気づかないうちに頭皮にできているかさぶたですが、指で触ったりはがしたりしてしまうと、頭皮を傷つけてしまい、新たなかさぶたができてしまうという悪循環におちいります。ここでは、頭皮のかさぶたの原因について見てみましょう。
頭皮にかさぶたができる原因
頭部の皮膚が荒れて厚みのあるかさぶたができたり、薄くて白い皮膚のようなものがはがれて落ちてくる・・・などの症状があるときは、皮膚炎や頭皮環境の悪化などが考えられます。その原因は、大きく「生活習慣によるもの」と「病気やアレルギーによるもの」が考えられます。具体的にどのようなことが考えられるのでしょうか。
間違ったヘアケアや生活習慣の乱れ
普段のヘアケアや生活習慣が、頭皮環境の悪化に影響を及ぼしていることも考えられます。
- 頭皮に皮脂汚れが残っている
- 汗や古い皮脂などの汚れが頭皮に溜まり、不衛生な頭皮環境になっていることが原因の場合があります。汚れを放置していると毛穴をつまらせ、髪の成長を妨げにもなりますので注意が必要です。頭皮をマッサージするようにしっかりと洗い、頭皮にへばりついた皮脂や汚れをきちんと洗い流しましょう。
- 頭皮へのダメージ
- また、冬など乾燥する季節に頭皮がかゆいからとかきむしったり、力を入れてブラッシングしたり、爪を立ててのシャンプーは頭皮を傷つけ、かさぶたを生じさせることがあります。また、洗髪後に生乾きのまま髪を放置することで、雑菌が繁殖してにおいの元となったり、頭皮環境を悪化させることがあります。
- シャンプー剤やリンスが肌に合っていない
- 現在使っているシャンプーが頭皮のタイプと合っていないことや、シャンプーやリンスなどに配合されている成分が肌の刺激となっている可能性があります。
- 不規則な生活習慣
- 睡眠不足や栄養バランスの偏った食生活、過度なストレスにさらされているなど、生活環境も乱れも頭皮に悪影響を及ぼし、フケやかゆみ、かさぶたを生じやすい頭皮環境を招いていると考えられます。
病気やアレルギーによる湿疹・炎症
頭皮の炎症は、病気やアレルギーによって引き起こされることがあります。
- 脂漏性皮膚炎(湿疹)
- 脂漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)は、頭皮や鼻の周り、額など、皮脂の分泌が多い部位で起こりやすいといわれています。特に頭皮は皮脂腺の分布の多い箇所で、活発に皮脂が分泌されています。赤ちゃんの場合はまだ発達していない毛穴に分泌された皮脂がつまることで起こりやすく、成人の場合は主に頭皮の常在菌であるマラセチア菌が皮脂をエサに増殖し、その代謝物が肌に炎症をもたらすことで起こると考えられています。
脂漏性皮膚炎を発症すると皮膚が荒れてカサつき、かさぶたになってはがれたり、カサカサとしたフケや赤い湿疹、かゆみなどの症状があらわれます。慢性化して再発をくりかえすことがあるので、皮膚科で炎症を抑える薬を処方してもらうなど、早めに治療を行うことをおすすめします。また、ストレスや生活習慣の乱れも皮膚の過剰分泌を招き、脂漏性皮膚炎を悪化させますので気をつけましょう。
- 接触性皮膚炎
- 外的刺激と接した皮膚に赤いブツブツがあらわれたり、でこぼことした湿疹ができたり、水疱になる接触性皮膚炎は、洗髪剤、整髪剤、カラーリング剤、白髪染めなどが原因物質となっている場合があり、頭皮湿疹が少しずつひどくなることが特徴です。接触性皮膚炎は原因となる物質をつきとめて除外するとともに、肌を清潔に保つことが大切です。刺激の少ないシャンプーに変えたり、洗髪後に丁寧にすすいだりするとよいでしょう。
- アトピー性皮膚炎
- アトピー性皮膚炎で頭皮に強烈なかゆみを感じ、かきむしって血液の混じったかさぶたができたり、フケが大量発生したりすることもあります。シャンプーやリンスを低刺激なものに変える、頭皮を保湿してバリア機能を高めるなど、なるべく頭皮に刺激を与えないヘアケアを心がけましょう。
頭皮のかさぶたやフケ・かゆみを抑える正しいシャンプー方法
毎日のシャンプーで頭皮環境を清潔に保つことも大切です。シャンプーをする際は、以下のような手順で洗い、頭皮を傷つけないように注意しましょう。
- 洗髪前の乾いた髪をブラッシングし、髪の絡まりをほぐして余分な汚れを落としておく
- まずはぬるま湯だけで、髪全体をしっかりすすぐ(予洗い)
- 手にシャンプーを適量取り、軽く泡立ててから髪につける
- 爪を立てず、地肌をマッサージするように指の腹で頭皮を洗う
- 頭皮全体を洗ったら、ぬるま湯で丁寧にすすぐ
- 乾いたタオルで水気を押さえるように拭き取り、ドライヤーで手早く乾かす
- 予洗いとすすぎを丁寧に行う
