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自分でできる!ワキガ(腋臭)のセルフチェック・診断

更新日:2017/06/19 公開日:2014/07/01

この記事の監修ドクター

すなおクリニック 院長
土屋沙緒先生

ワキガは自分では気づきにくいと言いますが、それは本当なのでしょうか?嗅覚には個人差がありますので、一概には言えません。

しかし、ワキガの症状が軽いため、においに気づかない、嗅覚的になにも感じない、嗅覚がワキガのにおいに慣れてしまって自覚できないというケースが多いのも確かです。だからと言って「ワキ汗がすごい」「ワキがにおう」ということが、必ずしもワキガに繋がるわけではありません。

においの悩みはとてもデリケートです。におっているかどうか周りの人に聞きたくてもなかなか思い切れませんし、逆ににおっている人にそう伝えるのも心苦しいものです。自分でできるセルフチェック項目を、ワキガの原因や治療方法とあわせて解説します。

ワキガの原因

ワキガのにおいの原因は、汗にあります。ですが、実は体内から出たばかりの汗は無臭です。

ワキガの主な原因

ワキガの主な原因は、アポクリン腺から出る汗にあります。汗そのものは無臭なのですが、アポクリン腺の汗に含まれる脂質やタンパク質、糖質、アンモニアなどの成分が皮膚表面に存在する常在菌により分解されることで、鼻につく独特のにおいが発生するのです。これに皮脂が混ざり合うと、においはさらに強くなります。

もうひとつの汗腺であるエクリン腺から出る汗は水と塩分でできているため無臭なのですが、ワキガ体質の場合は、これが蒸発するときにアポクリン腺から出る汗のにおいを一緒に拡散させてしまいます。そのため、身体全体がにおうように感じられてしまうのです。

さらに、ワキ毛は汗を留める役割をもつため、ワキの下の湿度が高まるとそこに溜まった汗に細菌が繁殖し、におい物質が増加してしまう場合もあります。

※アポクリン腺について詳細は『ワキガ(腋臭)の原因「アポクリン腺」とは』の記事を参照してください。

日本人のワキガ体質が強くなっている

日本人はもともと10人に1人がワキガ体質といわれています。欧米では70%から100%がワキガ体質を占めているので、日本人のワキガ体質の方の割合は少なかったと言えます。

ワキガ体質が多い欧米と少ない日本。その違いは、食文化の影響が大きいと考えられます。肉類など高カロリー&高脂肪の食べ物には、皮脂腺やアポクリン腺を活発にする作用があります。

反対に穀物や野菜、魚には、ビタミンをはじめポリフェノール、β-カロテンなどワキガ体質の改善に有効とされる栄養素が含まれています。これを見ても、野菜や魚中心の食生活を営んできた日本に対し、肉類中心の欧米にワキガ体質が多いことが理解できると思います。

しかし、野菜や魚中心の食生活から肉やファストフード中心のものに移行していくにつれ、日本人のワキガ体質も強くなっているといわれています。つまり食生活の欧米化が、体質も欧米人に似たものにしているというわけです。

ただし間違ってはいけないのは、「ワキガ体質の人が増えている」というわけではないということです。アポクリン腺の数は生まれたときに決まっているため、肉類中心の食事で今あるアポクリン腺が活発に働くことはあっても、なかったアポクリン腺が新しくできることはありません。

ワキガは遺伝する

ワキガは病気ではなく、遺伝的な要因の強い「体質」です。親族にワキガの方がいる場合、ワキガ体質の可能性が高いと考えてください。

「ワキガ度」セルフチェック

ワキガは正式には「腋臭(えきしゅう)症」と言って、文字通り「腋(ワキ)のにおい」が特徴的です。ワキガ体質かどうかを知るには、次のようなチェック項目があります。

耳アカがベタベタしていないか

ワキガ体質の人の耳アカは、やわらかく湿り気をもっていることが多いです。耳アカには乾燥した「コナ耳」と湿った「アメ耳」の2つのタイプがあるのですが、ワキガ体質の人は圧倒的に後者が多いです。それは、耳の中(外耳道)にワキガの原因となるアポクリン腺が多いためです。耳の中に多いということは、ワキの下にも多いと考えられます。

