑が起こり、さらに強いかゆみを誘発します。このような状態を皮脂欠乏性皮膚炎や皮脂欠乏性湿疹と呼びます。老人性乾皮症が悪化した状態です。

アトピー性皮膚炎

かゆみを伴う湿疹が現れたり(増悪)、緩和したり(寛解)をくり返すのが特徴で、多くの場合は乳児から発症し、成長と共に改善されていく傾向があります。しかし、適切な治療やケアが受けられないことや環境による要因などによって、成人になってから再発するケースも見られます。

さまざまな症状、トラブルを招くからこそ保湿は重要

肌が乾燥することで、シワやシミ、ニキビなどの症状を招くということは、肌に十分な水分を維持することは肌トラブルや肌老化を守ることになります。

加齢による肌トラブルや乾燥を防ぐためのスキンケア

肌の乾燥は、とても身近に起こる症状です。美容面においてもそうですが、重症化すると日常生活にも支障をきたすため、日ごろからの適切なスキンケアがとても重要になってきます。しかし、適切ではない間違ったスキンケアによって、改善できないことやかえって症状を悪化させてしまう場合があります。

保湿

肌が水分を維持する状態をイメージして、水分と油分をバランスよく与えることがポイントになります。化粧水で角層に水分を与えたあとは、乳液やクリームなどの油分を含んだ化粧水を塗ります。しかし、皮脂が十分に出ている場合は無理に油分を与える必要はありません。皮脂で補えない油分を化粧品でカバーするようにしましょう。

洗浄

洗顔や体を洗うときに、ゴシゴシとこするような洗い方は、肌に必要な分の皮脂まで落としてしまい、乾燥しやすい状態を招きます。多くの人は、汚れを落とそうとしたり、さっぱりとした感じを求めて洗いすぎていることがあります。皮脂が少ない人や乾燥がひどい場合は、一時的に洗顔料やボディソープを控えてシャワーで流すだけで様子をみるのもよいでしょう。またナイロンタオルの使用は控え、洗浄料をよく泡立てて、手のひらで優しく洗うように心がけましょう。

紫外線対策

紫外線は肌の角層だけでなく、さらに奥にある真皮層にまで届き、細胞に大きなダメージを与えます。細胞そのものにダメージを与えるだけでなく、炎症を引き起こして角層が乱れるため乾燥を招きます。外出する際は、日焼け止めや紫外線を避けるための対策をしっかりと行なうことが、肌の改善を目指すために欠かすことはできません。

スキンケアだけでなく皮膚科での治療もとりいれる

ちょっとした肌の乾燥くらいであれば、スキンケアをすることで改善できることもあります。しかし、症状によっては皮膚科での治療が必要なケースがあります。特に皮膚疾患や高齢者に起こる強いかゆみを伴う症状や皮膚疾患は、正しいスキンケア、治療、生活改善などトータル的な対策が必要になります。

自分に合った化粧品を選び、正しく使うこと

化粧品によるスキンケアは、自分が行なうケアになるため、正しいケア方法を理解して行なう必要があります。また、使用する化粧品が肌に合わず、かえって乾燥やトラブルを引き起こす場合があるので、新しい化粧品を使用する場合は、違和感や炎症などが起こっていないかを十分に観察しましょう。自分にとってどの化粧品が合うかは、人によって異なります。もし、化粧品を使って肌に異変が起きた場合はすぐに使用を中止して様子をみましょう。症状がおさまらない場合は、使用した化粧品をもって皮膚科を受診し、パッチテストなどの検査を受けましょう。

肌が乾燥したり湿疹があるときは、肌は刺激を感じやすくなっています。化粧品にはいろんな成分が配合されていますが、なるべくシンプルな成分でできた製品を選ぶと、化粧品による肌トラブルを起こしにくいことや刺激となる成分を探しやすくなります。

<参考文献>

  1. ・アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2016年版(日本皮膚科学会)
  2. ・日本アレルギー学会 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン

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