- 髪についたホコリや汚れは、シャンプー前のブラッシングと予洗いの段階でほとんど落ちてしまうので、ブラッシングや予洗いを丁寧に行いましょう。髪をあらかじめ濡らすことによって、シャンプーを大量に使わなくても泡立ちもよくなります。また、シャンプー剤が地肌に残ってしまうと毛穴をつまらせ、大人ニキビ(吹き出物)など別の肌トラブルの原因となりますので、後頭部や生え際なども忘れずにしっかりすすぎましょう。
- リンスやコンディショナーは直接頭皮につけない
- リンスやコンディショナーをつける場合は、手順5と6の間に行います。リンスは毛先を中心に髪の毛のみに浸透させ、せっかくきれいにした頭皮にはつけないよう気をつけましょう。また、洗い流すときはシャワーの水圧を使い、なでるようにしてやさしく流しましょう。
- 洗髪後は生乾きのままにせず、しっかり乾かす
- 髪の毛や頭皮が生乾きのままだと、雑菌が繁殖してフケやかさぶたが悪化したり、臭いにおいが発生することがあります。洗髪後はタオルドライで水気を取り去り、ドライヤーで髪の根元からしっかりと乾かしましょう。
頭皮のかさぶたを早く治すための対処法
気になる頭皮のかさぶたは、できるだけ早く改善したいと考えるのではないでしょうか。頭皮のかさぶたを早く治すために心がけたいポイントを解説します。
かさぶたを掻かない・薬でかゆみを抑える
頭皮が強烈にかゆいときも、爪をたてて掻かないようにしましょう。頭皮に傷がつき深刻な炎症を招くことがあります。かゆみが我慢できない場合は、病院で塗り薬などを処方してもらいましょう。
刺激の少ないシャンプーやリンスを選ぶ
洗髪時には刺激の少ないシャンプーを使用し、指の腹で頭皮をマッサージするようにしっかりと洗いましょう。シャンプーは洗浄力がマイルドで頭皮の刺激になりにくいアミノ酸系シャンプーがおすすめです。
※詳しくは、『肌に優しくても汚れは落ちる?低刺激シャンプーの特徴と正しい選び方』をご覧ください。
また、シャンプーのしすぎによって頭皮が乾燥し、かゆみやフケが悪化する可能性があります。シャンプーを使った洗髪は1日1回、もしくは1日おきでも十分です。ただし、すすぎ残しがないように、しっかり洗い流してください。頭皮が乾燥しているときは、肌と同様、保湿を心がけましょう。
食生活を改善する
皮脂の過剰分泌により引き起こされる脂漏性皮膚炎を防ぐには、皮脂の分泌量を調整するビタミンB群が豊富に含まれた食品を摂取しましょう。ビタミンB群は、
- レバー
- ほうれん草
- トマト
- キャベツ
- 牛乳
- 卵
などに多く含まれています。頭皮の新陳代謝を促すビタミンAや、皮脂の過剰分泌を抑えるビタミンC、血行を促進してすこやかな頭皮環境に導くビタミンEもおすすめです。
一方で、皮脂の分泌を促進する
- カフェイン(コーヒー、紅茶など)
- アルコール
- 香辛料
などは、脂漏性皮膚炎によってかさぶたができている場合は控えるようにしましょう。バランスのとれた食生活を心がけることが大切です。
紫外線を避ける
紫外線を浴びることで皮脂が酸化され、炎症の原因となります。できるだけ紫外線を避けるとともに、蒸れにくい環境を心がけましょう。
まとめ:日頃から頭皮環境を清潔に
頭皮にかさぶたを生じさせる原因となる病気や生活習慣、頭皮環境を改善してフケ・かゆみを解消するシャンプー方法などについてご紹介しました。頭皮のかさぶたは、
- 脂漏性皮膚炎
- 接触性皮膚炎
- アトピー性皮膚炎
- 不衛生な頭皮環境
- 頭皮へのダメージ
などによって引き起こされます。日頃から頭皮を清潔に保つとともに、頭皮に傷やダメージを与えないよう気をつけましょう。また、刺激の少ないシャンプーを使用する、生活習慣の乱れを正す、紫外線対策を行うことなども大切です。
頭皮のトラブル・皮膚疾患 関連記事
-
頭皮が臭い原因は?女性のための対策と頭皮ケア
#頭皮 #臭い #対策
-
頭皮のかゆみに効く薬の種類と正しい洗髪方法
#頭皮 #かゆみ #薬
-
髪染めによる頭皮トラブルと注意点
#髪染め
-
頭皮ニキビができる原因と皮膚科での正しい治療・ケア方法
#頭皮 #ニキビ #原因
-
頭皮に出るフケやかゆみの原因と対策方法
#フケ #原因 #かゆみ
-
頭皮のフケやかゆみの原因と対策・おすすめのシャンプー方法
#フケ #かゆみ
-
かゆみをともなう頭皮湿疹の原因とセルフケア・皮膚科での治療
#頭皮湿疹
-
頭皮が赤い!紅斑(こうはん)の原因と対処法
#紅斑 #頭皮 #原因
-
かんたんチェック
髪の「隠れダメージ度」チェック
-
かんたんチェック
髪の「水分バランス乱れ」チェック
関連Q&A
-
けーちゃん / 30代 / 男性 / 頭皮疾患の原因
-
さとみ / 30代 / 女性 / 頭皮疾患の原因
振り返りやまとめ読みに便利。クリップで記事を保存!
クリップ機能を使用するには、会員登録(無料)が必要になります。