また、アポクリン腺は毛根の入り口近くに存在するため、耳の中の毛が太く多いかもチェックポイントとなります。

洋服のワキ部分に黄ばんだシミができやすいか

白い洋服や下着のワキ部分が黄ばむことが多々ある人は、ワキガ体質という可能性が高いです。これは、アポクリン腺から出る汗によるものです。アポクリン腺の汗はタンパク質・脂質・糖質・アンモニア・鉄分など、においの原因となる物質を含み、やや粘り気があることが特徴です。これらの成分がつくことにより、黄ばみやシミができるのです。

ただしデオドラントスプレーなどの制汗剤の使用で衣類が黄ばむ場合もありますので、ワキガチェックをする際は使用しないようにしましょう。ちなみに背中から出る汗は、微量の塩分と水分で構成されるエクリン腺の汗です。これはアポクリン腺の汗に比べてサラサラし、においも弱いです。

ワキ毛は濃いか

ワキ毛が多い=アポクリン腺が多いというわけではありません。ワキ毛とアポクリン腺の関係は、性別によって違います。

女性の場合、毛の太さがしっかりしていて1本の毛穴から2本の毛が生えているような人はアポクリン腺が多く、ワキガ体質の可能性が高いとされています。逆に男性の場合は、猫のようにやわらかくサラッとしたワキ毛が広範囲に生えている人にアポクリン腺が多いといわれています。

また、アポクリン腺はワキの下以外に陰部、肛門、乳輪などにも存在するため、これらの部位に生えている毛が濃いかどうかも参考になります。

ワキ毛に白い粉がつくか

なにもつけていないのにワキ毛に白い粉状のものがついている場合は、ほぼ間違いなくワキガ体質と言えるでしょう。それは、白い粉上のものは分泌されたアポクリン腺からの分泌物が結晶となったものだからです。

両親、または親のどちらかがワキガ体質であるか

ワキガ体質は3割ほど遺伝するとされています。100%ではないにせよ、親がワキガ体質である場合は自身も疑ってみるべきでしょう。

ワキの下に汗をかきやすいか

多汗症とワキガは混同されやすいですが、似ているようで全く違います。体温調節や精神状態によってエクリン腺の汗が大量に出るのは多汗症。季節や精神状態に関係なく、粘り気のあるアポクリン腺の汗が常に分泌されているのがワキガです。多汗症の場合は、ワキだけでなく全身に症状が出る場合も多いです。

多汗症の人がたまたまワキガ体質だったというケースもありますので、よく汗をかく部位やシーン、汗の状態などをチェックすることが大切です。

ワキガ度チェックに思い当たる項目が多かったら

上記のセルフチェックで思い当たる項目が多かった方は、ワキガ体質の可能性が高いと言えます。しかし、これはあくまでもセルフチェックですので、誤った治療をしないためにも専門の病院でアポクリン腺の数や質、においの強さなどを医学的な視点で詳しく調べてもらいましょう。

ワキガ体質の方は食事のバランスを意識

前述したように、ワキガ体質は食生活の欧米化によって強くなるといわれています。ワキガ体質の人は、お肉を食べるときは野菜も一緒にとるなど、日頃からバランスのよい食事を意識するとよいでしょう。

ワキガの治療法

「ワキガ=手術をしないといけない」というわけではありません。ワキガの症状は軽いものから重いものまでさまざまで、それにより治療法が変わります。

ワキガが軽度の場合

・塩化アルミニウム液

ティッシュやコットンに染み込ませて、においが気になる部分に塗ります。基本は制汗剤ですが、においを抑える効果もあり軽いワキガの症状にも効果を発揮します。「オドレミン」という名前で市販されていますが、病院での処方がおすすめです。

・臭化プロバンテリン(プロバンサイン)

保険適用が認められている抗コリン剤という種類の内服薬です。汗の分泌を抑えますが、副作用として口や目の渇きや尿の出が悪くなるため、継続的な服用はおすすめしません。

・精神面や自律神経にはたらきかける飲み薬

においに対する不安や恐怖心を和らげて、精神的な発汗を抑えます。眠気やふらつきなどの副作用があり、飲み続けるとリスクが高まるため必ず医師の指導にもとづいて服用してください。

ワキガの薬についての詳細は『病院でのワキガ(腋臭)治療・手術(4)ワキガの外用薬・内服薬』で詳しく解説しています。

ワキガが手術するほどではない中度以下の場合

・ボトックス注射

ボツリヌス菌の毒をワキの下に注射し、汗を出すときの伝達物質の分泌を抑えることで一時的に汗の量を減らします。主にエクリン腺の汗に働きかけることから、多汗症とワキガを併発している方や不安などメンタルの影響で出る汗に効果的です。

ワキガのにおいを抑える作用はありませんが、汗の量が減るためトータルでの不快感は減少します。

※詳しくは『病院でのワキガ(腋臭)治療・手術(5)ボトックス注射』をご覧ください。

・レーザー脱毛

レーザー脱毛とは、毛の黒色に作用する波長のレーザーを照射し、黒いメラニン色素に集中的に熱を加えて組織を破壊する脱毛法です。レーザー脱毛で毛根ごと破壊してワキ毛をなくすことは、においの軽減という点においては有効です。

※詳しくは『病院でのワキガ(腋臭)治療・手術(3)レーザー脱毛』をご覧ください。

ワキガが中度から重度の場合の治療法

・直視下手術法(剪除法:せんじょほう)

ワキの下を切開して裏返し、アポクリン腺を目視しながらひとつずつ取り除いていきます。汗腺を高い効率で切除できます。3~5cmの傷が1本残るため、傷の縫合技術により手術跡の差がでます。

入院の必要はありませんが、傷口が落ち着くまで4日から7日ほど圧迫ガーゼをあてて過ごす必要があります。

・非直視下手術法

(1)皮下組織吸引法

ワキの下に小さな穴を開け、そこから細い管(カニューレ)を通してアポクリン腺やエクリン腺、皮脂腺をかき出しながら吸い取ります。傷口は目立たなく剪除法より広い範囲にアプローチできますが、アポクリン腺の完全除去は困難なことが多くアポクリン腺の根の部分が残っていると再発する可能性があります。

(2)超音波吸引(治療)法

皮下組織吸引法をベースにした方法で先端に超音波を発生させ、その熱でアポクリン腺を破壊しながら吸引します。全てのアポクリン腺を取り除くことは難しいといわれ、技術によって火傷や合併症のリスクがあります。

(3)皮下組織削除法

カミソリの刃と皮膚を押さえるローラーを組み合わせた専用器具を使います。カミソリ部分で皮下組織ごと削り、アポクリン腺やエクリン腺を除去します。傷口は小さく高い効果を期待できますが、回復まで時間がかかります。また、皮膚壊死のリスクがあり、医師の技術力も求められます。

それぞれの手術に関しては『病院でのワキガ(腋臭)治療・手術(1)ワキガ手術の内容と費用』で詳しく解説しています。

ワキガ体質の方に多いすそわきが

ワキガの原因に関係するアポクリン腺は、ワキだけでなく陰部や乳輪などにもあり、「わきが」と同じようなニオイを放つことがあります。陰部からのにおいは「外陰部臭症」といって、通称「すそわきが」と呼ばれています。基本的には「わきが」と同じで、外陰部にあるアポクリン腺から出る汗がにおいの原因です。ワキガで悩んでいる人は、「すそわきが」も併発していることが多いといわれています。

すそわきがに関して『「すそわきが」とは?』で詳しく解説しています。

ワキガかも?と思っても慌てずに

ワキガは体質であること、ワキガ体質のチェック項目を紹介しました。しかし、もしセルフチェックで当てはまるものが多かったとしても、慌てる必要はありません。大切なのは、最適な解決策によりにおいの悩みから解放されることです。ワキガの治療法は、今回ご紹介したように手術以外の方法もありますので、まずは病院で相談しましょう。

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